No.12 徒然なるままに




言葉が上手く伝えられないのです。
まだ人間のはずなのに。
私は誰なのでしょうか?
まだ私は私のはずなのに。

言葉が上手く伝わらないのです。
彼も人間のはずなのに。
私の声は聞こえないのでしょうか?
まだ確かに人間のはずなのに。

風が冷たいのです。
隣には誰も居なくて。
あいにくの空模様は、
私の心を象徴しているかのように
思われて仕方がないのです。
喋る相手も居ないので
一人で言葉をまた綴っております。

言葉が上手く伝えられないのです。
まだ人間のはずなのに。
私は誰なのでしょうか?
まだ私は私のはずなのに。

疑問がまだ解消されないうちに
また空が不思議な紅いような色に
なってしまいました。
私は静かにため息を一つ。
言葉を綴るペン先を休めて
少し眠ることにいたしましょうか。

言葉が上手く伝えられません。
人間って不思議なものなのですね。
私は私を知っている。
それだけで、良いということにしましょうか。

目を開ければいつもと同じ。
天井に重圧を感じてしまうけれど
空は落ち着いた紺になったので、
私の心もやっと静かになれました。
徒然なるままに。日暮らし。
いろいろ悩んで、また明日から
私は生きていくのでしょう。

たとえ言葉が伝わらなくても。
誰一人話す相手が居なくても。
空が雨模様でも。死にたくても。。

徒然なるままに。徒然なるままに。
迷いながら、私は生きていきます。

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