彼の死・・4



   不思議な夢を見た 彼と私が結婚する夢だった

   彼の部屋の机の引き出しから 彼が指輪を差し出した

   展開が掴めにくい夢だった

   急に寒くなり 起きた私 3月 寒さも厳しい季節だった

   朝 学校に行く準備をしていた私に 一本の電話が入った

   「○○ちゃん(私の名)」

   彼のお母さんからだった

   「Kがね・・・死んだの・・・朝早くに・・・」

   泣き声で言葉になっていなかったが 私にははっきりと聞こえた

   死んだ・・・・・彼が死んだ・・・・・

   嘘よ  絶対に夢だよ   嫌だよ 嫌だ そんなの嫌だ・・・・・

   私は彼の元へ 急いだ

   どうして?なんで?

   彼の顔には 白い布がかかっていた

   取り乱しそうになった私を 彼の友達が止めようとしていた

   私が・・・・私が彼を殺してしまったんだ!!

   私の頭の中は その思いで埋め尽くされていた・・・

   私が殺したんだ・・・・

   いつしか口走っていた  そんな私に彼のお母さんが 頬をぶった

   「そんなこと言うもんじゃないでしょ!

    誰もあなたが殺したなんて思ってないんだから

    Kもそんな事思ってないから そんな風に思うのやめなさい」

   彼のお母さんの優しさだったのだろうか

   私は 整理がつかないまま  彼の葬儀を終えた


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