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本当に国字か




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1 中国に同じ字形があり、意味も同じかほとんど同じもの 
  喰(『龍龕手鑑』にある)・搾(『漢語大詞典』が宋代の文献を典拠にこの字の偏を木偏にしたものと同じとする)・熕(『書言字考節用集』に「銅發熕 イシビヤ 其ノ制見タリ『武備志』」とある)・畠(『倭名類聚抄(眞福寺本)』・『倭名類聚抄(元和古活字那波道圓本)』に「續捜神記云江南畠種豆畠一曰陸田和名八太介」とある)・鯰(『倭名類聚抄(元和古活字那波道圓本)』が漢籍『食經』を引用する)・鵤(『倭名類聚抄(元和古活字那波道圓本)』が漢籍『食經』を引き「崔禹錫食經云鵤 胡岳反 和名伊加流加」とする。福建語にあり、『台語字典』が「音kak」とする。また『中華字海』が『篇海』を典拠に「音贊義未詳」とする。)など

2 中国に全く同じ字形かほぼ同じ字形があり、日本のものは国訓と考えられるもの
  俥(中国将棋(象棋と書く)で、13世紀頃以後「車」の駒と区別するため、人偏をつけて「俥」の駒がつかわれている。)・叺・屶(「会」の異体字)・栂(この字が作られた時点では、中国ではこの字が失われており、近年副葬品から発見された。この時点まで、国字として作られ、使われてきたということには疑問を持ち得ないので、他の国訓の場合とは違った取扱いが必要。)・柾(柩の異体字)・簗(築の異体字)・纃・鮟(ナマズの意)・鯏・鱚(中国でも日本の意味を移入して使われているが、本来は、「熹」の異体字)・魚偏に未など

3 中国に全く同じ字形かほぼ同じ字形があるが、日本とどちらが古いか判断が難しいもの
  俣・匂・噸・木偏に品など

4 台湾に全く同じ字形があるが、日本とどちらが古いか判断が難しいもの
  魚偏に雷(台湾では、雷魚。)など

5 国字には違いないが、普通に使われる以外の意味・読みで先に存在したもの
  凧(いか・いかのぼり)・嬶(はなくぎ)・鯱(ひらめ)

6 国字には違いないが、字形がJISの例示字形と異なるもの
  萢(「包」を旧字体にする字形も包摂されているので、誤りではないが、わざわざ異なった字形にした理由が必要であると考えられる。漢検の完全征服1級のように同一書籍の中で新字体・旧字体両方を使うのは、もってのほかである。『JIS X 0208:1997附属書7(参考)区点 位置詳説』参照)

7 国字に間違いないと思われるが、女真文字に似た文字があるもの
  凩

8 国字に間違いないと思われるが、字喃に同じ字形があるもの
  畑など

9 単なる異体字にすぎない可能性もあると考えられるもの
  椙・鶫など

10 国字には違いないが、その意味以外の意味・読みがあるもの
  圦(くれ)・魚偏に入(えそ)など

11 国字に間違いないと思われるが、中国に別義で同じ字形があるもの
  俤(弟と同音・同義で、人名に使われる。)・杣(地名などに使われる。)

12 中国で意味が失われており、その意味が日本に残ったことを否定できないので、国訓か否かもわからないもの
  弖・諚・雫・魚偏に若など

13 行書体・草書体を楷書化したにすぎないもの
  俣・匁(錢の旁)・木偏に久・錺など


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