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しあわせになろうよ♪
++小説++『ダラダラの海』
「ダラダラしてんじゃねぇよ」
右ほほにパンチ。
「おめぇ、うざいんだよ」
顎にアッパー。
「最後に言う。ダラダラしてんじゃねぇよ」
鼻にもろパンチ。
あんたはさ、殴られてくやしいの?
「くやしいよ」
うそ。
「え?」
あんたがくやしいって思ってる相手は自分自身なんじゃないの?
「・・・・」
ほら御覧なさい。
「どうしてさ?」
わからない。でも、わかる。あんたはダラダラの臆病者よ。そしてあたしはそんな男の彼女。
教室でパンチ。屋上で説教。
俺は疲れた。
みんな口そろえて言うのさ。
「ダラダラしてるな」って。
そんなもんかねー。
そう言ってたばこなんかふかしてたら尚かっこいいのだが。
あいにく、俺にはそんなアイテムが存在しない。
あるのは顔の傷と心の傷のみ。
「ダラダラってなんだよ・・・。」
俺はみんなと同じ人間だ。
ダラダラもタラタラもない。
俺にだけそんなオーラが存在するのか。
それはなんて非合理な事なんだろう・・・・。
今日も空を仰ぎ見る。
教室で殴ってきたアイツも。
ヤる時は謙虚なくせにこういう時に口うるさいアイツも。
「ダラダラしてないのか?」
『人として生きる事があやふやになりかけてる。』
俺の目の前に現れたのは華南だった。
「・・・・なん・・・で?」
ボーっと座り呆けてた俺はここがどこだだわからなくなった。
聞こえてくるのは、波の満ち引きする自然音。
ここは・・・湘南海岸。
7月の海岸にいるのは俺だけだと思ってた。
『辛いのは君だけじゃないからって、君に石ころ投げるんだ』
華南は何か唄を歌っているようだ。
そして俺をじっと見つめていた。
その瞳を見ると、俺はどっかにしまい込んだあの出来事を思い出した。
そうだ、華南だ。
今目の前の華南がいるのだ。
間違いない。俺の目の前には昔俺が殺した女がいるのだ。
『ダラダラって何だろうね?』
「華南は・・・何だと思う?」
『う~ん・・・わからない。華南はダラダラを知らないうちに死んじゃったから』
そう言うと華南は俺をじっと見た。俺にどんなリアクションをとってもらいたい?
『でも、ダラダラって言うのはきっと・・・・・』
「きっと?」
『俊哉のことじゃない?』
「はぁ?俺かよー」
ひでぇなぁみんなして。俺はそう思った。そして華南を見た。
『なぁに?』
「でもお前・・・どうして俺の前に?」
『・・・ちょっとね。』
俺はずっと溜めてた気持ちを伝えた。少し泣きながら。
「俺、ずっと・・・その・・謝りたかったんだ。謝ってもどうにもなんねぇけど、ずっと謝りたかった。
ごめん・・・・。すまない。」
あの時の事を思い出した。殺すつもりなんてなかった。あの時の俺達は中1だぜ?殺すなんてそんな気持ち、さらさら
なかったよ。ただ、運が悪かった。そして魔がさした。それだけだった。
『痛かったな~・・・あたし、車3台に轢かれたんだよ?』
おどけ笑いに華南が言った。全く嫌味がこもっていない。どうして俺を責めない?
「・・・・・」
知ってる。俺は全部見てた。俺が華南を殺したのだから。
あの時は確か、今と同じ季節だった。夏。太陽の季節ともいうだろうか。
俺と華南は少し良い感じで絶対両思いだった。というか、両思いだったのだ。
ただ、どっちかが告るのをずっと待ってるという第3者からすればそれはそれはいらいらする関係だっただろう。
でも、中1というガキの俺に告るとか付き合うとか、そんな次元のモラルはなかった。
その頃はひたすらギターを弾いていたからだ。
兄貴のギターを兄貴は弾かなかった。なぜだら知らないけど、兄貴はギターよりも勉強を好んでいた。
俺はあの日、いつものように駅前で歌ってた。中1というガキだったから自分の未熟さも恥も知らないで一丁前に尾崎豊なんかを
コピーしてた。今になったら自分のばかさ加減に笑えちまう。
でも、あの頃は必死だった。中1なりに社会に不満も持ってたし、大人にも、毎日ガンつけてた。
俺の地元の駅はそんなに栄えていない。けれど大きな道路は4個くらいあった。車通りが激しくて、けっこう危ない。
そんな道路の近くで俺はだいたい週3のペースで歌ってた。今はバイトを週3してるよ。
毎日毎日、尾崎豊を歌った。「街の風景」から始まって「シェリー」で終わる。完璧な路上。完璧なマネっ子。
まぁな。俺の中1の頃なんてもう尾崎豊も死んじまってるからそれはそれは珍しかったろう。今の時代、路上やってるやつは
大抵ゆずか19だぜ?俺から言わせればつまんねぇんだよ。
華南は俺の路上を毎回絶対見に来てくれてた。座ってスコアを広げて演奏する俺の目の前に華南が座る。
そして俺が歌う。駅前を毎日通る人はそんな光景を週3は見ていたという事になる。
そして、いつも華南は俺に「I LOVE YOU」をリクエストしてきた。俺はこの歌をだてに聴いていないぜ?唄ってやるさ。
自慢じゃないけど、俺、尾崎に声似てるって言われたんだぜ?まかせとけ。なーんて調子こいて華南のために「I LOVE YOU」を
いつも唄ってやってた。
あの日も俺は華南に「I LOVE YOU」を唄ってやった。いつものように完璧なマネっぷりで。
夏休み前で夜になると同じ中学の先輩達が見に来てくれたのを覚えている。あの頃の俺にはほんと恥なんてなかった。
目の前にいる華南。今思えば、俺は華南が大好きだった。いや、愛していたんだ。
華南は、汗をかきながら歌ってる俺を気づかってか、ジュースでも買ってこようかと俺に尋ねた。
あぁ。俺はそう答えた。今思えば、それが悪魔の判断だったんだ。
華南はすっと立つと目の前の大きな道路を横切ろうとした。ちょうど、車は来ない。
たったったっと、軽い足取りでかけていく華南。道路を横切ればコンビニがある。
その時、俺はどういうわけか華南を引き止めた。華南!それがいけなかった。
何?華南は振り返った。道路の中央にいる華南。そして次の瞬間、華南は轢かれたんだ。
華南はしくじったのさ。ほんの一瞬の隙を見て道路を横切ろうとしたんだけど、車と接触してしまった。
そして華南にしくじらせたのは俺だった。俺は一瞬何が起こったのかわからず、ただびっくりしていた。
車3台に引かれた華南を俺はただ見る事しかできなかった。近くにいた俺の先輩達が救急車を呼んでくれた。
間違いない、俺が華南を殺したんだ。俺があの時華南を呼んだから。
『俊哉・・・・・あたしは中1で死ぬ運命だったのよ』
今俺の目の前にいる華南は、中1の頃のままだ。死んだ時と同じ服装。
履いていた白いスラックスが血で真っ赤に染まったのを覚えてる。
「いや、俺が悪いんだ。俺があの時・・・・お前を呼び止めなければ・・・」
華南は俺を優しく見つめた。その瞳が、ずっとずっと愛おしかった。
そもそも、俺が「ダラダラしてる」を言われ始めたのは華南の死がきっかけだった。
罪悪感と喪失感。その狭間で俺はかすかながら高1まで生きてきた。
華南が死んでから、俺は路上をやっていない。やる気にならなかった。
一番、唄を聞かせたい人がいないのだから。
『俊哉、あたしが今日俊哉の前に現れた理由はね、俊哉に伝えたい事があったからなの。』
「伝えたい事?俺に?」
『そう。』
「何?」
『うん・・・・・』
華南の視線が海に向けられる。
俺も海を見た。俺の故郷でもある海。母なる海。
『私、俊哉の事、ずっと好きだったの。ほんとに、大好きだった。愛してたもの・・・』
そう言った途端、華南は泣き出した。華南の泪は透き通るほどキレイで、華南は真珠の泪を流す人魚なんだと
一瞬思ったくらいだった。
「俺もだよ。お前の事、愛しかった。だから、お前を失ってからの俺は、まるで生きる軸を失ったように、
毎日をただ無駄に消費してた。ダラダラしてるって周りの人間に言われた。でも、しょうがなかったんだ。
一番お前が必要な俺が、お前を・・・・お前を・・・・」
俺は華南を抱きしめた。中1の頃はどっこいどっこいだった体格も、今じゃ俺の方がかなりリードしている。
俺も、男になったんだ。
ぎゅっと、強く華南を抱きしめた。嗚呼俺は華南をずっと愛していたんだ。
今まで付き合ってきた女はずっと華南の身代わりだったんだ。
華南も俺の背中に手を回してくれた。そして俺達は初めての接吻をした。
『俊哉・・・』
「ん?」
『約束して?これからは、ちゃんと毎日を一生懸命生きるって事を』
「え?」
『あたしのためにも。あたしは、もう、この世界で生きていく事はできない。』
「華南」
『でもね、あなたの心の中で生きるつもり。だから、あなたが一生懸命生きるって事は、
あたしが一生懸命生きるっていう事になるの。あたしはそれを望むわ』
「華南。待ってくれ。また、どこかに行ってしまうのかい?」
『うん。いつまでも、あたしはここにいてはいけないの。わかるでしょう?』
「俺も、一緒に行く!行くよ!!お前を失った後、俺、星空見ながらずっと考えてた。
死ねば華南に会えるのかって。俺も・・・・死ねば・・」
『俊哉!!!!』
泣きながら華南は俺を見た。
『どうしてそんな事言うの?死ぬなんて簡単に言わないで?
この世の中にはね、生きたいのに死んだ人がいるの。死にたくないのに死んだ人がいるの。
なのに、自ら死ぬなんて・・・・そんな悲しい事、しないで!!!
あたし悲しいよ。もし、俊哉が死んであたしと一緒になっても、あたし、悲しい。
悲しすぎるよ!!だからやめて?あなたにはこれからがあるの。
そしてあたしはあなたの心で行き続ける。何も変わりはないわ。そうでしょう?』
切なすぎます。そんなの。俺は辛いよ。苦しいよ。
「華南」
もう一度、強く華南を抱きしめた。強く、強く・・・・。
この天使をもうどこにも行かせやしない。強く思った。
『俊哉・・・・』
「なんだい?」
『俊哉の路上・・・・もう一度聞きたいな。もう一度。』
次の瞬間俺は中1の頃週3のペースで路上をやっていた場所にいた。
そして、目の前には華南が座る。中1の頃と何一つ変わらない。変わったのは俺だけだ。
嗚呼この感じ。懐かしいな。もう夜になる。一日の疲れを抱えたサラリーマンやOL、そして
夏休み間近の気の抜けた学生。みんな、俺の前を流れていく。
もう、ずいぶんの間弾いてなかったギター。いや、たまにちょくちょく弾いていたが、マジになって弾くのは
本当に久しぶりだった。中1ぶりだった。そして、「街の風景」から始めた。
体が覚えてる歌とコード。俺は歌った。華南のために。魂を込めて。
相変わらず、からっぽな人ごみだな。俺はそう思った。みんな、俺を見て見ぬふりをする。
嗚呼、またここに現実を知らない夢見る負け犬が、ギターを弾いて吼えてるよってね。
でも俺はそんな事おかまいなしに歌った。華南のために。
そう。人間は、何か一つ自分を支えるものがあれば生きていける。
俺は見つけた。それは華南だったんだ。
真実というのは、人を愛する事なんだ。愛は何事には絶えない。
そして、人を愛すると初めて人は人になれるんだ。
それを教えてくれたのは、真実を教えてくれたのは、今目の前にいる俺の愛する華南だった。
華南、ありがとう。
『ねぇ、I LOVE YOU リクエストしても良い?』
「ああ。もちろんさ」
俺は唄った。華南に何回も聞かせた「I LOVE YOU」。
I LOVE YOU 今だけは悲しい唄聞きたくないよ
I LOVE YOU 逃れ逃れたどりついたこの部屋
何もかも許された恋じゃないから
二人はまるで捨て猫みたい
この部屋は落ち葉に埋もれた空き箱みたい
だからお前は子猫のような泣き声で
I LOVE YOU 若すぎる二人の愛には触れられぬ秘密がある
I LOVE YOU 今の暮らしの中ではたどり着けない
一つに重なり生きていく恋を
夢見て傷つくだけの二人だよ
何度も愛してるって聞くお前は
この愛無しでは生きてさえゆけないと
それからまたふたりは目を閉じるよ
悲しい唄に愛がしらけてしまわぬように・・・・
華南はいつも「それからまたふたりは目を閉じるよ」という歌詞のところで本当に目を閉じる。
そして、そんな華南を見ていつも俺もめを閉じる。目を閉じた時、声が聞こえた。
『ありがとう。あなたらしく、一生懸命生きてね。愛してる』
目を開けると、目の前に華南はもういなかった。俺は焦った。とにかく焦った。
「華南?」
少し遠くを見ると、華南を見つけた。
タイムリミットが近づいて透き通ってる華南は、今日は車に轢かれなかった。
俺は立ち上がると
「華南!!華南!!!!!華南!!!!!!!!!!」
力の限り華南を呼んだ。しかし、華南は・・・・俺の呼びかけに今度は振り返らなかった。
それが正しいかのように。
俺は泣きながら華南を呼び続けた。そのうち、華南の姿は見えなくなった。
俺は泣き崩れた・・・。
気が付くと、俺の右手にはギターのピックが握られていた。
「?」
俺のピックじゃない。誰のだ?
ピックは俺が愛用してるメーカーのやつだった。そして、メーカーの刻印の裏には文字が書いてあった。
”生きて。まっすぐに。真実へと。華南”
俺はピックをぎゅっと握り締めた。
華南を強く抱きしめた時と同じくらい、強く握りしめた。
生きていくよ。華南。
俺は堕ちるとこまで堕ちた。そして、もう失うものなんてない。
だから、俺はこれからなんだ。
3ヶ月後。
俺は、華南と別れてから「ダラダラしてる」って言われなくなったんだぜ?
俺は華南と約束したんだ。まっすぐ、真実へと生きるってね。
今日も俺はギターを持って駅前に行く。
もう一度、一生懸命生きようと思ったのさ。
華南を純粋に好きだった頃の俺の夢だった
尾崎みたいな歌手になるためにね。
華南、俺は生きるよ。そして唄うよ。
道端に座り込んで、風に唄って生くよ。
何億マイルの果てなき道を・・・・・・
終わり。
**解説**
2時間くらいで書けた!!!!
結構泣けるかも(笑
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