やさしい時間 ~ Hot House ~

やさしい時間 ~ Hot House ~

ちょっといいお話。第4章。



にくたらしい←とは腹が立つとかムカつくとか
悪い言葉で言うとそんな感じ。

ここではそんな悪い意味ではなく、
愛着とか、にくめないとかそういった意味で使おうと思う^^

坂本フジ子さん(仮)。年齢83歳。
糖尿病があり、ホームでは管理不能な為、
当病院へ入院となる。

まったく、自己管理も、病識もなく、
更には好物は甘いもの^^;

そんなフジ子さんはご主人と一緒に入院してきた。
ご主人は軽度の認知症あり。
でも本当に仲が良くて、同室入院。

フジ子さんはと言うと、糖尿病のせいか、
体型は太め、膝も変形気味。。。
ポータブルトイレや自室の洗面台までの移動は自力でOK♪

じいちゃんは認知症があるだけで、シャキシャキ歩き回る。
とってもお茶目なかわいいじいちゃん(*^ー^*)
時にはおもしろいことのひとつも言って、和ませてくれる人。

なのに、このばあちゃんは・・・(ーー;)
にくたらしいことばかり言うし。。。口は悪いし。。。
※私の地元はだいたい口が悪いですが(笑)。

でも一番のポイントはじいちゃんを愛してること(*^0^*)
それですべてを許せてしまうのです^^

じいちゃんは昔、同じ隣組に愛人がいました(>w<)
しかもその愛人はうちの病院に入院中(ー0ー;)
じいちゃんは本当に優しい人だから、
きっとモテたんだろうと思う。

実はその愛人さんはフジ子さんと似ていて、
しかも同じくぽっちゃり型の体型。。。
じいちゃんはそういった人が好きなのかも?!

それから、しばらくして、じいちゃんは急に寝たきりになる。
フジ子さんはメキメキ元気になる。

ただ、フジ子さんの唯一の悩みは、
自分も仲のいい、その愛人さんが毎日じいちゃんに会いにくること。
どうしてもフジ子さんはそれが我慢できなかった。

ある日、看護婦を通して、
「じいちゃんが死ぬまで、あの人を部屋に近づけないで欲しい」と
フジ子さんからの要請があった。

もちろんみんな全力で対応。

それから、フジ子さんは心置きなく、毎日じいちゃんのそばにいた。
じいちゃんは、眠るように息を引き取った。

相変わらず、今でも憎まれ口をたたく、
にくたらばあさんのフジ子さんも、軽度の認知症は出たものの、
じいちゃんのことだけは今でも忘れていない(*^ー^*)

じいちゃんもきっとフジ子さんに愛されて幸せだったと思うよ♪
愛人さんもじいちゃんのこと、愛してたんだけどね。。。
でもそれは奥さんの特権だから、じいちゃんは理解してあげないとね(>_<)

これから、きっとフジ子さんはじいちゃんの分まで、
まだまだ長生きするでしょう。。。

きっと死ぬまでじいちゃんのことを思いながら・・・。





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