アムリタの青い空

アムリタの青い空

父と母のこと



両親はかつて7年の間、房総の館山に住んでいました。

娘はそこで生まれ、長男も甥もそれは楽しい時を過ごしました。
3人とも自分たちのふるさとの様に思っているようです。

17年前に引き払って袖ヶ浦市に越してきたのですが、
子供たちはみんな残念でしょうがなかったのです。
今でも「皆で買い戻し計画」を持っているようです。

館山の紫外線は強くて、父がまいってしまったのが
引越しの理由です。

太陽は、生物が育つ時にはエネルギーを限りなく与えてくれるものですが、
熟した実は腐らせてしまうエネルギーになってしまいます。
酸化がすすむ・・・ということですよね。

父82歳、紫外線に弱くなり、眼も白内障・・・。

これも自然の摂理ではありますが・・・。

めったに弟と二人で両親を訪ねる機会もなかったのですが、

一昨日の土曜日に行ってきました。

で、急に館山に行くことになり、82歳の父は

「小学生が遠足に行く前の日状態」

になってやけにうれしそう。。。

館山の両親

乗っているだけの車でも疲れたを連発していました。

でもよかったね!!3人の旧友と再会できて。

.............................................................☆
(2)

やせたいと思っていてもなかなかやせない・・・私
やせなくてもいいのにどんどんやせてきた・・・77歳の母

春がすぎて夏にあったとき・・・すこしやせた?
秋になってあったとき・・・あれ<<またやせた?
10月にはパンツを7センチつめた。
11発には肌着をLからMにした。
声がしゃがれてきた。
一人で暑がる。
足元がよぼっとしてきた。

なんかおかしい・・・・

血液検査の結果・・・バセドウ氏病とでた。

大正11年うまれ、六白金星、B型、戌年・・・

の父とは相性はよいのだけれど、

「お父さんにつかれた」

のだそうだ。

バセドウ氏病の原因はストレスがかなりあるそうだ。

健康に気をつけて気をつけて生活してきた母でも、

ストレスが大きすぎた・・・のでは負けてしまう。

薬をのみながら、父の入院さわぎでやめているお茶のおけい

こをまた始めたり、東京にあそびに来るのを楽しみにするよ

うになった。

そうよおかあさん、自分のために楽しいことしていいの

よ・・・。

私たちのことをいつも最優先して生きてきたんだもの。

もっと自分にご褒美あげていいのよ・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・☆

(3)
ひとは一生をかけて健康や経済の帳尻があうことになっているみたい・・・。

と母はいう。

父はこどものころ、消化不良でやせおとろえてお医者さまもみはなしたそう。お葬式のじゅんびをすすめていたほど。
戦争で中国にわたりあと1センチで弾にあたっていたことが
何回もあった。
終戦のときも部隊と一緒にかえっていたら、その船は沈められていた。

母は戦時中は弾つくり、19歳で母をなくし、おさない弟や妹の世話で病気しているわけにはいかなかった。
77さいの年まで寝込んだこともない。

バセドウ氏病とわかり、月曜日には紹介状をもって
君津中央病院に行くことになった。

これからは病院とながいお付き合いになるでしょう。

いままで病まなかったぶん、これからは長くなる・・・

母はそういっている。

人生って、帳尻が合うことになっているみたいね。

さっきの電話でそういっていた。

あした一泊で千葉に行ってきます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・☆
(4)

千葉からアクアラインのバスに乗って帰ってきました。

母のバセドウ氏病は、甲状腺ホルモンの数値が5.9(正常値1.9まで)で決定です。

バセドウ氏病の原因は、はっきりとはわからないそうですね。若い方ばかりではなく最近は老人も発病するそうです。

治療法1.機能亢進を抑制する薬をのむ。但し白血球減少や肝

    機能低下の副作用がある。

治療法2.アイソトープ(放射線)を飲む。但し量が多すぎた

    ときは、一生甲状腺ホルモンは自分で作れなくな     
    る。
治療法3.腫れているところを切り取る手術。

どれも一長一短があるので選んでください・・・と先生。

でも腫れが小さいので手術の必要はありません。

説明はとっても事務的です。

Aランチにしますか?Bランチにしますか?
みたいな印象を受けました。

で、1.の投薬で様子をみる
   にして来週の予約をとってもらい終了。

朝10時に入り午後3時には会計がすみました。

ふっ~。

病院はつかれるところ。
つかれやすいのが一つの症状のバセドーの母には、今日はとってもつかれた一日でした。

「お父さん用にうなぎを焼いてもらってあるんだから、夕飯は簡単にして今は早く休んでね。寝たほうがいいからね。」
「うん、そうする。」
「22日からドイツに行って年内には帰るけど、今度はお正月にくるね。15日の病院はお父さんと行ってね。」
「うん、お父さんと行く。じゃあお正月ね。」
「ちゃんと休むのよ」
「わかったわ・・・」

これが母との最後の会話になってしまいました。

あとから父に聞いた話です。
「いつもどおり、夕飯を作って食べて、私が先に休んだよ。いつだってお母さんが後から寝ているよ。」

お母さんうそばっかり。
つかれているんだからすぐに寝るように言ったのに!


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