いなかの猫の天邪鬼部屋

第12話

OnAir~シーズン2・第12話~


#ある食堂の部屋

(ギョンミン、ノPD、ソンミン、ヨンウン、セア。テーブルを囲んで座っている。)

ソンミン : 別々に集まれば良かったのに。気まずいことはありませんか?

ギョンミン : いいえ。(ヨンウンに視線を送る)みんな互いに知っている間柄ですから。(セアを見て) ユン作家は大丈夫ですか?

セア : はい、大丈夫です。いずれにしろ親しくならないといけない方達ですから。

ソンミン : ソ作家は気まずくはないですか?

ヨンウン : 気まずい事がありますか?皆ひとつの家族みたいなものですよ。

ノPD : さあ、さあ、今日は最後まで行くぞ~。いいですね? ソ作家、ユン作家。

ヨンウン : (にっこりと笑う) はい。

セア :(黙って笑う)


#カラオケルーム

(ノPD歌っている。ギョンミンとヨンウン、並んで座って面白そうにしている。ソンミン、たまにヨンウンに視線を送ったり隣の席セアに話し掛けたりする。)


#カラオケのトイレ

(ヨンウン、洗面台で手を洗う。セア、入って来る。)

ヨンウン : (セアを振り返って) お酒に強いようね。随分飲んでたみたいだけど..

セア : そうですか?そんなに飲んでいませんけど...。(ぎこちない沈黙).... ソ先生 ..羨ましいです。

ヨンウン : (分からないふりをしながら) 何が?

セア : (手を洗う)...(鏡でヨンウンを見ながら微笑む) 何でも、です。私にないものを持っているから。

ヨンウン : (警戒する目つき、口元にほほ笑み) 羨ましいのは私の方だわ。私にあるもの以上のものを持っているじゃない。

セア : 私が持っているものとは何ですか?

ヨンウン : ノ監督が口が酸っぱくなるほど誉めてるじゃない。知的でセクシーな若い作家だって。

セア : (やや苦い笑い) 褒め言葉がありがたい人もいるし、煩わしい人もいるし...そうでしょう?

ヨンウン : ノ監督が煩わしい?

セア : 嬉しくはないです。

ヨンウン : (にっこりと笑って) それは幸運だったわね。彼とは一緒に作業しないんだもの。

セア : その点、イ監督は...すごくけち臭いんです。

ヨンウン : 何が?褒め言葉が?

セア :(一方の眉を上げて肯定的な様子)

ヨンウン : イ監督はもともと口数が少ない人だから。言葉も短いのよ。

セア : そのイ監督を笑わせる事が出来るソ先生が羨ましいです。

ヨンウン : !!!..(セアを見て、努めて淡々と) そう見える?

セア : (視線を回して) お二人の仲を監督に聞きました。運命だとおっしゃいました。

ヨンウン : (何かを思い浮かべ) そう言ってたの?

セア : それで、私はこう言いました。全ての愛はその瞬間には運命みたいに感じられるのではないか。でも終わった後には、そうではなかったと思うのではないか、と。

ヨンウン : (顔色変わる) ...そう。

セア : 監督もこの話には同意するんですよ...。事実、そうじゃないでしょうか?

ヨンウン : .... そうかもしれないわね。

セア : (得意満面した) 用事をみな済まされたのでしたら、先に出ていてください。(トイレに入って行く)

ヨンウン : (心は複雑。口をギュッと結んだ姿。)


#カラオケルーム

(ヨンウン、乱れた気持ちを努めて隠す。ギョンミン、分からないという様子。セアは微笑を送る。)

ソンミン : (ヨンウンに) ソ作家、一曲歌いますか?聴きたいです。

ヨンウン : (呆然としていたが) え?私ですか?(困り果てる) あの...ダメです。今...喉の調子が良くないので。キム代表が歌ってくださいよ。興味ありますわ。

ソンミン : そうですか?それでは...。(ソンミン立ち上がってマイクを取る) 恥ずかしいですが...久しぶりに心に触れる歌を歌ってみますね。

ギョンミン : ?(ソンミン見る)

(ソンミン、「愛しています(ティム)」を歌う。)

悪い人ですね 本当にあなたという人 許しもなしになぜ私の心を持って行く
君のせいで 私は生きる事を持て余しているのに 君は分からない
分かりますか 私ではない者に視線を送るほどつまらない事はないという事を
ただ時々そのほほ笑みを この私にも分ける事は出来ないのですか

ギョンミン : (表情固まる)...


#カラオケ外の道路

(セアよろけ、ノPDがセアの腕を掴む。)

ソンミン : (ギョンミン見て) 女の方たちはお宅まで送ってあげないとならないですよね?(ヨンウンに視線を送る)

ギョンミン : (ヨンウンの腕を引く) ソ作家は私がお送りします。キム代表はユン作家をお送りしてください。

ソンミン :はい...(驚いて、やや苦々しく) 分かりました。

ギョンミン : (ノPDを振り返って) ノ監督!空のタクシーが来ました。お先にどうぞ。

ノPD : うん?どうして俺が先に?

ギョンミン : 酔ってフラフラしてるじゃないですか。早く乗ってください。(タクシーのドアを開けてやる)お気を付けて。

ノPD : (名残惜しそうに) うん...じゃあ明日。ユン作家、さようなら。 キム代表、今日はありがとうございました。ソ作家も。

ソンミン : はい。お気を付けて。

ヨンウン : さようなら。

(タクシー出発する。)

ソンミン : それではイ監督、さようなら。お気を付けて。ソ作家をよろしくお願いします。

ギョンミン : (うっとおしそうに) ...さようなら。お気を付けて。(セア見て) ユン作家、申し訳ありません。気を付けて。

セア : (名残惜しそうにギョンミン見る )はい...さようなら。

ギョンミン : (後に来たタクシーを拾って) 先に乗りますか?

ソンミン : いいえ。イ監督が先に乗ってください。今日は私が残ります。

ギョンミン : (ソンミン見る)..そうですか、それでは。(ドアを開けてヨンウンを乗せる) 乗って。

ヨンウン : (ソンミン振り返って) 今日は楽しかったです。さようなら。

ソンミン : はい。今度は私がお送り出来る事を願っています。

ヨンウン : (戸惑って)はい...それじゃ。

ギョンミン : (乾いた表情でソンミン見て) それでは...(ヨンウンの横に乗る)

(ソンミン、出発するタクシーを見ている。)


#タクシーの中

(ギョンミンとヨンウンの間にぎこちない沈黙が流れる。二人考え込んでいる。)


#ヨンウンのアパート前

(ギョンミンとヨンウン、タクシーから降りる。)

ギョンミン : ...(笑わない) おやすみ。

ヨンウン : ....ええ(ためらう)...気を付けて帰ってね....(アパートに入って行く)

(ギョンミン、ヨンウンの姿を見守る。ヨンウンの姿が消えてタクシー去る。)


#ギョンミンの部屋

(ギョンミン、心が重い。迷い、机に座って電話機に触れる。)


#ヨンウンの部屋

(ヨンウン、ベッドに横になり、心を掻き回されている。)


#ギョンミン、電話を手に取る


#ヨンウンの電話のメール受信音が鳴る

(ヨンウン驚いて確認。ギョンミンの名前。)

"...... "

(ヨンウン、心が乱れる。)

(返信メール)

"......"


#ギョンミン起きて部屋の中ををうろうろし、ためらい、ジャケットを着て部屋を出る


#ヨンウン、眠れない

(メール音が鳴る。)

" ドアを開けて。"

(ヨンウン、驚いて起き上がる。)





(原作出処: sonkhj1116さんのブログ


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