いなかの猫の天邪鬼部屋

第18話

第18話 真の悪

ベールを脱いだチェ会長の実体。真の悪は誰か。


獲物をほぼ窮地に追い込んだという言葉が適切なほど粘り強いシンの阻止に、 ドウのネオモナコ建設は深刻な資金難 に陥る。これ以上耐えらないような心情に、ドウはウンスに自分の傍にいて欲しいと頼む。そして、そんなドウの頼みを拒絶出来なかったウンスは、兄の傍にいるために家を出る事を決心する。
ドウの傍へ発つウンスにチェ会長は、ドウに問題が見えたら連絡しろと言い残し、ウンスはそれでも父としてドウを心配するようなチェ会長の姿に慰労される。
だが、それはまた、 ドウの弱点を狙うチェ会長の策略 だったという事を悟り、失望感を抱いたままアルゴスハウスに居場所を移す。

チェ会長は徐々にドウを破滅に追い込むため、ギョンアにM.O.Kという団体に接触させる。 Master of KOREAの略字であるM.O.Kは韓国のプリメイスンに近い団体 だ。
チェ会長はドウを撤去して壊し、チェドンを取り戻すために助けを求めるが、中身を知る事が出来ない蛇のようなM.O.Kは、利益がないから助ける事は出来ないと答える。そんな彼らにチェ会長は、秘密帳簿があるという事実をすっと仄めかし、彼らの協調を脅すように頼む。
ギョンアはそんな団体とチェ会長に、恐れと恐怖を感じる。
M.O.Kから資金調達を受けたギョンアは、ドウの事務室を訪ねて行き、そこでギョンアはドウに、揺れる自分を離さず捕まえていて欲しいと頼むが、ドウはそんな彼女を冷たくあしらうだけだった。
一方、ケイがシンを狙っている事を知ったキョンジュ刑事は、シンの傍に24時間付いて、悔しく濡れ衣を着せられたムンホを救うため、忙しく嘘の陳述をした'タルゴン'キム・ダルスを探し回る。様々な努力の末、ダルスの家で彼を捕まえたキョンジュとシンは、無事ムンホの詐欺の件とギョンテの状況をなだめさせる。
ちょうどその時、M.O.Kの資金を調達したギョンアは、農業法人の土地が売られたという事実を知る。ギョンアはもう一度、その土地を買った団体と自分が後ろにいると言ってドウに手を差し出すが、ドウは最後までギョンアの助けを拒絶した。
混乱した状況でドウはウンスに更に焦点を合わせるようになり、ウンスに、自分がウンスと一緒に夢を見る事が出来るようネオモナコの建設現場を見せる。

"私の息子を殺して会社を取り戻してくれ。
そうしたら娘をやろう。"


自分の息子を葬り会社を取り戻してくれたら自分の娘と結婚させると陶酔感に酔って話す チェ会長の本性を見たシンは、腹立たしさで憤怒 を隠せない。そして、チェ会長の提案に一瞬でも揺らいだ自分にも侮蔑感を感じ、シンはミョンソンと子供たちを連れてチェ会長の家を出る。
一人残されたチェ会長は、くさびを差すつもりでドウに電話を掛ける。ウンスがもう1ケ月後にはシンと結婚すると言い、会心の笑みを浮かべる。
そして、その電話の向こうでドウは、ウンスが本当にシンを好きなのだと確信する。もう結婚すると言うのだ。
こうしてドウは、シンをケイがいる倉庫に呼び出す。
この回で最も注目すべき点は、 隠された最重のボス登場 だと言える。
今まで'ナムジャイヤギ'の中で 悪の存在として代弁されるのはチェ・ドウただ一人 だった。それによって、チェ会長の悪辣さは軽くなっていたが、この回でそのベールが脱がされた。
アルゴスハウスに行く娘に対して父である彼が考えたのは、不安定な息子の精神状態でなく、今まで窮地に追い込んで来た獲物の息の根を止められるタイミングを捕えるための猛獣の感じと変わらなかったからだ。
ともすれば、チェ・ドウが人を'道具'と考え他人の感情を考えられないのは、チェ会長の思想をそのまま受け継いだのではないだろうか。
自分の娘と政略結婚をさせて会社の立場を固め、賄賂を通してロビーをするのは、今までの彼の姿を断面として見せてくれる事だった。彼も息子と同じだったという事だ。
ただ、露わになったのが、チェ会長は内心を上手く隠して来た、もう少し社会的な悪質さなのに比べ、チェ・ドウは自身の中に閉じ込められた悪質さという事だ。
誰がより恐ろしいか?
これは、私たちの社会の中で、表面では何でもないように行動するが、より恐ろしい内情を持っている人間が多いという事を表現しているようで、苦々しい。


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