10.それでは、もっとも必要な道具の話に移ります。さっき、密着性を良くするには表面をきれいにするのが大事と言いました。だから、その表面を調べる方法が欲しいのです。また、上に膜が付いた状態では界面を調べることも必要になります。 その装置がエスカというものです。 英語の頭文字(ESCA; Electron Spectroscopy for Chemical Analysis)をとってこのような名前で呼ばれています。真空中で表面にX線を照射して、出てくる電子という粒子の数とエネルギーを測定します。これにより、表面に何が(どんな汚れが)どのくらいあるかがある程度分かります。 今回の密着性の問題にはとても役に立ちます。しかし、去年まで県立大にはなかったのです。とても高価で、中古品もあまり出ないし、出てもまだ高価なのです。 10.1それが、不思議な縁とこれらの人たち、会社の援助のおかげで、手に入れられることになったのです。 今日は、田中フェロー、藤村さん、森さん(UMK)の代わりの広瀬さんと、大内さんなど、皆さん偉い方々でお忙しいのに来てくださっています。 10.2 これがその装置です。 右側が森君です。