泉忠司のPleasure, Excitement, Happiness, and Love

泉忠司のPleasure, Excitement, Happiness, and Love

Sep 8, 2006
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今日は 晴香葉子のスピリチュアルLives に『赤毛のアン』を主催する国連クラシックライブ協会の小池代表とともに、ゲスト出演してきました。と言っても、泉は9月29日にもゲスト出演させていただくので、今日は、サポート出演でおとなしくしていましたが。1回目は「カリスマ大学講師・イギリス文学研究家」2回目は「恋愛小説家」第3回目は「ミュージカル俳優」として登場しましたが、4回目はどういう肩書きで登場するでしょうか?ご期待ください♪いずれにせよ、誰にも破られない最多出場記録を樹立するぞ~!!(笑)

さてさて、『クロスロード』発売記念特別立ち読み企画第8回「部屋」です!


 今回のオーディションには自信があった。演技審査では、いまの自分にできる最高の芝居ができた。落ちるはずがない…少なくとも、俺はそう思っていた。でも駄目だった。俳優なんて向いてないんじゃないか。無力とも脱力ともいえない、倦怠感が全身を覆う。
 アパートに戻り、ベッドに体を放り投げると、一気に疲労が襲ってきた。風邪でもひいたのか全身が鉛のようだ。ポケットから携帯を取り出すと、緑のライトが点滅している。開くとそこには“波美”の文字。

「何か用?」
電話をすると、波美は驚いた声をあげる。
 「あっ!もしかして着信入ってた?ごめんなさい。携帯いじってたら、間違ってボタン押しちゃって、すぐに切ったんだけど、間に合わ…」
「ねぇ、薬持ってない?」
「えっ?」
 「すげえダルくって。風邪ひいた…」
 「大丈夫?熱は?」
「分かんない」
「病院行った?」
「行ってない」
 「ダメじゃない!下北だよね。すぐに行くよ!」
 波美に住所をメールしたところで意識が朦朧としてきた。俺、波美に何であんなこと言ったんだろ…。携帯を握り締めたまま眠りにつく。

 鍵は開いていた。入るとすぐに、ずぶ濡れの服を着たままベッドに横になった、海都の姿が眼に飛び込んでくる。
 「大丈夫?上がってもいい?」
玄関口から声をかけると、ゆっくりと目を開く。
 「波美?来てくれたんだ…」
 「“来てくれたんだ”じゃないでしょ。そんな格好で寝てたら、風邪ひどくなっちゃうよ!」
 「ああ、着替えてくるよ」
海都は起き上がり、Tシャツを持って、洗面所に向かう。
 初めて入る海都の部屋。建物自体はたしかに古いけど、珍しいデザインの白いカーペットと、壁にかかった波のような布が、海のイメージ。珊瑚のかけらを敷きつめた白い箱、大きな白い貝殻で作ったランプ、キレイな音を奏でるパイプ型の風鈴、天井から吊るされた流木。家具も白とブルーで統一されている。オレンジのライトは夕陽のよう。
 「悪いな。ほんとに来てくれるなんて、思わなかったよ…」
着替えを済ませた海都は、戻ってきて、申し訳なさそうに視線を落とす。
「ううん、近いから平気。寝てて。何か作るから」
「毒入れたりしない?“遊び人”をこの世からひとり抹殺するチャンスだぞ」
「そういう冗談を言う元気があれば、大丈夫ね」

 ベッドに横になり、キッチンに立つ波美の後ろ姿を眺める。この部屋に波美が来るのは初めてなのに、あまりにも自然で、ずっと一緒に暮らしていたような不思議な感覚にとらわれる。鍋から立ち上がる湯気は何とも温かく、波美の香りと混じりあった、優しい香りが漂ってくる。そういえば、誰かに看病してもらうなんて、初めてじゃないかな。弱っている自分、だらしない自分を見られるのが嫌で、元カノでさえ誰一人、病気のときに部屋に入れたことはない。

 勢いで海都の部屋まで来ちゃったけど、麻衣子に悪かったかな。でも、病気だし、仕方ないよね。麻衣子のところからは遠いし、うちからだと電車で3分だもん。今わたし、海都に見られてるのかな。でも、あの状態じゃ、わたしのことなんか気にしてる余裕もないか。振り返ってみようかな…。やっぱり、やめておこう。目が合ったら、どんな顔していいか分からないし。それにしても、あんなずぶ濡れのまま寝てるなんて、よほど風邪が辛いのかな。それとも何かあったのかな…。


晴香葉子の恋愛学6

脳の中には、何十億ものニューロンが、活動しながらネットワークを形成、行動をコントロールしています。
衝動や感情は、分別・理性・連想などのフィルターを通り、行動へと発展します。
そのプロセスの繰り返しと脳の発育により、18歳くらいまでに、全体として調和のとれた「いつもならこうする」という行動パターンが形成されます。“その人らしさ”や“個性”と言われるもので、私たちは、普段はこのシステムに従って行動しています。
一方、脳には、「非常事態には、迅速で大胆な行動ができる」というシステムも備わっています。
深いショックを受ける・多大な喜びを感じるなど「覚醒」を促すような事態には、ドーパミンやノルアドレナリンなどの分泌が活発になり、いつものプロセスを省略、後から思えば驚いてしまうほど、思い切った行動を起こせます。
そして、そのような行動が起きている間は、ドキドキすると同時に、普段感じることのない心地良さも感じます。
また、このような経験が“人生の転機”となる人も多いですよ。

((C)泉忠司&晴香葉子)





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Last updated  Sep 10, 2006 02:30:18 AM
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