JEWEL

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玉響~泪月の祈り~1

シエルが両性具有です、苦手な方はご注意ください。

炎に囲まれた村の中を、双子の兄・ジェイドとシエルは只管走っていた。
だがシエルは途中で兄と逸れてしまった。

「兄様~!」
「居たぞ、あっちだ!」
シエルは、再び炎の中を走り出した。
「どうした?また、悪い夢でも見たのか?」
そう言いながらシエルの髪を優しく梳いてくれたのは、シエルの許婚の紫苑だった。
「昔の、夢を・・子供の頃の夢を見ていました。」
「そうか。それよりもシエル、急な話なんだが京に行く事になった。」
「京へ?」
「そんな顔をするな。半年もしたら帰って来る。」
「わかりました。」
紫苑はシエルを江戸に残し、京へと旅立った。
しかし、その一月後紫苑からの文が途絶えた。
彼に、何かあったのかもしれない―シエルはそう思い、単身京へと旅立った。
その一月前―
「中村、もうすぐあの美人を嫁に貰うんだろう?」
「ええ。でも、こんな時代なのに自分だけが幸せになってもいいのかと・・」
「何を言う。」
「京都所司代佐々木十兵衛殿ですね?あなた方は、ここで死んで頂きます。」
「何だ貴様ぁ!?」
突然現れた、紅茶色の瞳をした男は、その場で紫苑達を斬り伏せた。
「シエル・・」
紫苑は、死に間際にそう呟くと、椿の花を握り締め、息絶えた。
「セバスチャン、終わったか?」
「はい。」
男が懐紙で刀についた汚れを拭ってやると、浅葱色の羽織を着た男達がやって来た。
「例のものは?」
「いいえ。」
男―セバスチャンは男が握った椿の花を見つめた後、その場から立ち去った。
「待て、小僧!」
「逃がすかぁ!」
男達に追われ、シエルは闇の中を走っていた。
シエルは、路地の奥へと逃げ込み、声を殺して男達が通り過ぎるのを待った。
暫くすると、何処からかけたたましい叫び声が聞こえて来た。
「何だ、こいつら!?」
「ひぃぃ!」
シエルが路地の奥から様子を見ると、そこには赤い眼をした化物が立っていた。
悲鳴を上げないようにしていたが、化物に見つかってしまった。
「おやおや、こんな所に可愛い仔猫が迷い込んでいるなんて、思いもしませんでした。」
突然頭上から男の声が聞こえ、シエルが俯いていた顔を上げた。
そこには、一人の男が立っていた。
彼は夜の闇を思わせるかのような漆黒の髪と、紅茶色の瞳をしていた。
“シエル。”
その瞳は、紫苑のそれと似ていた。
「紫苑・・」
シエルは、そう言った後気を失った。
「あれぇ、その子はどうしたの?」
少し癖のある髪をなびかせながら、一人の青年がやって来た。
「あぁ、この子はわたしが面倒を見ます。」
「ふぅん・・」
「総司、こんな所に居たのか。」
シエルを抱いたセバスチャンの前に、新選組副長・土方歳三がやって来た。
「その子は?」
「運悪く迷い込んで来てしまった仔猫ですよ。このまま見捨てるのは酷なので、わたしが面倒を見ます。」
「勝手にしろ。」
紫の瞳でセバスチャンを睨みつけ、眉間に皺を寄せると、土方はそのまま彼に背を向けて去っていった。
「ん・・」
朝日が射し込んで来て、その眩しさでシエルは目を覚ましたが、手足を縛られ、口に猿轡を噛まされている事に気づいた。
シエルが呻きながら必死に縄を解こうとしていると、部屋に一人の男が入って来た。
「済まないねぇ、乱暴な事をして。」
男に縄を解かれ、猿轡を外されたシエルは、部屋から連れ出され、ある場所へと連れて行かれた。
「その子が、昨夜の仔猫ちゃん?へぇ~、本当に小さいね。」
シエルが俯いていた顔を上げると、そこには自分を興味深く見つめている青年の顔があった。

「お前、名は?俺は新選組副長・土方歳三だ。それと、俺の隣に居るのは局長の近藤勇さんと、総長の山南さんだ。」
「僕はシエル=ファントムハイヴ。京に来たのは、行方知れずの許嫁を捜しに・・」
「その許嫁の名は?」
「中村紫苑といいます。」
シエルが許嫁の名を口にした途端、土方達の顔が強張った。
(何だ?)
「そ、そうか。こんな華奢な身体で、江戸から京までよくぞ無事で・・」
「近藤さん、話すのはその事じゃないだろう?」
「あぁ、そうだった。今後の君の処遇についてだが・・」
「わたしが面倒を見ます。」
「そうか。セバスチャンがそう言うのなら、俺達は何も言わねぇ。」
土方はそう言うと、眉間に皺を寄せた。
「ではシエルさん、わたしの部屋へ。」
「はい・・」
「土方さん、そんなに睨まないで下さいよ。」
「そうですよ、怯えているじゃないですか。」
「うるせぇ総司、早く巡察に行きやがれ!」
「あ~、怖い、怖い。」
新選組一番隊組長・沖田総司はそう言うと、土方に向かって舌を出した。
「さぁ、わたしの部屋へ行きましょうか。」
「はい・・」
セバスチャンに連れられて、シエルは彼の部屋へと向かった。
そこは埃ひとつなく、整理整頓された部屋だった。
「予備の布団を使ってください。」
「ありがとうございます。」
シエルは安堵の溜息を吐き、セバスチャンが用意してくれた座布団の上に座った。
「あなた、これからどうなさるのですか?」
「それは、どういう意味ですか?」
「もし・・もしもですが、あなたが捜している許婚の方が亡くなっていたら・・」
「それでも、僕は紫苑に会いたいんです!」
そう叫んだシエルの蒼い左目から、涙が流れた。
「そうですか。それよりもあなた、その右目はどうされたのです?」
セバスチャンはそう言うと、シエルの右目を覆っていた眼帯を外すと、その下から美しい朝焼けを思わせるかのような紫の瞳が現れた。
「これは、生まれつきなんです。気持ち悪いでしょう?子供の頃から、この目の所為で周りから気味悪がられました。でも、その瞳を気味悪がらなかったのは、紫苑だけでした。」
シエルは、そう言うと紫苑から贈られた椿の簪を握り締めた。
その簪を見たセバスチャンは、死に間際に椿の花を握り締めながら息絶えている紫苑の顔が浮かんだ。
「どうかしましたか、セバスチャンさん?」
「いいえ、何でもありません。」
「そうですか。」
シエルが新選組に保護されてから、二月経った。
京は、茹だるような暑さに襲われた。
「あ~あ、毎日暑いと何もする気が起きないなぁ。」
朝稽古を終えた沖田は、そう言うと井戸から水を汲み、それを頭から被った。
「シエル君も一緒にどう?」
「僕は、いいです。」
「え~、減るもんじゃないし、いいじゃない!」
沖田がそう言ってシエルの着物の衿を掴もうとした時、そこへセバスチャンがやって来た。
「あなた達、そこで何をしているのです?」
「セバスチャンさん、僕はこの子が暑そうだから水浴びさせようと思って・・」
「嫌がっているでしょう。」
そう言ったセバスチャンの目は笑っていなかった。
「ごめんね、シエル君。」」
「いえ・・」
「総司、いつまでサボっていやがる、早く巡察へ行け!」
土方がそう怒鳴って沖田を睨むと、彼は土方に背を向けて去っていった。
「シエルさん、土方君が呼んでいますよ。」
「わかりました。」
シエルが副長室へと向かうと、そこには渋面を浮かべた土方の姿があった。
「副長、失礼致します、シエルです。」
「おぅ、来たか。いきなりなんだが、お前には祇園に潜入して貰う。」
「祇園、ですか?」
「あぁ・・」
土方は、祇園近辺で一部の過激派浪士達が会合を開いている事を知り、祇園で懇意にしている置屋に協力して貰い、シエルを舞妓として潜入させる事をシエルに話した。
「わかりました。」
その日の夜、シエルは祇園の置屋「菊屋」へと土方と共に向かった。
「今日から宜しくお願い致します。」
「可愛らしい子やねぇ。さぁ、急いで支度せんと。」
「は、はい・・」
女将から薄化粧を施され、着飾ったシエルは、鏡に映る己の顔を見て驚きの余り絶句した。
(これが、僕?)
「さ、お座敷行くで。」
「はい・・」
支度部屋から出たシエルを見た土方は、暫くシエルを見つめていたが、その後は平静な表情を浮かべてシエルをお座敷がある茶屋まで護衛した。
「何かあったら、店の者を呼べ。」
「わかりました。」
シエルが祇園に潜入捜査を始めてから数日後、最近辻斬りが相次いでいるという噂をシエルは耳にした。
「辻斬りの下手人て、どんな奴なん?」
「さぁ・・顔は良く見てへんけど、何や亜麻色の髪に紅茶色の瞳をしていたとか・・」
(紫苑、紫苑なのか?)
そんな事を思いながらシエルは、お座敷があった茶屋から置屋へと帰る途中、誰かに尾行されている事に気づいた。
シエルが置屋へと早足で戻ると、何者かの気配は消えていた。
「どないしたん、そんな顔して・・」
「おかあさん・・」
シエルは女将に、何者かに尾行されている事を話した。
「そうか。近頃物騒やから、護衛をつけた方がええかもしれへん。」
こうして、暫くの間シエルの護衛にセバスチャンがつく事になった。
「細い腰ですね。ちゃんと食べているのですか?」
「やめろ、気安く僕に触るな。」
シエルの支度を手伝っていたセバスチャンは、シエルの晒しの隙間から見える小さな乳房を見た。
「おい、手が止まっているぞ。」
「最初は、しおらしくしていたのに、急に本性を見せましたね。やはり、猫被っていたのですね。」
セバスチャンはそう言いながら、シエルの帯をきつく締めた。
「うるさい。」
シエルはお座敷の帰りにセバスチャンと歩いている時、背後に強い視線を感じた。
「どうかされましたか?」
「さっき、誰かに見られていたような気がする。」
「そうですか。」
セバスチャンが刀の鯉口を切った時、突然二人の前に数人の男達が現れた。
「あなた達、何者ですか?」
「シエル。」
男達の中から、亜麻色の髪をした男がシエルの前に現れた。
「紫苑・・」
「シエル、お前を迎えに来たんだよ。」
男―紫苑はそう言った後シエルに微笑んだが、シエルは恐怖の余り、セバスチャンの背に隠れた。
「どうして、人間達と共に暮らしているんだ、シエル?あいつらがお前に、何をしたのか忘れたのか?」
「紫苑、何を言って・・」
紫苑は、憎悪に満ちた眼差しをセバスチャンに向けた。
「何故、お前がシエルの隣に立っている?お前は、わたしを殺した癖に・・」
「紫苑、今何と・・」
「またお前を迎えに来るよ、シエル。」
「待って!」
シエルはそう言って紫苑に手を伸ばしたが、それは虚しく空を切った。
「シエル・・」
「本当に、お前が紫苑を殺したのか?」
「はい。彼は、倒幕派に与していたのです。」
「どうして、僕にその事を黙っていたんだ?僕が、傷つくと思っていたからか?」
「わたしは・・」
「お前なんか、大嫌いだ!」
シエルはそう叫んでセバスチャンに背を向けて歩き出した。
同じ頃、紫苑は定宿にしている旅籠の一室で、硝子壜に入った真紅の液体を飲み干した。

(まだだ・・まだわたしは死ねない・・)

紫苑は目を閉じると、自分が人ではなくなった時の事を思い出していた。

あの日、紫苑はセバスチャンの手で“殺された”筈だった。

「可哀想に、まだ死にたくないんだね?だってお前を待っている僕の“弟”が居るんだもの。」
月に照らされたのは、シエルと瓜二つの顔をした少女の姿だった。
「さぁ、これを飲んで。」
硝子壜の中にある真紅の液体を少女は口移しで紫苑に飲ませた。
その瞬間、激痛に襲われ、紫苑は血を吐いた。
「苦しみは一瞬。」
「待て・・」
少女を追おうとした紫苑だったが、意識を失った。
彼が目を覚ました場所は、見知らぬ宿屋の部屋だった。
「気が付いたか。」
「ここは・・」
「その様子だと、もう身体は大丈夫そうだな。」
そう言った紫苑の顔を覗き込んだのは、紅い瞳をした男だった。
「お前は・・」
「同族だよ。」
紫苑に瑠衣と名乗った男は、“主”の身の周りの世話をしているのだという。
「“主”?」
「お前に、血を与えた者だ。まもなく、こちらにやって来る。」
瑠衣がそう言った時、部屋の襖が開いた。
「良かった、気が付いたんだね。」
部屋に入って来た少女は、蒼い瞳で紫苑を見た後、そう言って笑った。
「お前は・・」
「僕はシエルの片割れさ。」
少女は、蒼い瞳で紫苑を見つめると、真紅の瞳を持った男に目配せした。
すると彼は、乱れ箱の中に入っている着替えを紫苑に手渡した。
「暫くここに身を隠すといい。」
「おい、待て!」
訳がわからぬまま、紫苑はその宿屋で暮らす事になった。
セバスチャンから負わされた身体の傷は徐々に癒えていったが、紫苑はシエルの事が気がかりでならなかった。
「“弟”の事が気になる?」
「どうして、それを・・」
「だって、“弟”は、シエルは僕の魂の片割れだもの。会えなくなっても、僕と“弟”はここで繋がっているんだ。」
少女はそう言うと、胸を拳で軽く叩いた。
「会わせてあげようか?」
まぁ、その代わりに君の“命”を頂くよ。
少女―葵はそう言って笑うと、紫苑を褥の上に押し倒した。
「何を・・」
「今は、何も考えなくていい。」
その日から、紫苑は生きる事を決めた。
葵がシエルの消息を掴んだのは、紫苑が鬼となって半月が経った頃だった。
シエルは、新選組と共に暮らしているのだという。
自分を殺したあの男と、シエルが共に暮らしている事を知り、紫苑は怒りに震えた。
自分の命を奪った男が、シエルまで奪おうとしている事が許せなかった。
「どうしたの、そんなに怖い顔をして?」
「シエルに会わせろ。」
「わかったよ。」
葵の手引きで、紫苑はシエルと再会する事になった。
「あれが、シエル・・」
シエルは美しく着飾っており、その傍らには自分を殺した男が立っていた。
「シエル。」
紫苑がシエルに向かって手を伸ばすと、シエルは何処か怯えた表情を浮かべて、セバスチャンの背後に隠れた。
「何故、お前がシエルの隣に立っている?お前が、わたしを殺した癖に!」
セバスチャンに呪詛の言葉を吐くと、シエルの身体が強張るのが闇の中でもわかった。
「もう行くよ。」
シエルと別れるのは嫌だったが、紫苑はシエルに背を向け、闇の中へと溶けていった。
「シエル、どうして・・」
「嫌な事は、忘れておしまい。」
宿屋へと戻った葵は、そう言って紫苑の唇を塞いだ。
シエルを必ず、あの男から取り戻してやる―紫苑は、そう思いながら葵を抱いた。
「シエル、浮かない顔をしてどうしたのですか?」
「お前には関係の無い事だ。」
「わたしを恨んでいるのですか?」
「当然だろう。お前は紫苑を殺した!」
「わたしを憎んでいるのなら、殺せばいいでしょう?」
セバスチャンはそう言って徐にシエルの髪から椿の簪を抜き取ると、それをシエルに握らせた。
「さぁ、殺しなさい。」
シエルは震える手でセバスチャンの喉笛を突こうとしたが、出来なかった。
「お前は・・狡い!」
「おやおや、泣かせてしまいましたね。」
「うるさいっ!」
セバスチャンが懐紙でシエルの目元を拭うと、白粉が少し取れてしまった。
「最初からやり直しですね。」
セバスチャンはそう言うと、溜息を吐いてシエルに再び化粧を施した。
「遅かったなぁ。」
「少し支度に手間取りまして・・」
「そうか。今日もお気張りやす。」
「ほな、行って来ます。」
置屋から出た後、セバスチャンは突然大きな声で笑い出した。
「先程わたしの胸の中で泣き喚いていたのに、随分と猫を被るのが上手くなりましたね?」
「うるさい。」
シエルが置屋を出て向かったのは、ある宿屋だった。
「今晩わぁ、駒菊どす。」
「おぉ、来たか!」
「可愛いらしいのぉ!」
シエルが座敷に入ると、そこには土佐の志士達が酒を飲みながら騒いでいた。
その中で、静かに酒を飲んでいる一人の青年とシエルは目が合った。
「どうなさいましたか?」
「いや、何でもない。」
「そうですか。」
セバスチャンの三味線の調べに合わせてシエルが舞を舞っていると、その青年が急にシエルに近づいて来た。
「君、僕のお嫁さんになってくれないか?」
「は?」
「ちょお待ちや、抜け駆けは狡いぜよ!」
突然青年から求婚されたシエルは、驚きの余り固まってしまったが、我に返って青年の手を振り払おうとしたのだが、彼はビクともしなかった。
「申し訳ありません、駒菊さんは次のお座敷がありますので、これで失礼します。」
セバスチャンは咄嗟にシエルに助け舟を出すと、シエルの手を握っている青年から、“優しく”引き剥がした。
「さっきは助かった、ありがとう。」
「いいえ。それにしても、あなたの手を握っていた彼、土佐の者ではありませんね。」
「あぁ。薩摩の者でもなかった。長州の者だろうな。」
「恐らくそうでしょうね。」
セバスチャンがシエルとそんな事を話していると、風に乗って女の悲鳴が聞こえて来た。
「何だ、今の悲鳴は!?」
「向こうの路地から聞こえて来ました、急ぎましょう!」
セバスチャンとシエルが、悲鳴が聞こえて来た方へと向かうと、そこには白髪を振り乱しながら町娘に襲い掛かろうとしている化物の姿があった。
「大丈夫ですか。」
「おおきに。」
セバスチャンに命を救われた町娘は、頬を赤らめて彼に一礼すると、去っていった。
「あの化物、あなたを襲った化物と同じでしたね。もしかして・・」
「セバスチャン、あの化物について何か知っているのか?」
「えぇ。以前、屯所の近くにある蔵に、山南総長が出入りした事を憶えています。一度蔵の中を覗こうとしたのですが、山南さんに止められてしまいました。」
「そうか・・」
シエルが祇園で潜入捜査を始めてから一月が過ぎ、京は祇園祭の準備に慌しく追われていた。
それと同時に、シエルは毎日寝る間もなく舞妓として忙しく働いていたが、無理をした所為で熱を出して寝込んでしまった。
「シエル、お粥ですよ。」
「ありがとう・・」
「早く、良くなって下さいね。」
シエルに粥をセバスチャンが食べさせていると、置屋の女将が向こうからシエル達に声を掛けて来た。
「シエルちゃん、あんたにお客様え。」

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