フットボール(サッカー)戦術研究

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2025.09.21
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2025年J1第30節​ 浦和レッズvs鹿島アントラーズの試合を埼玉スタジアムで観戦。1-0で鹿島アントラーズの勝利。以下、レポートいたします。(長文で失礼します)

【戦術】
〈浦和レッズ〉
攻撃では、4バックディフェンスラインとボランチ安居とグスタフソンとの連携したビルドアップから、両サイドへの展開、右は右シャドー金子と右SB石原、左サイドは左シャドーの渡邊(サヴィオ)と左SB長沼に、両ボランチが絡んで攻撃の基点となり、ハーフスペースやバイタルエリアに降りてくる中シャドーのサヴィオ、サイドやハーフスペースに飛び出すCF松尾を利用しつつ、時にサイドチェンジを交えつつ、ハーフスペース、更にはポケットへの進出を狙って攻めていく。 
守備では、プレス時は前線4人がプレス仕掛ける4-4-2、リトリート時は4-4-2を基調としてブロックディフェンス対応していく。
(相手CK時はゾーンとマンマークの併用)

〈鹿島アントラーズ〉
攻撃では、植田とキム・テヒョンの両CBとボランチ三竿と舩橋との連携したビルドアップから、両サイドを基点として、右サイドは右MFチャブリッチ(後半は松村)、左サイドは左MFエウベル(後半はチャブリッチ)が高く張って基点となり(時に4-2-4的システムに可変)、右サイドはチャブリッチと右SB濃野と、左サイドはエウベルと左SB小池に、ボランチやFW鈴木が連携してパス交換して攻撃の基点となり、時にバイタルエリアやハーフスペースに落ちてくるFWレオセアラや鈴木のポストプレーを交えつつ、ハーフスペース、更には両ポケットへの進出を狙って攻めていく。
守備では、プレス時は4-4-2基調、リトリート時は4-4-2基調でディフェンス対応していく。


【得点】
14分 鈴木(鹿島アントラーズ)

【退場】
なし

【警告】
55分 キム・テヒョン(鹿島アントラーズ)
75分 ホイブラーテン(浦和レッズ)

【試合の流れ】
(前半)
レッズは4-2-3-1システム、アントラーズは4-4-2システムにて、この試合に臨む。
まず最初にチャンスを作ったのはレッズで、敵陣右ハーフスペースでのファールにより得た3分に得た右シャドー金子のファー側を狙った左足のFKは、アントラーズGK早川の好セーブに阻まれてしまう。 

アントラーズは、レオセアラと鈴木の2トップを起点として、レッズのディフェンスラインやボランチ安居、グスタフソンに強烈な人的プレスを仕掛けていき、そのプレスにより先制に繋げる。
アントラーズは、14分に、レッズGK西川のCBホイブラーテンによるビルドアップにて、鈴木のプレスにより西川のパスが緩くなって、CBダニーロには渡らず、鈴木がそのパスを掻っ攫って、無人のゴールに左足で流し込んで、アントラーズが1-0と先制に成功する。
アントラーズは、チャブリッチとエウベルの両MFがサイドに高く張ったうえ、それに濃野と小池の両SB、ボランチ、鈴木が数的優位を作って、両サイドを基点として攻撃を組み立てていくのに対して、レッズはアントラーズのその攻撃によりラインが下がって4-4-2のリトリート対応をせざるを得なくなり、CF松尾によるライン裏やサイドへのスペース飛び出すを活用したカウンターを狙う展開がしばらく続く。
そして、アントラーズは、30分に、左ハーフスペースにてボール保持をしていたボランチ三竿からスルーパスを左ポケットで受けたレオセアラのシュートはバーを超えてしまう。
これに対して、なんとか局面を打開したいレッズは、シャドーの配置を、中シャドーのサヴィオを左に、左シャドー渡邊を中シャドーに変更したところ、左サイドにてサヴィオがフリーでパスを受けられるようになり、また渡邊もバイタルエリアでパスを受けられるようになるなど、攻撃の流動性が増して、試合の流れを引き寄せていく。

レッズ、また36分にも、GK西川からのロングフィードを敵陣左サイドにて受けたサヴィオがペナルティエリア左まで進出しながら出したグラウンダーのクロスに、ゴール前にフリーで進出した松尾が合わせるものの、わずかにタイミングが合わず、ゴール右に外してしまう。
レッズは、更に42分に、得たサヴィオの左CKから、敵陣左サイド奥にてパスを受けた左SB長沼がそのまま左ポケットまで仕掛けながら出したグラウンダーのクロスに、ファー側にてフリーで反応した右シャドー金子が左足で合わせるも、バーを大きく超えてしまい、再三の決定機を作るものの、ゴールが遠い展開となる。
これに対して、アントラーズは、レッズの攻撃に対して4-4-2のリトリート対応をせざるを得ない展開が続いていたが、ロスタイムの45+2分に、ようやく初めてのCKを得て、舩橋の右CKのこぼれ球にペナルティエリア付近で反応したCB植田のシュートは、CBダニーロにブロックされてしまい、前半はアントラーズが1-0とリードして終了。

(後半)
前半の終わりに、レッズのサイド攻撃によりラインを下げさせられていたアントラーズは、ボランチ舩橋から知念に、左MFエウベルから松村に替えて、松村を右MFに、チャブリッチを左MFに配置換えして後半に臨む。(この時点でレッズは選手交代やシステム変更なし。)
後半も最初にチャンスを作ったのはレッズで、46分に、敵陣左サイドでの展開からバイタルエリアでパスを受けたサヴィオのシュートはバーを超えてしまう。
一方、アントラーズは、両サイドを攻撃の基点としながら、バイタルエリアやハーフスペースに進出するレオセアラや鈴木へのクサビのパスを狙って試合の流れを変えようとする。
アントラーズは、53分に、バイタルエリアでレッズCBダニーロにプレスをかけたレオセアラがボールの競り合いでボール奪取したのを起点として、レオセアラからペナルティエリアに進出してスルーパスを受けたチャブリッチのシュートはGK西川の好セーブに阻まれてしまう。
しかし、アントラーズの攻勢は続かず、レッズは、57分に、右シャドー金子から小森に替えて、小森の1トップ、シャドーを(右から)渡邊、松尾、サヴィオを配置する形をとって、小森のバイタルエリアやハーフスペースでのポストプレーを活用しつつ、また右サイドを右SB石原や渡邊、左サイドはサヴィオが高く張って、両サイドからの攻撃を活性化させようとする。
しかし、アントラーズは前線からのプレスと4-4-2のブロックディフェンスを有効に使い分けて、レッズの攻撃を凌いでいき、レッズに得点を与えない。
そして、攻勢を仕掛けながら得点できないレッズは、72分に、サヴィオから関根に、グスタフソンから中島に、松尾からイサークに替える3枚同時交代策に出て、イサークと小森の2トップ、関根を右MF、中島を左MFとする4-4-2システムに変更して、イサーク、小森へのクサビのパスを活用したうえ、両サイド攻撃を活性化させようとする。
一方、アントラーズも77分に、レオセアラからブレーネルに替えて、ブレーネルとチャブリッチの2トップ、右MFを松村、左MFを鈴木に配置替えして、試合の流れを変えようとする。
しかし、その後も主導権を握ったのはレッズで、82分に、アントラーズの前線からのプレスをレッズのディフェンスラインがうまく剥がして、パス交換から中島がアントラーズのディフェンスライン裏を抜け出してそのままペナルティエリアまで進出しながら放った右足のシュートはGK早川がパンチングで弾き、そのクリアボールをペナルティエリア右で反応した石原のシュートも早川がパンチングで弾き出して、レッズの決定機をことごとく阻止する。
レッズが攻勢を仕掛ける中、ロスタイムに入り、レッズは90+6分に、両サイドでの展開から、バイタルエリアに進出したダニーロのミドルシュートはアントラーズにブロックされるも、そのこぼれ球を、ファー側でフリーで反応したイサークのシュートはまたもや早川の好セーブに阻まれてしまい、アントラーズが1-0と逃げ切って勝利。

【システム】
(浦和レッズ)4-2-3-1(右から)
GK  西川
DF  石原、ダニーロ、ホイブラーテン、長沼(81分 荻原)
ボランチ 安居、グスタフソン(72分 中島)
シャドー 金子(57分 小森)、サヴィオ(72分 関根)、渡邊
FW  松尾(72分 イサーク)
(守備時はプレス時は4-4-2基調、リトリート時は4-4-2)

(鹿島アントラーズ)4-4-2(右から)
GK  早川
DF  濃野、植田、キム・テヒョン、小池
ボランチ 三竿、舩橋(45分 知念)
MF  チャブリッチ(84分 津久井)、エウベル(45分 松村)
FW  レオセアラ(77分 ブレーネル)、鈴木(89分 小川)
(守備時はプレス時は4-4-2基調、リトリート時は4-4-2)

【勝負の分かれ目】
アントラーズが前線からのプレスを怠ることなく遂行したとともに、レッズの両サイド攻撃に対しても粘り強いブロックディフェンスを遂行できたことと、GK早川の再三の好セーブ連発。

【まとめ】 
アントラーズは、前半、前線からの強烈なプレスによりレッズのビルドアップにミスを生じさせて先制に成功して、プレスまたはリトリート時の強固なディフェンスにより逃げ切ることができた。
特に後半は、レッズの両サイド攻撃に苦しんだものの、早川やディフェンスラインが粘り強い対応でレッズに得点を与えなかった。この勝利は大きく、これで首位浮上。

レッズは、序盤、アントラーズのプレスに苦しみ、自らのミスにより先制を許したことが最後まで尾を引いてしまった。前半途中、サヴィオと渡邊をポジションチェンジするなどで試合の流れを掴み、後半試合を優位に進みながらも、アントラーズ早川の好セーブなどにより決定機を活かせなかった。
上位戦線から遠のく痛い敗戦。




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最終更新日  2025.09.21 00:27:31


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