No.46 雪




冷たい街は一層冷たく
言う事も無く
時間を流すだけ

その日は何気なく始まり
何とも思わぬうちに終わる
そう思っていた


空気を吸い込んだら
感覚が麻痺して…

『雪が白い』そんなことさえ
何故か不思議に感じるよ
失う物が多すぎたから?
空は動く事なく…

冷たい街は唯煩く
降る雪はそっと
総てを包む

優しい透明な風
何故かとても苦しくて
涙が止まってしまった


見慣れ始めた光景
掌握されたままの心

このまま降り積もって
全てを隠してしまえ
何ももう見たく無い
唯綺麗な…白になれ
『雪は白い』忘れていた
分断された記憶が戻って
純粋な部分だけが
残っていれば良いのに。

掌握されたままの心
表情を変える事の無い空

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