U.C.0087年3月。ティターンズから強奪したRX-178ガンダムMk-2よりムーバブル・フレームの技術を手に入れたエゥーゴは、次世代超高性能MSの開発に利用すべく、かねてより推進していた「Ζ(ゼータ)プロジェクト」に導入。そして、大気圏突入用オプションのフライング・アーマーをジャブロー攻略に実戦投入し各種のデータを採取した。単体で複数のアビリティを持つ機体の戦略的、戦術的な価値は計り知れない。単機で複数のミッションを同時にこなせる「TMS(Transformable Mobile Suit)=可変MS」は、是が非でも手に入れなければならないものだった。実際連邦軍やティターンズが投入してくるTMSは、エゥーゴの戦略にとって、大きな障害となっていたからである。 MSZ-006Ζガンダムは、宇宙空間から重力下までの連続運用を可能とする破格の汎用性を持つ機体である。もっとも大きな特徴は「標準兵装のまま単体で大気圏の再突入が可能」ということと、さらに、突入中の機動さえ可能としている点である。通常のMSは、大気圏突入の際にバリュートパックなどを使用するため、大気圏上層の熱圏においては行動を極端に制限されるのだが、Ζガンダムは、その領域においてさえ戦闘能力を有するのである。