Der Nakajistil

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2006.08.24
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テーマ: 海外生活(7776)
カテゴリ: ドイツ生活
DDR博物館入口ニュース・ダイジェスト(在外邦人向けの情報紙)で話題になっていたベルリンの東ドイツ博物館(DDR Museum)を訪ねてみた。最近出来た新しい博物館だが、ご覧の通り大変なにぎわいよう。場所はいわゆる「博物館島」東の対岸にあり、車道より一段低い川べりにある。

統一後のドイツの生活や習慣はしだいに西側に染まり、東の特色はやがて薄れていったと言ってよいのかも知れない。それで東ドイツでの暮らしのようすなどは今となってはなかなか目にする機会がない。

トラバントこの博物館は旧東ドイツの言わば庶民の生活を展示したもの。小物類が中心だが、やはり実物を目にすると東独の生活がリアルに伝わってくる。

博物館に足を踏み入れると「トラバント」がお出迎え。その奥には東側の歩行者信号「アンペルマン」が雰囲気を醸し出している。

展示スペースはバーやレストランくらいの広さで、お世辞にも広いとは言えない。だが小物が多いこともあって展示はボリュームのある内容となっている。

閲覧の様子展示物の多くは引き出しのついたショーケースに入れられている。引き出しには色々な小物類、書類などがテーマ別に入っていて、それらを直にふれてみることが出来る。

小さい上に手に持つことが出来るので、盗難の恐れはないのかとも思うがDDRらしく(?)あちらこちらに監視カメラがしっかりと設置されている。

なおこのショーケースは東ドイツまた東ヨーロッパによく見られるプレート工法(Plattenbau)の高層住宅を模っているようだ。

ブロックプレート工法とは、量産した壁の部品を組み立てる工法である。



右写真のおもちゃはその工法の特色を表していて面白い。レゴやダイヤブロックの要領で好きな形にビルを作ることが出来る。
このようなブロックであそんだ子供は建築のセンスが養われたのだろうか?

居間この博物館で見逃してはならないのがこの「居間」である。

この居間は当時の東独の生活風景を描写したものである。

古いラジオやテレビ、本などがなかなかレトロなムードを漂わせている。

スパイ部屋ところがこれはただの居間ではなかった。少し離れたところに右写真のようなスペースがあるのだが、一見オーディオ装置のように見えるが、実はこのヘッドフォンから聞こえてくるのは居間での会話などの音声なのである。つまりここはスパイの盗聴部屋なのだった。

博物館の解説によれば、当局は多くの民間人をスパイに起用して人々を監視していたと言う。民間人スパイ(IMS)は写真のような装置を使って隣人、友人、同僚を監視して逐一上官に報告していた。

1989年には約17万3千人のIMSが登録され、そのうち約9万人が実際にスパイ活動を行っていたと言う。

この博物館のスパイ部屋は奥まったところにあり、気がつかない人もいるかもしれない。ここで内緒話など決してせぬようご注意…

ベルリンの壁
そして、「ベルリンの壁」なんぞおみやげに…

ところで、ベルリンの壁と言えばまともに現存するのはオスト駅前の「イースト・サイド・ギャラリー」だが、なんだか最近妙にアート化してしまった気がする。



博物館のその他の写真を Yahooアルバム にて公開しています。どうぞご覧下さい。





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Last updated  2006.08.24 07:04:37
コメント(7) | コメントを書く


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Re:ベルリン・東ドイツ博物館(08/24)  
poco a poco  さん
賑わっていますね~。
旧東独の人は懐かしいから賑わうんでしょうか?
統一前はよかった、ってよくお年寄りが言っていますよね。
それとも旧西独の人が違う世界を見るような気分で
賑わうんでしょうか?
なんとも不思議な感じですね。

そういえば旧東独マルクが隠してあったのよ、と
額縁にいれて飾っている友人がライプツィッヒにいます。
良いも悪いも、貴重な思い出なんでしょうね。
(2006.08.24 08:33:55)

Re[1]:ベルリン・東ドイツ博物館(08/24)  
poco a pocoさん
こんにちは。
平日(火曜日)でこの賑わいですから、休日はどうなのだろうと思います。場所的にも博物館島の隣だし…
来ている人々の眺め方を見るとどちらかといえば旧西独の人のように感じました。でも東にいたお年寄りは懐かしがっている人も多いでしょうね。
僕としても、こんな近くに少し前はこんなに違う文化があったことは不思議に思えます。 (2006.08.24 17:35:52)

Re:ベルリン・東ドイツ博物館(08/24)  
ayaya!  さん
これは、旧東に住んでいた私には、とっても行きたくなる博物館です!!
当時の小物類を色々と手にとって見れるなんていいですねー。
アンペルマンを筆頭になかなかカワイらしいデザインものも旧東にはあったりするのもまた興味深いですよね。
本当、ちょっと前まで、スパイに監視されて、こんな風に不自由な生活を強いられていた時代があったなんて信じられないですよね。
(2006.08.24 17:52:03)

Re[1]:ベルリン・東ドイツ博物館(08/24)  
ayaya!さん
こんにちは。
本当にとても興味深い内容でした。初めて知ることも多かったし、こんなことまで考えなかった…ということも考えさせられたりと多くを学んだ気がします。
アンペルマンもそうですが、商品のデザインもどこかかわいらしさがあるのは面白いです。
民間スパイのことは日本のテレビで見てある程度知ってはいましたが、こうして現物を見たりすると現実味を帯びた実感が湧いてくるものです。 (2006.08.25 00:04:52)

Re:ベルリン・東ドイツ博物館(08/24)  
rusf  さん
行きたいです~。
十数年前にドイツに行ったときはゆっくりする時間がとれずに、いつかは!!という気持ちです。
旧東ドイツには、旧西ドイツのフランクフルトと勘違いして、延々数時間列車の旅の果てについて呆然とした記憶が残っています(笑)
ベルリンの壁はお土産で是非欲しかったのですが、残念ながら、どこで手に入るのかが判らないまま帰国してしまったので、今回拝見していつまであるかわからないけれど、いつか行って手にしたいものです。 (2006.08.30 23:37:44)

Re[1]:ベルリン・東ドイツ博物館(08/24)  
rusfさん
こんばんは。
DDR博物館はベルリンの新たな名所と言ったところでしょうか。ベルリンは行っても行っても見るところが増えて困ります(笑)
僕も土産用のベルリンの壁は初めて見ました。どこかには売っていたのでしょうけど、どこかはわかりませんでした。とりあえず今ならまだ間に合いそうですよ…。 (2006.09.02 06:06:31)

Re:ベルリン  
映画「風の電話」に、上記の内容について記載しました。
もしよろしかったらaccessしてみてください。


(2020.03.24 18:24:17)

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