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2004年10月23日

今回からは「個人投資家のすすめ」の内容のうち重要だと思った箇所を何回かに分けてピックアップしていきたいと思います。今回は「まえがき」からです。これがこの本の中では一番重要で、これが理解できればこの本を読んだ意味はあったのだと思います。（後は、ほとんどが形を変えた言い回しの違いに過ぎないですから。）

＊「まえがき　株価との決別しよう」の要約

最初の批判の矛先は「日本国政府」です。日本国を代表する人達の株式市場に対する姿勢が株式投資に対する誤解を生んでいる一つの要因であると言っています。「株価操作（ＰＫＯ）」など言語道断だとも指摘しています。

同様に日本国民に対する警告もしています。日本国政府と同様、株式市場について語れる人が少なく、株価だけで議論している人が多いという危惧です。

「日本は資本主義であり、資本主義は株式会社の活動で支えられており、株式会社は株式投資があるから成立しており、株式投資は株式市場が正常に機能していて実行される」

ということを、日本国政府も多くの日本国民も理解していないので、「株式市場の中身」ではなく「株価」だけが議論され、それゆえに株式市場を半丁バクチのようにしか考えられないという危うさがあると指摘しています。それゆえに、日本経済の低迷もここまで続いた一つの原因であると指摘しています。

著者たちは、今こそ株式投資を本来の姿に戻すべきであり、資本主義とともに生きていく上で身につけるべき株式投資の基本を問い直すことは日本人にとって極めて意義深いことであると主張しています。

「株価ではなく、株式市場をみる」
「株価ではなく、株式会社をみる」

「個人投資家となって株式投資に参加しましょう。われわれ一人ひとりの株式投資が元気な日本企業をサポートし、日本経済を活性化していくのです。日本経済の明日を切り開くのは、われわれ個人投資家なのです。」

我々のようなバリュー投資家にとっては、極めて当たり前のことだと考えているのですが、そうでないほかの多くの人がこれを読むと多分衝撃が大きいかもしれません。

次回は、「第一章：おカネの神様が教える『あなたのおカネを働かせる方法』」から重要箇所を抜粋します。

今日の言葉：
「うまく働きに出しさえすればお金は良い友達になる。決してお金の奴隷となってはいけない。」

Ｐ．Ｓ．

株式投資で儲けるというのはもちろん大事ですが、ウオーレン・バフェットなどの偉大な投資家はそれに加えて資本主義の本質に迫った話ができるということが人物としてのスケールの大きさに繋がっているのだと思います。私も、もっと「資本主義」の本質に迫った話が出来る人になりたいです。

そういえば、数理ファイナンス学者は「ボラティリティ」とか「ベータ」とか株価の議論ばかりですし、チャーティストも「移動平均」とか「波動」とか株価の議論ばかりです。株価のレベルを超えた話が出来ないあたり、学者やチャーティストのスケールの小ささを感じるのは私だけでしょうか？まあ、そもそも儲かってないのだから、そうしたスケールの大きい話ができるレベルではないのかもしれません。

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最終更新日 2004年10月23日 16時23分47秒
コメント(6) | コメントを書く

■コメント

Re:読書室＜第１回＞：「個人投資家のすすめ」（その２）(10/23)

りっちままさん

こちらの受け入れ態勢（経験や能力やもろもろ）が整ってないとどんないい本も頭を素通りしてしまいます。
前に読んだ本のほうが内容がよくてもそうでもない物に
感心したりします。
お金の奴隷になってはいけないってほんとにそうですよね。良いことを教えていただきました。
(2004年10月23日 17時28分44秒)

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コメントありがとうございます。

inatora2 さん

＞こちらの受け入れ態勢（経験や能力やもろもろ）が整ってないとどんないい本も頭を素通りしてしまいます。

この本は、バリュー投資家が推奨しているもろもろの本と比較しても内容は平易ですし、しかも、会話形式（木村氏と三原氏）ですので、読破すること自体は難しくないはずです。人によっては物足りなさを感じるかもしれませんが、株式投資の最初の第一歩を踏み出すにはためになる本かと思います。

＞前に読んだ本のほうが内容がよくてもそうでもない物に感心したりします。

そういうことは私も未だによくあります。少しずつ良い本を紹介していきたいとも思っていますのでよろしくお願いします。

＞お金の奴隷になってはいけないってほんとにそうですよね。良いことを教えていただきました。

この言葉は「金持ち父さん貧乏父さん」の受けウリですが、私もこれに影響を受けて資産運用をまじめに考えるきっかけが出来たものです。 (2004年10月23日 18時58分24秒)

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コントロール

ららさんさん

金持ち父さん貧乏父さんを読んで
いきなりネットワークビジネスをはじめる友人。
（違うんじゃなか？。）
僕が、得た感想は
自分の人生も自分のお金（負債も含む）も
自分でコントロールできるなら大丈夫。
コントロール出来ない投資や人生は
だめだという事。
(2004年10月24日 17時34分16秒)

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Re:コントロール

inatora2 さん

ららさんさん
＞金持ち父さん貧乏父さんを読んでいきなりネットワークビジネスをはじめる友人。（違うんじゃなか？。）僕が、得た感想は自分の人生も自分のお金（負債も含む）も自分でコントロールできるなら大丈夫。コントロール出来ない投資や人生はだめだという事。

ごもっともです。日本人は著者の真意を理解せず、表面的なことだけを真似しようとする悪い癖があります。ロバート・キヨサキはこういうことを言いたかったのではないのだと思います。

理解度の低い人に変な誤解を生ませる本である可能性が高いことは否定できません。でも、そうでない少数派にとっては新たなチャンスを見つけ出そうと考えるきっかけを与えた本であるとは言えると思います。
(2004年10月24日 19時33分02秒)

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ロバート・キヨサキ

雅（みやび）さん

稲虎さん、ごぶさたです。
（先だっては失礼いたしました）

私の元「友人」はロバート・キヨサキの本を読んで、
ネットワークビジネス屋になりました。
そいつは元証券マンなんですがね。
ネットワークビジネスという仕事が、キヨサキの
意図とはどう違うかということを説きました。
そしたら、その元「友人」が加入したネットワーク
ビジネス内で流通している、（キヨサキから
独自に版権を買った）奇妙な「ＣＤ」を貸して
くれました。
本当にキヨサキ本人の言葉なのか、出所の正しい版権か
わからなかったんですが、楽しかったですよ～。
(2004年10月26日 01時11分51秒)

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Re:ロバート・キヨサキ

inatora2 さん

雅（みやび）さん
コメントありがとうございます。

＞私の元「友人」はロバート・キヨサキの本を読んで、ネットワークビジネス屋になりました。そいつは元証券マンなんですがね。ネットワークビジネスという仕事が、キヨサキの意図とはどう違うかということを説きました。

そういう人が身近にいるのは、私には耐えられません。ソッコーで「友人としての縁切った」となりそうです。でも、いるんですね。やっぱり。そういう人って。

＞そしたら、その元「友人」が加入したネットワークビジネス内で流通している、（キヨサキから独自に版権を買った）奇妙な「ＣＤ」を貸してくれました。本当にキヨサキ本人の言葉なのか、出所の正しい版権かわからなかったんですが、楽しかったですよ～。

これ、興味がありますのでぜひ。（間違っても、「ネットワークビジネス始めたい」という意味じゃありませんよ。）
(2004年10月26日 04時57分18秒)

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