(曲を聴きながら読んで下さいね、、、、。
「神様のハンカチーフ」
この詩を捧げたい
満たされている人にではなく
孤独に打ちひしがれて
震えているあなたに
<負けないでください>
新宿の地下街の
階段のところで
たまに詩集を売っている
ひとりの
高校生の女の子に
一部200円で売っている詩集
その売れなかった詩集を
最後に全部ひきうけた
勤め帰りの0Lさんに
<ありがとう>
彼女を見守っている人がいる。
あるいは
いまパソコンのスィッチを入れて
涙で顔をくしゃくしゃにしている
あなたに
どういうわけで泣いているのかは
聞けないけれど
みたされていない魂には
蛍のような輝きがある
さぁ
おいで
出来る事から探せばいいさ
ゆっくりと確実に
<手渡したいものがあるんだよ>
この詩を捧げたい
いま、まさに家を出ようとしている人に
あるいは
故郷をすでに捨ててしまった人に
掬い上げた水が、指の間から
こぼれるように
なにもかも
なくなってしまった人に
そうだよ
この詩を読んだら
神様が
心のなかに、そっと
ちいさなハンカチーフを置いてくれる
きみのとめどもない涙を拭くために
きょうはそっとおやすみ
眼をまっかにして泣きはらす
そうだね
我慢は禁物だ
泣くだけ泣いたら
あらたな自由をめざして
出発だよ
神様のハンカチーフ
こわれそうな愛のために使うもの
まっすぐな孤独の涙を拭くためのもの
満たされた心には使えない
ちょうど
迷子になって泣きじゃくる子供を
母親が必ず
見つけだすように
神様には聞こえるんだ
あたたかな
きみの涙を
そっと
ふくために
さしだされた、ちいさなちいさな
ハンカチーフ
<神様のハンカチーフ>
手渡したいんだ
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