いなかの猫の天邪鬼部屋

第14話

OnAir~シーズン2・第14話~


#ソクヒョンの病院、院長室

ギョンミン : (立ち上がって) もう行くよ。

ソクヒョン : ああ。それで、いつ紹介してくれるんだ?

ギョンミン : (にっこりと笑って) 忙しい人だから...

ソクヒョン : (ほろ苦そうに) 放送局の人なのか?

ギョンミン : ああ。そういう人だ。

ソクヒョン : そうか...

ギョンミン : チェスさんも相変らず忙しいだろ?

ソクヒョン : ...(視線をはずす)

ギョンミン : ?

ソクヒョン : 俺たち...終るかもしれない。

ギョンミン : !!!


#ヨンウンの仕事部屋

(ヨンウンとヘギョン、ソファ-に座っている。)

ヨンウン : 何ですって?ユンPDが?

ヘギョン : 去年からちょっとぎくしゃくしてたんだけど、それが限界になって...

ヨンウン : それは仕事のせい?働く女だと知らずに結婚したとでも?

ヘギョン : ユンPDが忙しい事もそうだけど...(ため息をつく)...彼に女が出来たのよ。

ヨンウン : 何ですって?浮気?


#ソクヒョンの病院

ギョンミン : (唖然として)女?....浮気?

ソクヒョン : ...そんなふうに言ったら俺がすごい悪者みたいじゃないか。

ギョンミン : (怒りを鎮めながら).... ヒョンスは?

ソクヒョン : さあ...。妻の実家にいるんじゃ..

ギョンミン : (ため息。ソクヒョンを見る。) ...行くよ。(出て行く)


#ヨンウンの仕事部屋

(ヨンウン、机に座って思い出している。)


#(インターカット)-8年前、イギリスの家

(チュニの父親とアネット・ベニー、一つのベッドで一緒にいる姿。ヨンウン、衝撃を受けた顔。何かを言うチュニの父親。' 変な事を考えるな。友達だ。妙なふるまいをするな' 等々。はっきりとは聞こえない。理性を失ったヨンウンがベッドのシーツを裂く姿。涙でぐちゃぐちゃになったヨンウンの頬を打つチュニの父親。)

(ヨンウン、過ぎた事を思い浮かべて辛い涙を浮かべる。)


#ソクヒョンの病院の外

(ギョンミン、車のドアを開ける。その時、電話が鳴る。)

ギョンミン :(差出人を確認し、少し神経質そうに) はい。

ソクヒョン : 口座番号を置いて行けと言っただろう!

ギョンミン : ...いいよ。カネを受けってしまえばイ・ギョンミンとキム・ソクヒョンは友達として終わってしまう気がして。...また会おう。

ソクヒョン : ギョンミン!おい、イ・ギョンミン!

(ギョンミン、電話を切り、重い気持ちで車に乗る。)


#放送局PD室

(ギョンミン、入って来る。)

ギョンミン : (オソクに) スケジュールは出たか?

オソク :(スケジュール表を持って来る) はい。大まかに組んだので、一度見てください。

ギョンミン : (スケジュール表を見る) 俳優の確保は全部出来たのか?

オソク : はい。助演までは全部確保出来ました。後は、シナリオが出たらそれを見て補います。

ギョンミン : ユン作家に電話してくれ。

オソク : はい。(電話を掛ける) もしもし?ユン作家ですか?少々お待ちください。(ギョンミンに受話器渡す)

ギョンミン : もしもし?ユン作家?配役の確認をしたいんですが..

セア : (電話の向こうで) はい。昨日は無事戻られましたか?その挨拶が先ではないでしょうか?

ギョンミン : ああ...申し訳ありません。無事戻られましたか?

セア : (ほろ苦い笑い) はい...やっぱり姿が見えずに挨拶を受けるのはつまらないですね。

ギョンミン : 申し訳ありません。

セア : いいですよ。それで、何をなさると?

ギョンミン : あ、配役の確認です。...6話までの登場人物は分かりましたが、追加人物がもっと出て来そうですか?

セア : 分かりません。今9話まで書いていますが、重要な配役は特に出て来そうにありませんけど...

ギョンミン : では最初のリーディングを来週火曜日に取りましたが、大丈夫ですか?

セア : はい、問題ありません。

ギョンミン : リーディングを見て、シナリオ修正の必要があるか、また検討してみましょう。

セア : (急ぐギョンミンに名残惜しそうに) あの..

ギョンミン : それで、何か言う事はありませんか?

セア : ...(ため息) そんなに急いで話をされたら、何も考えられませんよ。

ギョンミン : ああ、申し訳ありません。気が急いていて。時間がないんですよ。.. 必要な事があればおっしゃってください。

セア : 今はありません。思い出せば申し上げます。

ギョンミン : 分かりました。お疲れ様です。

セア : 監督も、お疲れ様です。

(ギョンミン受話器を下ろし)

ギョンミン : (オソクに) ハンティングの件はどうなった?

オソク : スヒョンのチームが戻って来ないと分かりませんが、電話での話では、五箇所を候補地に決めたそうです。写真を見て最終候補地を決めます。

ギョンミン : いつ戻って来るんだ?

オソク : 今夜到着すると言う事です。明日報告を受けられると思います。

ギョンミン : 分かった。行って仕事をしろ。

オソク : はい。(挨拶して行く)

(ギョンミン、スケジュール表やシナリオを見て慌ただしいが、それでも仕事が手に付かない。)

ギョンミン : (電話を取り出す) ...

(その時、電話が鳴る。差出人ヨンウン。)

ギョンミン : (暖かく) はい。もしもし?

ヨンウン : (憂鬱な声) 私よ。忙しいでしょう?

ギョンミン : 忙しいのに、すごく忙いのに、仕事が手に付かないんだ。

ヨンウン : どうして?何かあったの?

ギョンミン : (にっこりと笑って) ...仕事部屋?

ヨンウン : ええ。...ところで私も仕事が手に付かないの。

ギョンミン : (時計を見て) 今行こうか?

ヨンウン : いいえ。私、ちょっと歩きたいから..

ギョンミン : そうか。それじゃ...


#漢江水辺、午後

(ヨンウンとギョンミン、並んで歩いている。)

ヨンウン : まだ午後の日は熱いわね。

ギョンミン : ...(ヨンウンの手を握る) 今日は何をしたの?

ヨンウン : 昼にヘギョンオンニが来たの。

ギョンミン : 仕事で?

ヨンウン : うん...(ため息)

ギョンミン :(ヨンウンを見る) どうしたんだ?何か上手く行かない事でも?

ヨンウン : いえ、仕事じゃなくて...(心落ち着かず) まだ許せないの...

ギョンミン : ...え?.... (そうして見当がつく) 俺がいても?俺と出会った事も慰めにはならないのか?

ヨンウン : (ギョンミン見て申し訳なさそうな笑い) そうじゃなくて...傷を受けた私のプライドのせいよ。あの人に心残りはないけど、あの人の私への扱いがとても不当に感じられて...

ギョンミン : ...(見当がつく) もしかして...イ代表はユンPDの話をしたのか?

ヨンウン : (ギョンミン見る)知ってたの?

ギョンミン : 今日聞いたんだ。今日訪ねて行って..

ヨンウン : 誰なの?その...友達って..

ギョンミン : 俺、言ったっけ?彼の事。

ヨンウン : いいえ。ユンPDから聞いたの。学校の時の友達だって..

ギョンミン : 高校の友達だよ。俺の事情を誰よりもよく知ってる友達で、大変だった時、何度か助けてもらった事があるんだ。

ヨンウン : (思い浮かぶ事がある) !...

ギョンミン : 実は..今日も彼に頼む事があって行ったんだけど...そのまま帰って来たんだ。

ヨンウン : (黙ってギョンミンを見る)...

ギョンミン : (ヨンウンを見ながら笑う) 知らん振りをして頼む事も出来たんだけど...俺には出来なくて...

ヨンウン : 何の頼みだったの?

ギョンミン : (じっとヨンウンを見て、淡々と) 君を早く連れて行こうと...

ヨンウン : ...(控え目に) お金の事?

ギョンミン : (寂しく笑う) こんな話までしておいて、自分のプライドは自分で守らせてくれ、と言ったら笑われるかな?

ヨンウン : (名残惜しい気持ちでギョンミンを睨む) 待たなくちゃダメ?

ギョンミン : うん...ごめん...。俺の心がこんな事を受け入れられるようになるまで、待ってくれ。

ヨンウン : 分かったわ。(にっこりと笑う) 待たないでどうするの?私の運命の男を...

(そんなヨンウンがありがたくて可愛い。ギョンミン、ヨンウンの鼻先に触れて口付け、暖かい目でキス。)






(原作出処: sonkhj1116さんのブログ





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