No.27 涙が止まらない。




僕の友達は盲目。
強い光の中で
真っ黒の視界。
でも笑っていた。

僕の顔は分からない
忘れてしまったと
言っていた。

君は僕の話を聞いてくれて
君は素直に泣いてくれて
僕は止められたんだ。
傷つける事を。

僕が見る空は曇っていて
でも君はそれさえ見られなくて
泣いている僕を慰めてくれるんだ。
だから君が好き。

僕の友達は盲目。
だけど笑っていた
なんて弱い人間だろう、僕は。
君の辛いのを知っているのに、
自分の事しか考えられない。
君には謝る事しか出来ないんだ。

僕の顔は分からない
僕の傷も見えないけど
僕の痛みは分かってくれる
傷をさすりながら、泣いてくれたから。

なんて弱い人間だろう、僕は。
そう君の前で呟いた。
君は、僕も強くなんか無いよ
って言ってた。
「僕は、感じるのを止めないから。」

僕の話を聞いてくれて
君は優しく相槌を打つ。
そんな君がとてもとても
大好きなんだ

涙が止まらない。
君はどうしてそんなに
僕の痛い心を撫でてくれるの?
僕もお返ししなくちゃならないって
言ってるのに。
なんで君は
「君の話を聞いて、一緒に泣けるだけでいい」
なんていうの?

真っ黒の視界の貴方は
僕に明るい光をくれる
傷つけるのを止めてくれたのは…
悲しみを半分にしてくれたのは…
嗚呼、
涙が止まらない…

「ありがとう。これからも一緒に居よう。」
ごめんなさい。君に依存してしまって。

まだ、泣いてるんだ。

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: