古の神様のヒマの庵~節税と簿記ー財務会計(会計学理論)ーなど、ふしぎなことその他色々

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負債2


第9章 負債 解答
1.負債の意義・分類及評価
2.流動負債
3.固定負債
4.引当金
5.商法第287条ノ2の引当金
6.偶発債務


09-01 負債の意義・分類および評価
問題09-01-01
解答09-01-01
(A) 法律上の確定債務をいう。
(B) 法律的には必ずしも債務として確定していないが、債務と同じように、将来、資産が減少または役務を提供することを必要とするものをいう。
問題09-01-02
解答09-01-02
 Ⅰ 流動負債
 Ⅱ 固定負債
問題09-01-03
解答09-01-03
A.確定債務は、契約によってその額が確定しており、貨幣価値が変動してもその額は、変わらないのでとくに評価という問題はない。

B.経過負債については、時間基準によって未払費用および前受収益の額を算定する。

C.負債性引当金の額は、確実に予定される将来の支出額のうち、当期の収益に負担せしめるべき額を確定することによって自動的に定まる。

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09-02 流動負債
問題09-02-01
解答09-02-01
(A) 支払手形とは、仕入先との通常の取引によって生じた手形上の債務を処理する。
 営業外支払手形とは、主たる営業以外の取引によって生じた手形上の債務を処理する。
 手形借入金とは、金融上の目的による手形債務で借入のための手形を処理する。
 支払融通手形とは、金融上の目的による手形債務で、融通手形を処理する。
 営業保証支払手形とは、営業保証のために差入れた手形を処理する。

(B) 買掛金とは、仕入先との通常の取引によって生じた手形債務以外の債務をいう。
 未払金とは、企業の主たる営業活動以外の取引によって生じた手形債務以外の債務をいう。

(C) 未払費用とは、一定の契約によって継続的に役務の提供を受ける場合、まだ債務としては確定していないが、既に提供を受け役務に対して、損益計算上、発生主義によって負債として認識されたものをいう。
 このうちの利息分についてである。
 前受収益とは、一定の契約によって継続的に役務を提供する場合、まだ提供していない役務に対する前受分をいう。
 このうちの利息分についてである。

(D) 預り金とは、営業上の保証金の預り高、従業員の身元保証金の預り高、役員または従業員の報酬給料に対する源泉所得税の預り高、従業員等の社内預金の預り高等を処理する勘定をいう。
 短期借入金とは、企業の主たる営業活動以外の取引によって生じた債務で、借入期限の短期の借入を処理するものをいう。

(E) 前受金とは、財貨を購入するための前払額である前払金に対応する科目で、将来引渡すべき財貨等の対価の前受額をいう。
 仮受金とは、受取った金額のうち科目または金額の明確でないもので、科目などが明確になるまで一時的に処理されるものをいう。

(F) 保管有価証券とは、保証金に替えて有価証券を受入れた場合に、手持ちの有価証券と区別するために処理される資産科目である。
 差入有価証券とは、保証金に替えて有価証券を差入れた場合に、処理する資産科目である。
 預り有価証券とは、保証金に替えて有価証券を受入れた場合に処理する負債科目である。
 借入有価証券とは、担保に差入れるなどの目的のために有価証券を借入れた場合に処理する負債科目である。
問題09-02-02
解答09-02-02
 (A) と(B) については、質的に重要な科目としてその内容を明らかにする科目で他のものと区別して表示しなければならない。
 (C) については、その内容を明示する科目で表示しなければならない。

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09-03 固定負債
問題09-03-01
解答09-03-01
 (A) とは、償還期日に一度に全額を償還すること、または定時に一部を抽籤などによって計画的に分割して償還することをいう。
 (B) とは、満期日前に随時一部ずつ償還していくことをいい、その方法には、抽籤償還と買入償還とがある。
 (C) とは、満期日に額面金額で一時に償還することをいう。
 (D) とは、(一定の満期日(償還期日)と定めた計画的日に)定時に一部を抽籤などによって計画的に分割して償還するこという。
 (E) とは、株式に転換できる社債を株式に転換することをいう。
 (F) とは、随時に一部ずつ抽籤により償還していくことをいう。
 (G) とは、随時に一部を市場から買入れて償還していくことをいう。
 (H) とは、社債を償還するための資金をあらかじめ保有しておく方法で、減債基金という特定資産で保有する方法にもちいる科目である。
 (I) とは、社債を償還するための資金をあらかじめ保有しておく方法で、純利益の一部を留保して減債積立金を設定し、不特定資産として保有する方法にもちいる科目である。
問題09-03-02
解答09-03-02
(1)
 (A) の場合には、その社債に対応する社債発行差金および社債発行費の未償却残高があれば、それを償却しなければならない。その償却額のうち、当期の資金コストとなる額は通常の償却によって営業外費用に、臨時損失となる額は、社債償還損として特別損失に計上する。ただし、分割償還として計画的に抽籤償還とされる社債の社債発行差金および社債発行費はすべて資金コストとして扱わなければならない。

 (B) の場合には、未償却残高があれば償却しなければならない。

(2)
 (A) の場合には、額面金額で償還するのが普通であるので、これらの(社債発行差金および社債発行費)臨時損失となる部分が、社債償還損益となる。

 (B) の場合には、買入価額と額面金額との差額および社債発行差金および社債発行費の臨時償却額合計を加減したものが、社債償還損益となる。

(3)
 (A) の場合には、特別損失として処理する(または特別利益)。

 (B) の場合には、財務に関する費用または収益であるから、営業外費用または営業外収益に含められる。

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09-04 引当金
問題09-04-01
解答09-04-01
 会計額上、引当金とよばれるものの性質は、その繰入額が費用性を有するということである。そして、それは評価性引当金と負債性引当金とに分類される。

評価性引当金
 これは、ある資産に対する控除的評価勘定、すなわちある資産の貸借対照表価額を算定するに当って、主たる資産科目の額から控除される引当金をいう。

 評価性引当金が設定される目的は、本来、資産の減少として処理すべき額を、直接資産の勘定の貸方に記入しないで、特別の勘定を設けてその貸方に記入するというもっぱら記帳技術的な理由である。

負債性引当金
 これは、適正な期間損益を計算するために計上される見積負債としての引当金をいう。

 負債性引当金が設定されるのは、いまだそれに対する支出は行われないが、将来支出されることが確実であり、また、その支出の原因となる事実が当該会計年度に既に存在しており、しかも、その金額を比較的確実に見積ることができるものは、そのうち当期の収益に対応する額を、損益計算上、当期の費用として計上するとともに、相手方科目すなわち貸方科目として引当金を設定しなければならない。
問題09-04-02
解答09-04-02
 未払金は既に支払期限が到来した確定債務であり、未払費用は、確定債務ではないが役務はすでに費消されており、かつ、支払うべき相手方も確定しているものであるから、これらは負債性引当金とは明確に区別しなければならない。同じ点、対価の支払が次期以降であること、異なる点、役務の受取も完了も債務確定も次期以降である引当金と、未払費用は当期に役務の受取が始まり、次期以降に完了し確定するものであり、未払金は、役務の受取完了・債務確定しているが、対価支払がなされていないもの。
問題09-04-03
解答09-04-03
(A) 修繕引当金とは、企業の所有する設備で機械装置などについて毎年行われる通常の修繕が何らかの理由で行われなかった場合、その修繕に備えて設けられる引当金をいう。
 通常の修繕が行なわれた場合に相当する額を見積り計上する。

(B) 特別修繕引当金とは、例えば数年ごとに定期的に行われる船舶・溶鉱炉などの特別の大修繕に備えて設けられる引当金をいう。
 何年後かに定期的に行われる大修繕の費用額を見積り、それを当期負担分として配分する方法で見積り計上する。

(C) 製品保証引当金とは、例えば製品などを販売するに当って、販売後一定期間内であれば無料で修理を行うという保証をした場合などに設けられる引当金をいう。  過去の経験率などに基づいて適正に見積り計上する。

(D) 退職給与引当金とは、従業員が将来退職した場合に支給すべき退職給与金の支払に備えて設けられる引当金をいう。
 労働協約などに基づいて算定される。
(E) 賞与引当金とは、通常、6月末および12月末に賞与支給規定などによって支払われる従業員賞与の見積り額について設けられる引当金をいう。
 賞与支給規定などに基づいて、算定される。

(F) 売上割戻引当金とは、当期の売上に関連して、将来行われるであろう割戻額を見積って設けられる引当金をいう。
 当期の売上高によって、見積り計上する。

(G) 景品費引当金とは、販売した商品・製品について、例えばラベル・空箱などを一定数量まとめて提出すれば景品を与えるというような契約に基づき、当期の売上に関連して設けられる引当金をいう。
 売上金額や販売量などの経験率に基づいて算定する。

(H) 返品調整引当金とは、販売した商品・製品について無条件で販売価額によって引取る特約を取引先と結んでいる場合、将来返品が予想される商品・製品の売上利益に相当する額を見積って、当期の売上総利益から引当控除する目的で設けられる引当金をいう。
 売上高または売掛債権残高に返品予想率および売上総利益率を乗じて、繰入額を見積り計上する。

(I) 工事補償引当金とは、製品保証引当金の一種であって、その処理は、製品保証引当金に準ずる。
 ようするに、工事に対してその補償をなすという場合に、計上される引当金をいう。その工事高に対して、見積り計上する。

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09-05 商法第287条ノ2の引当金
問題09-05-01
解答09-05-01
(A) それを当期に帰属すべき収益に対応する費用だと考える。

(B) 狭義の解釈による引当金はもとより、繰入額がたとえ費用性を有しなくても、将来予定されている事象に対する支出や、将来における価格の下落などによる損失が、ある程度特定または予測しうるものであれば、商法上の引当金に含まれると考える。
問題09-05-02
解答09-05-02
 狭義の解釈をとるとする解釈が妥当である。
問題09-05-03
解答09-05-03
 計算書類規則による場合には、流動負債又は固定負債の部に記載することを原則とし、引当金の部に表示することもできる。
企業会計原則による場合には、流動負債又は固定負債の部に記載する。
問題09-05-04
解答09-05-04
 商法は原則として、流動負債又は固定負債の部に計上するとしているが、その例外として引当金の部に表示ことも認めている。
 企業会計原則の場合は、流動負債又は固定負債の部表示する。

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09-06 偶発債務
問題09-06-01
解答09-06-01
 偶発債務とは、まだ現実の債務ではいが、将来一定の条件を満たすような事態が生じた場合には、債務となるおそれのあるものをいう。
 会計上問題とされるのは、企業の将来の財政状態および経営成績に重大な影響をおよぼすおそれがあるので、適切な会計処理をしておかなければならない。
問題09-06-02
解答09-06-02
1.偶発債務が確定債務となれば、それとともに求償権 などが発生するもの
 A.保証債務
 他人の債務を保証した場合には、主たる債務者が債務を履行しないとき、主たる債務者に代ってその債務を履行する義務を負うとともに、主たる債務者に求償権を有することとなる。

 B.先物売買契約
 商品を先物で買入れた場合は、決算期日には、その時の市場価格が買付契約時よりも高騰したり下落していても、買付時の契約価格で商品を引取る権利と代金を支払う義務を負う。

 C.手形裏書
 手形債権を裏書あるいは、割引いた場合には、満期日に主たる債務者が債務を履行しないとき、手形上の後者から遡及を受ける債務を負うとともに、自己の前者あるいは主たる債務者に遡及する権利を有することとなる。対照勘定・評価勘定・補助簿記入を用いて備忘的に記帳を行うことがある。

2.偶発債務が確定債務となっても求償権などは発生せず損じ津となるもの。商品または作業の保証、係争事件に関する損害賠償の義務などがある。利益を留保して積立金を設定し、将来の損失に備える方策をとることが望ましい。
問題09-06-03
解答09-06-03
(A) 保証債務勘定および保証債務見返勘定という対照勘定を用いて備忘的に記帳を行うことがある。
 債務保証した場合に、上記対照勘定に記入し返済期日に返済された場合には反対仕訳をし、相殺する。返済されず、自己に請求され、その代金を支払った場合には対照勘定を相殺し、その代金を未収金等の債権として計上し、主たる債務者に遡及する。

(B) 買受契約および買受契約未収金、売渡契約未収金および売渡契約という対照勘定に、契約時に記帳し、引渡し期日、あるいは売渡期日に反対仕訳をし、相殺する。また契約が不履行となった場合には、手付金・前渡金等が支払われている時には、買入側が破棄したら、その手付金等は売り主に没収され、売主側が破棄の場合には、手付金等の倍額返済の商慣習となっている。

(C) 補助簿記入によるもの、手形裏書義務見返勘定および手形裏書義務勘定という対照勘定に記入するもの、裏書手形たる評価勘定に記入するものがあり、決済されたら、相殺等により記録を消し、決済されない時には、不渡の場合には、代金の遡及手続きを記す。

(D)および(E) 利益を留保して積立金を設定し、将来の損失に備えることがよい。

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