No.29 感じない… | キドアイラク

No.29　感じない…

情景だけで
感じられた
僕はそれ以来
近付けない

皆は僕に
言葉で殴る
それが…
とても痛かった

虐められた訳じゃ無い
それは違います。
異端である僕は
此処では邪魔者なんです。

とても痛かった。

僕の噂
気をつけよう
耳も口も目も感触も
感じないように
気をつけなくちゃ。

僕が悪い訳じゃ無いんです
かといって皆も
そうするしか方法が
無かったんです。
僕は偽善しているつもりは無い
分からなくなってもいない
悲しみは貰い過ぎたから。

感じないように…
気をつけるんだ。

ほうら空も
僕を睨んでるよ
だけどまだ存在してる
だからそれほどまでに
嫌われていないよ。
まだ生きているんだから。

傷の事は気にしないでください
分からないままなら
気付かないままなら
そんな事思いも付かなかったでしょう
顔に出ていますよ
貴方達の事、大人の代弁者って
彼が歌ってた
だから、気付かなくて良かったんです。

まだ生きているんだから。

ああ、いいのかな
終わりは無い
そうかもしれない
この闇には。

言葉が話せない。
文字は書けるけど
腕が折れて
ペンが持てないんです。
なんで泣いてくれるんですか？
大人の代弁者のくせに
僕に同情ですか？
嘘ですよね。

闇には…終わりが無く
ただ向かうのは…優しい別れの天使の声
耳を塞いでいたけど…確かに聞こえたから
きっと…皆これでいいと思うから
その手をしっかりと握った。

一筋だけ…ほんの少し。
生理的に涙を流した。

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