人力車

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9.あの日の青い空



たまに思う 青い空に コッペパンみたいな
おいしそうな 白い雲が 流れてて
あたたかくて いいにおいがして 
草の上に寝転んで
いつまでも その空を 見ている
そうしている 自分を 思い浮かべて 
そっと目をとじてみる
あんまり きれいな 青い空だと  
僕は 涙が 流れてしまうんだ
その景色は 僕がまだ 幼かった頃の
まだ何も わからない 目で見た空で
今同じ ことしてみても 
あの空はくすんで見える
だから今は そんな空は  見たくないから
草の上に 寝転んだり しなくなった 
そうして大人になる
あんまり きれいな 青い空だと  
僕は 涙が 流れてしまうんだ
でも何か 心に穴が 空いてしまうような 
痛いめにあったときは あの空が見たくなる
そんなときは 目をとじて 上を見上げる
そんなときは 目をとじて 空を見上げる
僕の目には おしそうな コッペパンの雲と あの空が浮かんでくるんだ
いつの間 にか きれいなものが 
きれいだ とは 言えなくなった
いつの間 にか 汚れてしまったのは 
僕の 瞳の ほうなのかな  ララ~



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