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2008年03月18日
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「武田鉄也、今朝の三枚おろし」

これがカナリ面白いんですが、最近、日米開戦あたりの話をやっていて
去年の夏から書きっぱなしのヤリッパになっていた
山本さんのお友達、堀さんのお話を書くためのモチベーションがフツフツとわいてきたので久しぶりに書こうと一念発起しました。(かなりマニアな話です)

日本海軍の興亡に興味のある方のみどうぞ♪

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燎原の火となった陰口中傷


だが、"敵"は思いもかけないところから攻めてきた。昭和七年、第三船隊司令官として上海事変に際し出動したとき、堀の取った作戦行動が卑怯であったという愚かしいような非難が、突風のように噴き出したのである。

それは一言で言えば、ウースン砲台から突然に砲撃を受けたとき、堀司令官はただちに反撃しようともせず、一時避退し、のち、やっと反撃に転じた、というまったくの誹謗であった。当時の旗艦「由良」艦長谷本馬太郎大佐が、のちに、



と憤慨したが、こうした陰口中傷は燎原(りょうげん)の火であった。ついに、堀嫌いの伏見宮の耳にまで達したのである。親友の山本五十六が、伏見宮や大角大将に、
「堀のような群を抜いた男を失うのは、海軍の大損失である」
と訴えたのは、おそらくその頃であったと思われる。しかし、中国をめぐる日本対英米の緊張もかなり切迫し、軍縮体制は、欧米列強の圧迫に屈服したことであり、この足かせ手かせを打破しない限り、日本の行く手はない、と叫ばれているとき、それは徒労のあがきであったかもしれない。

そして肝心の堀は、寡黙で自ら宣伝釈明をせず、常に正を践(ふ)んで、孤高の趣のある人柄なのである。卑怯者の汚名がいかに流されようと、「処世の術としては拙劣極まるものであったかもしれないが」(堀の言葉)、いっさい弁明せず、というより頭から無視していた。それがまた反対派には腹立たしいことであった。ついには、「堀のごときに任せると海軍を滅ぼしてしまう」とまで悪罵が放たれるようになった。

だが、真実はどうか。第三戦隊司令官の現地における正当で最大の任務は、居留民の保護にあったのである。ウースン砲台からの無法の砲撃に、一旦錨(いかり)を上げて揚子江を下り、安全な泊地に退いたのも、居留民の安全と国際公法を厳守せんがためである。

付近にあった外国船舶や外国軍艦などに予告を発し、被害の及ばぬよう処置をし、さらに目標砲台装備砲の破壊を主眼とし、一発一発正確に照準し、跳弾または不規弾が砲台以外の民家に飛ぶことのないよう、細心の作戦指導をして応戦したものであったのである。

堀は、のちの手記に書いている。

《(上海事変で直面したものは)平戦時公法の無視蹂躙、兵力濫用の修羅場である。戦果誇張、巧妙争いの餓鬼道の展開である。さらに同僚排撃の醜悪なる畜生道である。一言にして上品に言うても、武士道の極端なる堕落である。かような場所で、かような友軍と協同して警備に従事せねばならなかったのは、自分の不幸な廻り合わせである》

なぜ、こうまで明確に、吐き捨てるように堀が言うのか。それは、
「昭和七年一月末の上海事変は、第一遣外艦隊の無分別、無定見により起こされたものである。したがって、まったく無名の師(いくさ)である。」

と、堀がすでに見抜いていたからである。今日、上海事変が陸軍の謀略によって起こされた無名の師であったことは明らかになっている。そして、上海事変の現地で痛感したこととして、堀は次の痛烈な一行を残している。

《子々孫々に至るまでかかる海軍の人になるなかれ》


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参考 日本海軍の興亡/半藤一利より

つづく


最初から読む


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Last updated  2008年03月18日 11時47分18秒 コメントを書く
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