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2024.10.02
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2024年J1第29節​セレッソ大阪vsガンバ大阪の試合をヨドコウ桜スタジアムで観戦。1-0でセレッソ大阪の勝利。以下、レポートいたします。(長文で失礼します)

【戦術】
〈セレッソ大阪〉
攻撃では、3バックディフェンスラインとボランチ喜田と奧埜との連携したビルドアップから、右WB阪田と左WB為田がサイドを高く張ったうえ、右サイドは坂田と右シャドー北野と、左サイドは為田と左シャドーのフェルナンデスに、ボランチが加わって連携しながら、サイドチェンジを多用しつつ両サイドを攻撃の基点とし、時にFWレオセアラへのクサビのパスを交えつつ、サイドを基点としたパス交換からら左右のハーフスペース、さらにはポケット進出を狙って攻めていく。
守備では、ハイプレス時は3-4-3、ミドルプレス時は3-2-5、リトリート時は5-4-1を基調としてディフェンス対応していく。
(相手CK時はゾーン主体)

〈ガンバ大阪〉
攻撃では、ディフェンスラインとボランチ鈴木、ダワン(時にディフェンスラインに降りて)とのビルドアップから、右シャドーのウェルトンと左SB黒川が両サイドに高く張った上、右サイドはウェルトンと右SB半田、左サイドは黒川に左シャドーのファン・アラーノに、ボランチか連携して攻撃の基点となり、バイタルエリアなどに侵入するFW宇佐美や中シャドー山田が加わって数的優位を作り、サイドとバイタルエリアとのパス交換を利用して、ハーフスペース、更には両ポケットへの進出を狙って攻めていく。
ウェルトンと黒川が両サイドを張り、宇佐美、山田、ファン・アラーノの3人が連携し、半田ガチ右ハーフスペースに入ってゲームメイクに参画する2-3-5的システムへの可変もあり。

(相手CK時はゾーン主体でマンマークを加味)

【得点】
48分 西尾(セレッソ大阪)

【退場】
なし

【警告】
90分 倉田(ガンバ大阪)

【試合の流れ】
(前半)
セレッソは3-4-2-1システム、ガンバは4-2-3-1システムにて、この試合に臨む。
序盤から、セレッソがビルドアップからの数的優位を活かしながら、サイドチェンジを交えて両サイドを攻撃の基点とすることに成功して、試合を優位に進めていく。

セレッソは、両サイドへのサイドチェンジやフィードが有効で、ガンバの前線からのプレスを剥がして有効なビルドアップを組み立てていく。
これに対して、ガンバは、セレッソのビルドアップに対して、時より前線からのプレスを仕掛けていくが、セレッソの数的優位を活かしたパス交換により剥がされてしまい、4-4-2のリトリート対応を余儀なくされる。
その後も、セレッソは、28分に、左サイドに進出したフェルナンデスからペナルティエリアにてパスを受けたレオセアラガチ混戦の中シュートを放つも、GK一森の好セーブに阻まれてしまい、続く34分にも、左CB西尾から敵陣右サイドにてロングフィードを受けた阪田がペナルティエリアに向かって仕掛けながら放った右足のシュートはバーを超えてしまう。
一方、苦しい展開が続くガンバはビルドアップから、右シャドーのウェルトンと左SB黒川を両サイド高い位置に張らせたうえ、FW宇佐美、中シャドー山田、左シャドーのファン・アラーノのポジションチェンジしながら有効な縦パスを引き出そうとする(システム的には2-3-5または3-2-5)が、そのパスをセレッソのボランチ奧埜と喜田が固いディフェンスにより阻止して、さらには、前線からの執拗なプレスを仕掛けて、ガンバに有効なチャンスを与えない。
セレッソは、ロスタイムに入った45+3分に得たフェルナンデスの敵陣左サイドポケット付近でのFKは、またもやGK一森の好セーブに阻まれてしまい、前半は0-0で終了。


後半は、セレッソ、ガンバとも、システム変更や選手交代なく開始される。
後半も、試合の流れを掴んだのはセレッソで、すぐさまチャンスをモノにする。
セレッソは、48分に得たフェルナンデスの敵陣右ハーフスペースでのFKはこぼれ球になるも、右ペナルティエリア内でそのこぼれ球に反応した西尾がゴール左隅に流し込んで、セレッソが1-0と先制する。
その後も、セレッソが、50分に得たフェルナンデスの敵陣右サイドでのFKに、中CB田中ガチ頭で合わせるも、ゴール右に外れてしまい、57分にも、自陣左サイドでのカウンターから、フェルナンデスを起点として、サイドチェンジを受けた阪田からパスを受けた北野のシュートは、GK一森の正面を突いてしまうが、セレッソの攻勢が続く展開となる。
セレッソの攻撃に対して、リトリート対応を余儀なくされているガンバは、60分に選手交代策に出て、左シャドーのファン・アラーノから山下に替え、右シャドーの位置に山下、右シャドーだったウェルトンを左シャドーに配置して、ウェントン、山下のスピードをフル活用して、両サイドを基点として攻撃を仕掛けようとしていく。
そこで、ガンバは、ようやくチャンスを作り、62分に、左CB福岡から、敵陣右ハーフスペースに流れてパスを受けた宇佐美が仕掛けながら放った右足のシュートはゴール左に外れてしまう。
しかし、その後も、セレッソが両サイドを基点として攻撃を展開してガンバに試合の流れを引き寄せない。
セレッソは、66分には、敵陣に進出した進藤のミドルシュートはGK一森の正面を突き、更に71分には、自陣でのカウンターから、北野を起点として、敵陣左サイドにて、フェルナンデスとのパス交換からペナルティエリアに進出しながら放った右足のシュートは、GK一森の正面を突いてしまう。
試合の流れを変えたいガンバは、74分に、再度選手交代策に出て、中シャドー山田から坂本に、ボランチのダワンから美藤に替えて、坂本をFWに、宇佐美をトップ下(中シャドー)に配置して、右サイドは山下、坂本のスピードを活用したポジションチェンジ、左サイドはウェルトンを攻撃の基点とし、それらを宇佐美が組み立てていく攻撃を仕掛けようとする。
ガンバは、75分に得た宇佐美の敵陣ペナルティエリア付近右からのFKは、僅かにバーを超えてしまい、続く77分には、バイタルエリアに進出した宇佐美からスルーパスを受けた阪本がシュートを放つも、ゴール右に外れてしまう。
試合の流れを掴むかに見えたガンバは、81分に、自陣中央エリアでのカウンターから、坂本からの左へのサイドチェンジのパスを受けたウェルトンがそのままドリブルにて仕掛けて、対面の阪田を振り切って中に切れ込みながら放った右足のシュートはゴール右隅に突き刺さって、ガンバが1-1の同点に追いついたかに見えたが、ウェルトンのパスを受けた位置がオフサイドと判定されて、ノーゴールとなり、同点には至らない。
その後は、ガンバの両サイドを基点としたクロスを多用して攻撃を展開し、それに対して、セレッソは5-4-1の固いブロックを敷いて、ガンバの攻撃を跳ね返す展開が続くが、セレッソのディフェンス陣がガンバに決定機を与えず、セレッソが1-0と逃げ切って勝利。

【システム】
(セレッソ大阪)3-4-2-1(右から)
GK  キム・ジンヒョン
DF  進藤、田中、西尾
MF 阪田、奧埜、喜田、為田
シャドー 北野(85分 上門)、フェルナンデス(83分 カピシャーバ)
FW レオセアラ(80分 山﨑)
(守備時はハイプレス時は3-4-3、ミドルプレス時は3-2-5、リトリート時は5-4-1)

(ガンバ大阪)4-2-3-1(右から)
GK  一森
DF  半田(88分 岸本)、中谷、福岡、黒川
ボランチ ダワン(74分 美藤)、鈴木(88分 倉田)
シャドー ウェルトン、山田(74分 坂本)、ファン・アラーノ(60分山下)
FW 宇佐美
(守備時はプレス時は4-2-4または4-4-2。リトリート時は4-4-2または5-3-2)

【勝負の分かれ目】
セレッソが3バックを基調として数的優位を意識したビルドアップにより、ガンバのプレスを無効化して、両サイドを基点として試合を優位に進みたことと、奧埜、喜田を中心とした固いディフェンスにより宇佐美、山田に仕事をさせず、また阪田、為田のWBもウェルトン、山下の攻撃を封じたこと。

【まとめ】
セレッソは、3バックの利点を活用して数的優位を作りながら、高い両サイドの位置を攻撃の基点としたことにより、ガンバのウェルトンや山下らのサイド攻撃を防ぎ、また攻撃の核となる宇佐美らにも仕事をさせなかったことが勝因。
今日はフェルナンデスや北野のスペースへの飛び出しや数的優位を活かしたディフェンスなど3-4-2-1システムの利点がよく出ており、戦術的にも勝利。大阪の意地を見せた。

ガンバは、序盤から、セレッソのサイドチェンジやロングフィードによる両サイド奥を攻略されたため、ディフェンスラインが下げさせられる苦しい展開が続いてしまい、最後まで突破口を見出せなかった。
ウェルトン/山下の突破力や宇佐美の個人技に頼る場面が多く、チームとしての攻撃力をどのように向上させるかが課題。
この敗戦により、ACL圏内も厳しい流れに。




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最終更新日  2024.10.02 22:53:24


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