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2007.04.08
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カテゴリ: 美術鑑賞

大回顧展モネ


11時頃に着いたのですが、入場10分待ちでした。
展示室は第1章から第5章までの5つのテーマで分けられていました。その5つの中にもさらにテーマが設けられていて、モネの作風や業績がわかるようになっていました。

第1章 近代生活
「ゴーディベール夫人」1868年 オルセー美術館
室内の女性を描いた作品。即興的な筆致でありながら、しっかりとした描写でした。モネは光の描写や移ろい行く色の変化などを追い求めた画家ですが、このように普通の肖像画を描き続けていても、歴史に名を残したのではないかと思わせるほど素晴らしい出来栄えです。モネらしい作品ではないですが、僕にはこの企画展で1番良かったといえるほど感動しました。
「日傘の女性」1886年 オルセー美術館
日傘の女性
有名な絵なので期待していたのですが、意外にも感動はありませんでした…。感動しなかったのは自分でも不思議です。日傘の女性は他にも何点か描いているので、そちらの方もいつか見てみたいです。
「読書をするシュザンヌと描くブランシュ」1887年 ロサンゼルス美術館
草原で読書をする女性と、その横でパレットと筆を持って絵を描く女性。柔らかい筆致と色彩で、のんびりした雰囲気がとても良いです。

第2章 印象
光-Lumiere
「アルジャントゥイユの小舟」1872年 オルセー美術館
割と即興的に描かれている部分もありますが、乱雑な感じのしない作品で、のんびりとした雰囲気が気に入った作品です。
「ヴェトイユ」1879年 トリトン財団、オランダ
筆のタッチはやや細かく、全体的に鮮やかであり柔らかな色彩で穏やかにきれいな風景画です。
階調-Valeurs
「かささぎ」1868-69年 オルセー美術館
かささぎ
雪景色を描いたものですが、雪の上の影に臨場感があり、光の陰影の描写が素晴らしいです。
色彩-Couleurs
「庭のカミーユ・モネと子供」1875年 ボストン美術館
イスに座って縫い物をしているカミーユと、地面に座って本か何かを見ている子供。二人の背後には赤やピンクの花が植えられています。母子ときれいな花。穏やかな時間の流れを感じます。
「モントルグイユ街、1878年パリ万博の祝祭」1878年 オルセー美術館
モントルグイユ街、1878年パリ万博の祝祭
モネの本にはたいてい載っている絵。手前から奥に伸びる道に溢れんばかりのフランス国旗。本で見た時は実に華やかな絵だと思ったのですが、実際に見るとそれほど華やかには見えなかったです…。悪くはなかったのですが、「日傘の女性」に続き、これも予想を若干下回った感動でした。

第3章 構図
簡素-Vide
「地中海の岸辺、曇り日」1888年 青山ユニマット美術館
手前左に岩場を描き奥に海と空が描かれていています。海や空は紫や橙色。簡素な構図の中に微妙な色彩の妙味があります。
ジャポニスム-Japonisme
「ヴァランジュヴィルの漁師小屋」1882年 ボストン美術館
ヴァランジュヴィルの漁師小屋
これも丘と海と空の構図ですが、こちらはきれいな青天です。これもシンプルな絵ですが、漁師小屋のまわりの草や花のいろんな色が見ていて飽きさせないです。
「ポール=ドモワの洞窟」1886年 茨城県近代美術館
画面の右上は岩場とそれに開いた洞窟、その他は海で、洞窟と海面という実にシンプルな作品。しかし、シンプルながらも、岩場の質感を感じますし岩場の配置から奥行きを感じられ、深みを感じる海の描写はとても素晴らしく感じます。こういうシンプルな構図でありながら奥行きや遠近感を意識した描写は浮世絵の影響でしょうか。
平面構成-Composition en registres
「ルエルの眺め」1858年 丸沼芸術の森所蔵(登録美術品として埼玉県立近代美術館に寄託)
モネは1840年生まれなので、18歳の時の作品ですね。画面の奥には林があり手前は草原で草原を流れている小川で男性が一人で釣りをしている絵です。丁度良い程度に写実的で、見ていてとても心地良い作品です。この作品は、2004年に東京都現代美術館で開催された「花と緑の物語展」でも出品されていて、とても気に入っていた作品です。これで見たのは二度目ですが、また出会えて嬉しかったです。
「ヴァランジュヴィルの風景」1882年 ポーラ美術館
手前に草原、奥に海と青空。手前にはヒョロヒョロと細く長い木が数本立っています。青い空と海に手前の細い木が面白さがあります。
反射映像-Reflets
「アルジャントゥイユのレガッタ」1872年 オルセー美術館
青い空と草木の茂った岸辺と川。川にはヨットが数隻あり、水面にはヨットと青い空が映っています。筆の跡がしかりとわかる筆致ですが、素早く描いてその場の雰囲気を画面に写し取ったような感じで乱雑さはなく、のどかな風景がとても良いです。
「ヴェルノンの教会の眺め」1883年 吉野石膏株式会社(山形美術館に寄託)
手前にセーヌ川が左右に流れ、奥に教会が見えます。柔らかい筆致で、描写が硬すぎず崩し過ぎず、このくらいの描写が僕は一番好きです。
「セーヌ川の朝、霧」1897年 個人蔵
画面の左側には草木がうっそうと生い茂って緑色で覆われ、画面の右側はセーヌ川が手前から奥へ(あるいは奥から手前へ)流れています。草木の緑と川や空は紫で、川の一部に草木が映っています。ぼんやりとした幻想的な風景です。
「サン・ジョルジョ・マッジョーレ教会から見たドゥカーレ宮」1908年 メトロポリタン美術館
画面の手前が川で奥にドゥカーレ宮。川は青や紫、ドゥカーレ宮は橙色で描かれていて、幻想的な雰囲気がきれいです。
「大運河、ヴェネツィア」1908年 ボストン美術館
これも手前に画面手前に川で奥に建物が見える構図です。朝日(あるいは夕日?)が当たっていて、これも青、紫、橙色がきれいです。

第4章 連作
リズム-Rythme
「ポプラ並木の下で、青天」1887年 州立美術館、シュトゥットガルト
「エプト川のポプラ並木、風の日」1891年 オルセー美術館
エプト川のポプラ並木、風の日
「ポプラ並木、秋」1891年 フィラデルフィア美術館
「エプト川のポプラ並木」1891年 イセ文化基金
ポプラ並木の連作はモネの連作の中でも一番好きです。直線的なポプラの木が幾何学的な美しさを感じ、連なるポプラの木々は遠くへ行くほど低く見え、その高低や木の間隔からリズムを感じます。色彩や構図やポプラの木から、様々な美を感じ取ることができるので、特別に好きな作品群です。
形態-Forme
「積みわら」1885年 大原美術館
子供二人が積みわらに寄りかかって座っている絵。二人と積みわらには木の影で、奥の積みわらは太陽の光が当たっています。子供二人が座っているのでかわいらしさもあり、明るく穏やかな色彩もきれいで、太陽の陰陽で変化をつけているのも良かったです。
「積みわら、雪の朝」1891年 ボストン美術館
積みわら、雪の朝
「積みわら、夏の終わり、朝」1891年 オルセー美術館
この二つの絵の積みわらは円錐形をしているので、独特の形態です。積みわらを描くのはとても面白いと思います。
変化-Variation
「ルーアン大聖堂、正面とサン=ロマン塔」1893年 オルセー美術館
霧のルーアン大聖堂
「霧のルーアン大聖堂」1893-94年 青山ユニマット美術館
ルーアン大聖堂という、そのもの自体に色や形の変化のないものを太陽の光の変化や霧という気象条件の違いによって、ルーアン大聖堂の表情の変化を捉えた作品。画面いっぱいに描かれているので迫力も感じます。
移ろい-Ephemere
「サン=ラザール駅」1877年 オルセー美術館
サン=ラザール駅
これもモネの本にはよく載っている絵で、楽しみにしていたのですが…これも意外に感動がありませんでした…。
「国会議事堂、日没」1904年 カイゼル・ヴィルヘルム美術館、クレフェルト
「ロンドン、国会議事堂」1903年 マルロー美術館、ル・アーヴル
ロンドンの国会議事堂を描いた作品。ほとんど同じ場所で同じ時間に描かれていますが、「国会議事堂、日没」の方は、朱色の夕日(太陽)が描かれていて、「ロンドン、国会議事堂」は既に日が沈んでしまったようで夕日が描かれていません。同じ場所から描かれた絵なので、そのちょっとした違いの色の変化を味わえます。ぼんやりとした描写が夕方のしみじみとした雰囲気を醸し出しているようです。
「チャリング・クロス橋」1899年 メナード美術館
「テムズ川のチャリング・クロス橋」1903年 吉野石膏株式会社(山形美術館に寄託)
「テムズ川のチャリング・クロス橋」1903年 リオン美術館
この三点の絵もほとんど同じ場所から描かれていて、時間の変化によるテムズ川の水面のきらめきや色などの移ろいが堪能できます。上野の国立西洋美術館にも同じテーマの「チャーリング=クロス橋、ロンドン」という作品があり、とても好きな絵なのですが、その好きなテーマの絵が三点並べてあるのはとても嬉しかったですし、三点を鑑賞するのは実に幸せでした。

第5章 睡蓮/庭
筆触-Facture
「睡蓮の池」1900年 ボストン美術館
日本風の太鼓橋がかかった池の絵。赤や緑を中心に、青・紫・黄がちりばめられてカラフルですが、独特の筆致でクレヨンで描いたような趣で、それほどうるさくない程度にカラフルです。
「日本風太鼓橋」1918-24 アサヒビール株式会社
「日本風太鼓橋」1918-24 マルモッタン美術館
この二つも日本風太鼓橋を描いた作品ですが、晩年に描かれていて、全体的に形態がハッキリせず、何か炎や蜃気楼がユラユラしているような感じです。
綜合-Synthese
「睡蓮」1907年 ポーラ美術館
「睡蓮」1907年 和泉市久保惣記念美術館
睡蓮
モネの睡蓮といえばほとんどの人が思い浮かべる水面に睡蓮の絵。改めて睡蓮は良いテーマだと思いました。

モネが20世紀美術に与えた影響というのはあまり意識したことがなかったのですが、こうやって企画展としてテーマごとに分けて展示して20美術への影響についての説明を読むと、ただ人気のある画家という意識から、20世紀美術に大きな影響を与えた画家という意識に変わりました。
最後の展示室の後はグッズ売り場。いつものように図録を買って、絵ハガキも買ったのですが、12枚も買ってしまいました。これほど絵ハガキを買ったのは初めてで、最高記録です。
二時頃に展示室を出たら入場待ちの行列はありませんでした。朝の方が込むのでしょうか。
あと1回か2回行きたいです。

大回顧展モネ 印象派の巨匠、その遺産






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最終更新日  2007.04.11 07:25:23
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