いなかの猫の天邪鬼部屋

第5話

OnAir~シーズン3・第5話~


#夜、病院の庭

(ベンチの上に座ったギョンミンとヨンウン)

ギョンミン : (息苦しそうに息を吐き出してヨンウンの顔を眺める) 愛してる....

ヨンウン : (胸がいっぱいになる。微笑滲む) 愛してる...

(またキスする二人.... 通り過ぎる人がちらりと見る....)


#病室

(ギョンミン、ヨンウンを手伝ってベッドに横たえてやる。上気した二人、顔を見合わせている。)

ヨンウン : (ギョンミンの目を見る) 話して...

ギョンミン : (見る) 何の話..?

ヨンウン : 私に言ってない事があるんじゃないの?

ギョンミン : (目を逸らす) ...?

ヨンウン : (ギョンミンの顔を回す) 目を逸らすのはやめて。早く言って。(ギョンミンの目を執拗に見る)

ギョンミン : (ヨンウンを見て、諦めたようにため息をつく).... 君がとても綺麗で...

ヨンウン : どういう事?

ギョンミン : (にっこりと) 君の体を傷付けるんじゃないかと思って...しない事に...無理だろうから..

ヨンウン : (どういう意味なのか考える)....(見る)...それはつまり、あえて我慢していた、という事?

ギョンミン : (ぎこちなく笑う) うん...

ヨンウン : (呆れて笑う) それじゃ..いつまでそうしようと思ってたの?

ギョンミン : とにかく...出産までは...

ヨンウン : (目を細める) それまではまだ3、4ヶ月あるけど...大丈夫?

ギョンミン : (笑いながらため息をつく)だから最近は運動をしてるんじゃないか。

ヨンウン : (怪しげな) 運動?何の運動?どうして?

ギョンミン : (見ながら笑う) 精力を抜こうと思って....

ヨンウン : .....(見て、頭を下げてくすくす笑う).... それで、来るとすぐに倒れたのね...

ギョンミン : (無情な。ため息をつく) 笑うな。俺は深刻なんだ。

ヨンウン : (ギョンミンを見て可愛く思う。笑いを堪える) 本当に...どうしようかしら? あなたを....


#木曜日、病院

ギョンミン : 下で手続きして来るよ。

ヨンウン : (ベッドに腰掛けている) うん。

(ギョンミン、出る、看護婦、薬を持って入って来る。)

看護婦 : (薬を揃えて) 一日二回ずつ飲んで下さい。もし異常があったら、またすぐにいらして下さい。

ヨンウン : はい。

看護婦 : (見る) お大事に。(出ようとする)

ヨンウン : (頭を上げる) あの...

看護婦 : (振り返る) はい?

ヨンウン : (ためらう。くすぐったい微笑み) お聞きしたい..事が..あるんですが...

看護婦 : (近付く) 何ですか?おっしゃって下さい。

ヨンウン : あの....(視線を逸らす)...

(しばらくしてギョンミンが戻って来る。看護婦、出る。看護婦、ギョンミンをそっと見て笑いを堪えるが、こっそりクッと笑う音が聞こえる。ギョンミン、振り返って首をかしげる。)

ギョンミン : (独り言で) どうしたんだろう?...(ヨンウンを見て) 全部終わったよ。行こう。

ヨンウン : (明るく) うん!

ギョンミン : (見て笑う) 嬉しそうだな。子供みたいだ...

ヨンウン : (笑う目、微笑滲む) うん、嬉しい。


#アパート

(ギョンミンとヨンウン、玄関に入って来る。)

ギョンミン : ママ~、ただいま。

オキシム : (鞄を受ける) お前...子供の父親が'ママ~'とは...

ギョンミン : (舌を出す) あ...

ヨンウン : (見て笑う) ただいま、お母さん。

オキシム : 御苦労様。大変だった?

ヨンウン : いいえ。よく休んでよく食べて、遊んでばかりいました。

オキシム : 病院の食事がそう美味しいとも思えないし、遊んでばかりいたとは思えないわ。

ヨンウン : (ありがたい) ありがとうございます。

オキシム : お湯を入れおくからお風呂に入っておいで。

ヨンウン : はい。

ギョンミン : それじゃ、俺は後でまた来るから。

ヨンウン : (見る) 早く来てね。

ギョンミン : (見る) うん?ああ...

ヨンウン : (目に力を入れる) 運動しないで来てね。

ギョンミン : (見る。ため息をつく).....分かったよ...


#夜、アパート

(居間でぐずぐずするギョンミン。オキシム、台所を片付けて出る。)

オキシム : 寝ないのかい?

ギョンミン : (見る) 寝るよ。ママ..お母さんもおやすみなさい。

オキシム : (にっこりと) ええ。(部屋に入って行く)

ギョンミン : (見て、ため息).....(テレビを点ける)

(ヨンウン、部屋のドアを開けてギョンミンを見る。ギョンミン、振り返る。見て慌てる。)

ギョンミン : (ぎこちない微笑み) 寝ないのか?

ヨンウン : (睨む) 入って来ないの?

ギョンミン : (困った目つき。小さい声で) でも...

ヨンウン : (小さい声で) 早・く・来・て。

ギョンミン : (天井を見ながらため息をつく)...........


#部屋

(ヨンウン、ベッドに座っている。ギョンミン、ドアにもたれて立つ。ヨンウンを見られない。)

ヨンウン : (いたずら気を交えた目、笑いを堪える) 私、肩が痛い。来てちょっと触ってちょうだい。

ギョンミン : (息を飲む。ため息をつく) ...そんなに痛い?俺が触らないとダメか?

ヨンウン : うん。自分で触っても手が痛いだけなの。あなたが触って。

ギョンミン : (やむを得ず近付く) .... (ヨンウンの肩を触る) ....(ため息をつく).....治った?(すぐベッドから離れる)

ヨンウン : (見る) .....上がって来て。

ギョンミン : (小さい声で) どうしたんだよ?ホントに。

ヨンウン : 上がって来てと言ったら上がって来て。

ギョンミン : (すっくと立ち上がる。声を殺したまま、言葉がきつくなって行く) 俺に死ねと言っているのか?男は女とは違うんだ。体が理性を支配出来ると思うか?

ヨンウン : (平気な目) そう?私は男じゃないからよく分からないわ。大人なら自分の感情を押さえなくちゃダメなんじゃないの?

ギョンミン : それは...(辛い)ああ!気が狂いそうだよ、ホント... (真顔で) 俺で遊ぶな。俺はそんな気分じゃないんだ。大変なんだ。

ヨンウン : どれくらい大変なの?

ギョンミン : (恨めしそうに見て、歯を食いしばる) 今すぐ君をベッドに押し倒したいくらい!

ヨンウン : (くすくす笑う) それならそうすれば?

ギョンミン : (目を閉じてため息をつく) .... (目を開ける) 俺のせいじゃないぞ。

ヨンウン : (挑発的な目)好きにして。

(ギョンミン、天井を見てため息を吐き出し、決心したようにヨンウンに近付く。ヨンウン、笑いを堪える。ギョンミン、唇を噛み、手でヨンウンの顔をくるむ。憂わしい目。ゆっくり近付く唇。そっと触れる唇。離してためらうギョンミン。ヨンウン、ギョンミンの顔を引いてキス。ギョンミンの呼吸が速くなる。)

ギョンミン : (ヨンウンの目を見て) 体を痛めたら...どうする...?

ヨンウン : (見て微笑む) 痛まないから.. 大丈夫。

(ギョンミン、搖れる目。唾を飲む。息を吸い込む。激しいキス。ヨンウン、目を閉じてギョンミンの背中をギュッと抱く...)

(しばらく後、ベッドに向かい合って横になった二人。ギョンミン、ヨンウンに手枕をしてゆったりしているように見えるが憂わしい目。)

ギョンミン : 大丈夫か?

ヨンウン : (はにかむように笑う) うん、大丈夫...いいえ、とても幸せ...

ギョンミン : (笑ってヨンウンの頭を上げて)...とても綺麗だ...

ヨンウン : (ときめく目。ギョンミンの顎にキス) あなたも...

ギョンミン : (にっこりと笑う) 俺は綺麗じゃなくカッコいいんだ。

ヨンウン : カッコ良くて綺麗だわ。そして愛らしくて...

ギョンミン : 何なのだよ。それは男が自分の女に言う事だろ?

ヨンウン : そして...可愛くて....(目を閉じる)

ギョンミン : まだあるのか...?

ヨンウン : セクシーで...(大笑いする)

ギョンミン : (驚く) シッ!外に全部聞こえるよ。

ヨンウン : (驚いて口をつぐむ) ....クックックックックックッ

ギョンミン : (ヨンウンを見て大笑い)..クックックックッ...(笑って深刻になる) 本当に大丈夫か?異常が出たらどうする?

ヨンウン : (笑いを堪えてギョンミンを見る) 大丈夫だって言ってたわ。

ギョンミン : 誰が?

ヨンウン : 看護婦が。...聞いてみたの。

ギョンミン : 何?看護婦...? (息を飲む) それじゃ..さっきのあれは....

ヨンウン : 何?

ギョンミン : (唖然とする) あ~、ホントに....

ヨンウン : 何?何だって言うの?

ギョンミン : (唖然とした目でヨンウンを見る) 次は別の病院に行こう。俺はもうあの病院に行けないよ。

ヨンウン : どうして?

ギョンミン : 昼間、あそこの看護婦が俺を見て笑ったんだよ。...ただ笑うんじゃなくて、クッ!そう言って嘲笑ったんだよ。

ヨンウン : (すまなそうに舌を出す) 本当...? ハハ.......

ギョンミン : 生きてられないよ、本当...

ヨンウン : でも、おかげで生き返ったじゃないの。

ギョンミン : (睨む) ウ~~~~~~~~ それをどうして看護婦に聞くんだ?全く知らない人に聞いていれば...

ヨンウン : 知らない人にどうやって聞くの?こんな隠密な話を...

ギョンミン : 隠密な話だと思ってないだろ?

ヨンウン : (脹れて唇を突き出し) もう....相変らず私より自分の体面が重要なのね....

ギョンミン : (情けない) どうしてそういう話になるんだ?

ヨンウン : (寝返る) それじゃ、何の話も聞かなかった事にして、これからは別々に寝ましょう。降りて。

ギョンミン : 何だと?

ヨンウン : 降りて。出産までずーっと堪えてちょうだい。

ギョンミン : (唇を突き出す) ....

ヨンウン : 降りてって言ってるでしょ。

ギョンミン : .... (ヨンウンの肩を睨む)...

ヨンウン : (振り向く) 何してるの?降りてって... ウプッ!(ギョンミン、ヨンウンの唇を襲う)

(ヨンウン、じたばたしてわあと笑う。ギョンミン、ヨンウンの口を塞ぐ。笑う目。シッ!....また重なる唇...)






(原作出処: sonkhj1116さんのブログ



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