フットボール(サッカー)戦術研究

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2025.10.12
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2025年J1第31節​栃木SCvs福島ユナイテッドの試合をカンセキスタジアムとちぎで観戦。1-0で栃木SCの勝利。以下、レポートいたします。(長文で失礼します)

【戦術】
〈栃木SC〉3-4-2-1基調
攻撃では、3バックディフェンスラインとボランチ藤原、吉野との連携したビルドアップから、右WB高橋と左WB川名がサイドを高く張り、右サイドは高橋と右シャドー中野、左サイドは川名と左シャドー棚橋に、ボランチが連携して両サイドを攻撃の基点とし、時にバイタルエリア等に落ちるFW太田のポストプレーを適宜利用しつつ、パス交換またはロングフィードを使って、ハーフスペースや両ポケットへの侵入を狙って攻めていく。
守備では、ハイプレス時は福島の両CBに対して前線2枚がマークすることを起点とするマンツーマン気味の4-1-3-2または4-2-2-2、ミドルプレス時は5-2-3基調、リトリート時は5-4-1を基調としてディフェンス対応をしていく。
(相手CK時はゾーンディフェンス)

〈福島ユナイテッド〉4-1-2-3基調
攻撃では、4バックディフェンスラインとアンカー由井と(時に)右MF城定、左MF狩野との連携したビルドアップから、右WG芦部、左WG樋口、FW矢島が頻繁にポジションチェンジしたうえ、右サイドは右SB安在と城定、左サイドは左SB松長根と狩野が連携して両サイドを攻撃の基点とし、バイタルエリアやハーフスペースに落ちる矢島へのクサビのパスを頻繁に狙いつつ、(時に)芦部と樋口が2トップとして振舞い(時に4-3-1-2システムへの可変?)、パス交換を主体としてハーフスペースやポケットへの進出を狙って攻めていく。
守備では、プレス時は4-3-3基調、リトリート時は4-1-4-1基調


【得点】
78分 太田(栃木SC)

【退場】
なし

【警告】
29分 藤原(栃木SC)
37分 狩野(福島ユナイテッド)
74分 平松(栃木SC)
89分 當麻(福島ユナイテッド)

【試合の流れ】
(前半)
栃木は3-4-2-1システム、福島は4-1-2-3システムにて、この試合に臨む。

しかし、福島も7分に、サイドからのクロスに、ゴール前に進出したFW矢島が右足で合わせるも、栃木GK川田の正面を突いてしまい、続く10分にも、右サイドでのカウンターからCB當麻のフィードに、敵陣右サイドで反応した右WG芦部がペナルティエリア内に切れ込みながら放ったシュートはゴール右に外れてしまい、更に13分にも、右サイドでの展開から、芦部と右SB安在とのパス交換を起点とペナルティエリア内で横パスを受けた矢島のシュートは、またもやGK川田の正面を突いてしまい、14分にも、矢島のスルーパスにバイタルエリアで反応した芦部のシュートは、これもGK川田の正面を突いてしまう。
福島は、ビルドアップから、矢島へのクサビのパスを基点として、芦部、左WG樋口とのコンビネーションを中心として攻撃を仕掛けようとする。
これに対して、栃木は前線からマンツーマン気味のハイプレスにより対抗していき、徐々に試合の流れを引き寄せていく。
栃木は18分に、右サイドでの展開から、高橋と右シャドー中野とのコンビネーションを起点として、バイタルエリアで横パスを受けた左WB川名のシュートは、福島GK上田にセーブされてしまう。
途中は、高橋と川名の両WBがサイドの高い位置で張ったうえ、時にFW太田のポストプレーを利用しつつ中野、棚橋の両シャドーとの連携からチャンスをうかがう一方で、福島は前線3人を起点としたプレスで対抗しようとする。
栃木は、まず33分得た藤原の右CKに、高橋がゴール前で頭で合わせるも、惜しくもゴール左に外れてしまい、次にGK川田のロングフィードに、バイタルエリアで反応した太田のシュートはGK上田の好セーブに阻まれてしまい、更に42分に得た藤原の左サイドでのFKに、ゴール前で中CB平松が頭で合わせるも、ゴール左に外れてしまう。
これら栃木の攻撃に対して、福島はリトリート対応を余儀なくさせられ、矢島へのクサビのパスにより活路を見出そうとするが、栃木の3CBによるタイトなマーキングにより有効な攻撃には繋がらない。
一方、栃木も攻勢を続けるものの、崩しの場面での精度が足りず、前半は0-0で終了。


栃木、福島とも選手交代やシステム変更なく後半開始。
後半も最初にチャンスを作ったのは栃木で、46分に、バイタルエリアにいた太田のポストプレーに、同じくバイタルエリアで反応した棚橋の右足のシュートはGK上田の正面を突いてしまい、続く49分にも、バイタルエリアにてロングフィードに反応した太田のシュートはまたもやGK上田の正面を突いてしまう。
栃木は、太田のポストと両サイドを基点とした右なコンビネーションを活かした攻撃により、福島のディフェンスラインを下げさせることに成功する一方で、ディフェンス時でもハイプレスを仕掛けようとする。
これに対して、福島は、矢島へのクサビのパスから芦部、樋口とのコンビネーションを活用して、押し下げさせられたラインを上げるとともに、アンカー由井らがボール支配率を高めるために、パス交換により栃木のハイプレスを掻い潜って試合の流れを変えようとする。
そして、最初に選手交代策に出たのは栃木で、60分に、左シャドー棚橋から五十嵐に替えて攻撃を活性化させようとする。

これに対して、試合の流れを変えたい福島は、攻撃時に孤立してしまう場面が続く中、64分に、FW矢島から清水に、芦部から森に、左MF狩野から吉永に替える3枚交代策に出て、前線を(右から)清水、樋口、森を配置して、前線のコンビネーションと、清水と森の両サイドからの攻撃により反抗しようとする。
福島は、66分に、敵陣右サイドでの展開から、右ハーフスペースでパスを受けた城定が中に切れ込みながら放ったシュートはGK川田の正面を突いてしまう。
しかし、栃木は前線、中盤からのプレスで福島の選手に厳しく対応し、プレスからのボール奪取でチャンスを作って先制に繋げる。
栃木は、72分に、バイタルエリアでのボール奪取を起点として、五十嵐がバイタルエリアから放った左足のシュートはバーを叩いてしまうが、78分には、敵陣左サイドでの展開から、川名の右足のクロスに、ゴールニア側にいた太田がマーカーを振り切ったうえ頭でゴール右隅に流し込んで、栃木が1-0と先制する。
先制を許した福島は、84分にアンカー由井から針谷に、88分には、樋口から粟野に替えて、前線を(右から)粟野、清水、森を配置して両サイドを基点として攻撃を仕掛けようとするが、栃木は厳しいプレスにより福島の攻撃の芽を積むとともに、84分に、太田に替わって投入された矢野の有効なクサビのプレーなどで、終始敵陣で戦ってリスク回避して、栃木が1-0と逃げ切って勝利。

【システム】
(栃木SC)3-4-2-1(右から)
GK 川田
DF  大森、平松、木邨
MF 高橋、藤原、吉野、川名(84分 福森)
シャドー 中野、棚橋(60分 五十嵐)
FW  太田(84分 矢野)
(守備時はハイプレス時は4-1-3-2または4-2-2-2、ミドルプレス時は5-2-3、リトリート時は5-4-1)

(福島ユナイテッド)4-1-2-3(右から)
GK  上田
DF  安在、藤谷、當麻、松長根
アンカー 由井(84分 針谷)
MF  城定、狩野(64分 吉永)
FW  芦部(64分 森)、矢島(64分 清水)、樋口(88分 粟野)
(守備時はプレス時は4-3-3基調、リトリート時は4-1-4-1)

【勝負の分かれ目】
栃木が前線からの有効な継続したハイプレスから、両サイドを基点とした粘り強い攻撃により、福島のディフェンスラインを下げさせて先制できたこと。

【まとめ】 
栃木は、前半からマンツーマン気味のハイプレスが有効で、幾度もボール奪取に成功して、福島の粘り強いディフェンスラインに手を焼きながらも後半の土壇場に先制することができた。
ただ、両サイド攻撃が有効に機能しながらも、崩しの時におけるクロスや縦パスの精度が高くなく、そのあたりが苦戦した要因で、その辺りを改善できれば、プレイオフ圏に入れると思える。

福島は、前半、ビルドアップからのパス交換やフィードにより、栃木のハイプレスを掻い潜り、矢島のポストプレーを基点として攻撃を仕掛けたものの、崩しのところでの縦パスやクロスの精度が高くなく、また後半も、栃木のハイプレスに苦労してボール奪取されたうえ、ラインを下げさせられて決定機を作ることができなかった。失点過多については自陣でいかにボール奪取されないかが重要。

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最終更新日  2025.10.12 18:49:12


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