いわぴいのドラマ日記

いわぴいのドラマ日記

September 14, 2008
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カテゴリ: ドラマ
 「ふるさとは遠きにありて思ふもの」天璋院の活躍した時代より遥か後に、詩人・室生犀星が故郷を偲んだ詩です。薩摩の意向を知るため、幕府の人間として薩摩に接触しようとした天璋院は捨てたと思っていたにもかかわらず、自分が薩摩人であることを否応なく感じさせられてしまったのかもしれませんね。そして、その苦悩を救ってくれたのが和宮の一言だったのかもしれません。これまで周りに守られて自ら行動を起こすことのなかった宮様が天璋院に声をかけたのは、これまでの言動から天璋院の心のありかを見つけ出すことが出来たからでしょう。まさに、 「心で人を動かした」 のかもしれませんね。

 勅使が江戸にやってくるということがどれほどの重みがあることだったのか、現代の我々では想像もつかないことですね。歴史の教科書で過去から紐解いていけば勅使という言葉は要所要所で使われていることがわかりますが、このころの庶民にとってお上と言えば上方以外では普通は将軍を指していたでしょうから、それよりもさらに上があるということはある意味庶民にとっては驚きだったのではないでしょうか?

 しかも、それを護衛してくるのがこれまで幕政に参加することの許されなかった外様大名である薩摩の軍勢とあっては、幕府としても面目丸つぶれということになるでしょう。天璋院が薩摩の真意を問いただしたくなる理由もわかるような気がします。公人として、彼女は薩摩の出身ではあっても、幕府の人間なんですから・・・。

 そんな天璋院の苦悩をよそに久光は老中を武力で脅すという信じられないことをやってのけます。武士でありながらそれに屈する老中も弱腰といえば弱腰のような気もしましたが・・・。先週、久光のことを名君のような書き方をしてしまいましたが、完全に撤回したいですね。金持った子供が自分の言うことを聞かない近くの年上の兄ちゃんを用心棒を使って脅したのとおんなじ様なことですから。天璋院に会っても、言い訳どころか開き直る姿を見ていたら憎たらしくてしょうがなくなってしまいました。まあ、山口祐一郎の演技力が抜群ということでもあるんでしょうが・・・。大久保がそれに同調する姿はもっと憎らしかったですね。西郷さんとはやっぱり相容れないものがあるんでしょう。

 それだけに、小松帯刀と勝海舟の邂逅の場面は泥臭さとは対照的で清々しく感じました。薩摩の人間だからと先入観を持って老中脅しを皮肉った勝に対して、神妙な態度で間違っていると認めた帯刀。その居住まいの正しさに打たれて自分の気持ちを一瞬で切り替えた勝の姿、ひとつひとつの二人の様子が君子の交わりのように思えました。この出会いが後の江戸城無血開城へとつながっていくのかもしれませんね。

 天璋院もその帯刀の真意を知りたかったのでしょうね。久光との会見のときは、その陪臣として言葉を発することすら許されなかっただけに、家茂の権威にすがってどうしても話がしておきたかったのでしょう。徳川を守るため、そして何より故郷・薩摩を守るために・・・。昔のように「尚五郎さん」と呼びかける天璋院からは、親しみだけが感じ取れました。万次郎から言われた尚五郎の初恋の人が自分であったことなんかを思い出しながら、久方ぶりの再会を心から楽しんだのでしょうね。お近さんと結婚していたことには心底びっくりしていたみたいでしたが・・・。そして、薩摩の行く末を彼に託したのだと思います。

 ただ、そんな天璋院と帯刀の思いもむなしく、生麦事件が起こってしまいました。薩摩は、そして日本はどうなってしまうのか?来週も息つく暇がなさそうです。それにしても、最近のあおいさんは威厳が備わってきましたね。久光を相手にするときも気後れすることなく、親戚であるはずなのに、大御台所として上から目線で堂々と叱責してましたから。やっぱり大河の主役って役者を成長させるんですね。

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最終更新日  September 15, 2008 04:12:30 PM
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あおいちゃんの迫力  
私も、分家のおてんば姫から、本家の篤姫へ、そして将軍御台所として、
演技力の成長なのか、意図的な変化なのか、(もちろん演出的な意図はあると思いますが)
立場における存在感とキャラクターに脱帽しています。
人は年齢ではなく、立場や境遇で成長していくのだなあ、という感想を素直に持てますね。

    この作品の原作が宮尾登美子氏ということで、数年前の大河ドラマとどうしても比べてしまいます。。。
それにしても、歴史専攻のふにふにですが、生麦事件がこの帰り道だとはびっくりしました。運命はかくしてつながっているのですね。 (September 15, 2008 04:27:45 PM)

Re:あおいちゃんの迫力(09/14)  
ふにふに。。さん、こんにちは。
確かに立場や境遇で成長していくんでしょうね。
このドラマを見ながらひしひしと感じています。
生麦事件は確かにこの帰り道だったみたいですね。
本当にどこでどんなつながりがあるのか・・・。
世の中って本当に不思議ですね。 (September 15, 2008 04:38:05 PM)

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