僕の生きてた生きてる生きる道

僕の生きてた生きてる生きる道

人間関係の薬3

てがき
「 人間関係の薬 3 」

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

「 姑を殺したいくらい憎んで、ある薬を手にした嫁 」のお話の続き3です。当初の予定より、長くなってしまいました。ごめんなさい(>_<)
(思い出しながら書きますね。少し違っているところもあるかもしれません)    

2ヶ月が過ぎた・・

けど、あの嫁はお店に現れなかった・・
我慢しきれなくって、やめたのだろうか・・
それとも、自分の手で、姑を殺めてしまったのだろうか・・

日にちが、一日、一日と 過ぎていった・・
あと、2週間で、約束の3ヶ月になる・・

そして、突然、嫁は店に駆け込んできた。そして、挨拶をする間もなく、嫁は真剣に言葉を発したのである。

「 先生! お願いです!! 」(切迫した声)

「 ちょっと、奥さん・・。落ち着いて下さい、何があったんですか・・?」

嫁は真剣に、先生にすがって言ったのであった・・。

「 先生、私は取り返しのつかないことをしてしまいました・・お願いです! 先生・・   お義母を死なせないためには、どうしたらいいんでしょうか・・ ! 」

「 え・・?だって、奥さんの願いが叶うまで、あともう少しじゃないですか? あんなに、お姑さんを憎んで、いなくなったほうがいいって・・だって、あの薬を毎日、飲ませていたんでしょ・・? 」

「 そうです、、毎日、飲ませていたんです・・。」

「 けど、あの薬を飲ませていたのなら、もう手遅れです・・。これは、あなたが望んだことだったはずですから・・」

先生の言葉は、厳しい現実を、嫁に突きつけたのであった・・。

「 ところで、どうして急に・・気持ちが変わったんですか・・?あんなに憎んでいたお姑さんを、今度は生かしてくださいって・・」

嫁は、答えた。

「 私は、知らなかったんです・・。お義母さんが、あんなにいい人だったって・・」

「 え?・・どういうことですか・・?」

「 私は、毎日我慢して、3ヶ月経てばお母さんがいなくなるからと思って 薬を飲ませるために、毎日なるべく丁寧に、優しく接していたんです・・。すると、それを続けているうちに お義母さんって、なんていい人なんだろう・・って分かったんです・・。だから、先生! お願いです・・ お願いです!お母さんを助けて下さい!・・」

一息ついて、先生は答えたのです。

「 奥さん・・、大丈夫ですよ。 お姑さんは死にませんよ^^ 」

「 え?・・ど、どういうことですか・・?」

嫁は飲み込めない様子

先生は、確信して、落ち着いてこう言ったのです。

「 大丈夫、あなたが毎日飲ませていた薬で、死ぬことはありませんよ。」

「 だって、3ヶ月飲ませ続けていたら、必ず死ぬって・・ 」

「 実はね、あの薬は、ただのビタミン剤だったんです・・。」

「 え・・? ・・ 」

ますます嫁は飲み込めていない

「 実はね・・3ヶ月でお姑さんが自然に死ぬということは嘘だったんですよ。
死に至るどころか、ビタミン剤をあげたんですから、そりゃ、元気になるでしょう!^^ 」

続けて、先生は話を続けました。

「 私は、はじめからお姑さんを殺そうなんて思っていませんでした。どうして、お姑さんがいい人だって思うようになったか分かりますか?それはね、奥さん、あなたがまず変わったことが、大きな要素なんですよ。今まで、この人さえいなければ・・って接していたのをやめて、最初は、薬をあげるために偽りで優しくしていたのでしょうが、実は、それこそがお姑さんへの最大の薬だったんです・・。  
 お姑さんは、最初思ったでしょうね。『この嫁は、何をたくらんでるのか・・?』ってね。けど、奥さん、あなたはその優しさを続けたんですよね。薬を飲ませたい一心だったのでしょうけど・・。実はね、奥さんが変化したことで、お姑さんは変化することが出来たんですよ。

 お姑さんは、こう思ったでしょうね。『 うちの嫁は、こんなにいい嫁だったんだ・・。』 だから、お姑さんのあなたに対する態度が、変わっていったんですよ。」

嫁は、じっと先生の言葉を聞いている。

「 まず、あの人が変わればすべてが変わる・・と思っていても何も変わらないんですよ。自分が今不幸であることを、周囲のせいにしても、ダメなんです。

 けど、まず奥さん、あなたが変わったことで、あなたに接するお姑さんが、変わったんです。これは、事実です。奥さん、私が何を言いたいか分かりますか?人は、他人のせいにして人生を送っていても、前に進まないんです。まず奥さんに必要だったのは、奥さん自身が、変わることだったんです。薬は、そのための単なるきっかけにすぎなかったんですよ。」

・・というお話だったと思います。


 この一つのストーリーに込められた大切な真理を、何かお感じになったでしょうか?さて、最初に戻りますが、私たちは、今の辛い立場、自分がいかに大変な人間に囲まれて辛い日々を送っているかを、不幸な環境に置かれているのか・・熱く訴えることがありますよね。

 家庭のこと、旦那がこうなってくれたら、姑がいなかったら、子どもがもっといい子になってくれたら・・職場の人間関係でのアノ人やコノ人のこと・・こういう上司がいるから、あんな部下がいるから・・今気持ちよく仕事が出来ないんだ・・あげたらきりが無いのですが、そういうような言葉や感情は、非常に身近な課題だと思うんです。


 私も、そういうことを考えました。物凄く他人を責めました。許せませんでした。ふと気付くと、心の中で、その人とやり合っている自分に疲れました。

 「 あの人がいるから、私は不幸なんだ・・   あの人さえいなければ、すごく楽になるのに・・   あの人と顔もあわせたくない・・  」けど、何も変わりませんでした。すごく、苦しかったです。

 私は、理由をつけて、その人を許してみようと思いました(※)。何でもいい、理由をつけて、許してみよう。「あの人は、ああいう性格だから、しょうがない。あきらめよう。」「元々、ああいう人だったって言うことだ。私がいちいちイライラするのは、精神的に無駄かもしれないな・・だから、考えるのをやめよう・・」

 これも理由づけの一つかもしれません。あの人を変えようとすることをやめました。自分では意識していませんでしたが、まず自分が変わっていったのでしょう。すると、周りが変わって、とっても軽くなったんです。


 自分を変えるって難しいと思います。
 けど、本当に難しいですか?
 うん、難しいです。
 けど、出来なくないですか?
 え・・っと・・。
 やってみませんか?
 それとも、自分のプライドがそれを邪魔していますか?
 チャレンジしてみませんか?
 はじめは上手く行かないこともあるでしょう。
 なんだ・・何も変わらないじゃないか!って・・。
 けど、あのお嫁さんも、最初はそうだったんです・・。


 人間関係の薬の一つは、
「 あなたが変わると、周りが変わるのです。 」
ということかもしれません。

 まず変えることが出来るのは、自分。

 一回、飲んでみる価値はあると思います。


(※)「許す」と言うことに関しては、「ゆるす愛の奇跡」「愛は裁かず」(伊藤重平:黎明書房)という本がとっても参考になります。カウンセリング本です。 (長い文章を、最後までお読みくださって、ありがとうございます。  お一人お一人が、何かしらの行動を、小さくても、  具体的にしてみようと思われたのなら  本当に嬉しい限りです。)     

© Rakuten Group, Inc.
X

Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: