「良い」とか「悪い」とか
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私は「信じる」という言葉は使わない。「良い」とか「悪い」という言葉も使わない。それが「宇宙」の一部なら、それは良いことだろうし、「宇宙」の一部でないなら、それは起こりえない。
ほかのものとバランスをとるものが存在するものさ。もしここになにかが動いてきたら、別ななにかがそっちに動いて、バランスをとる。これが私の見方だよ。社会に対してひどいことをした人なんて、私は知らない。まったく同じ状況のもとで生まれ育ったら、私だって同じようにしたかもしれない。だから、いかなることであれ、私は個人を攻撃しない。それは状況なんだ。あるやり方で行動するように状況を変えてやれば、もはや前と同じように行動しないはずだ。
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私は神の叡智をまったく確信している。
私たちはいかにものごとがデザインされ、自然がバランスをとっているか、ほとんど知りはしない。ときには蚊が異常に発生したり、別な年にはイナゴがたくさん出てきたりするだろう？それらはみんな影響しあっている。「良い」とか「悪い」じゃないんだ。それらは実際、相補的な、相い補いあうものなんだ。
自然は、直線的には進まない。実際には“波状に”進む。われわれの「仕組まれた非直線」みたいにね。自然は自己を実現するためにたりないものをデザインするという、重要な働きをもっている。もちろん、蚊だってある役目をもっている。ハエだってチョウだって、みんななにかの役目をもっている。自然は自分が生みだしたものでうまくいかないものがあれば、それを補ってうまくいくように、なにか別のものをデザインする。そして、自然はより豊かになっていくんだよ。
たとえばわれわれの惑星では、私たちは日光浴するだけでは必要な全エネルギーを得られない。けれど、私たちのためのエネルギーはすべて太陽から来ている。まず最初に、植物が太陽のエネルギーをつかまえる。そして光合成というプロセスで太陽光線を利用し、私たちにも使える炭化水素という、すばらしい分子をつくるんだ。
さて、太陽光線をつかまえるためには、葉っぱが太陽にさらされているあいだ、自分が吹き飛ばされないように、植物は根をもたなければならない。
また光合成をするためには、根から水をとらねばならない。水力学的に構造を保つ必要もある。それから、太陽光線を得て育つためには、根を張り葉を広げねばならないから、自分たちの種子を自分自身の影の外の、ある程度離れたところまで運んでやることも必要だ。植物たちは何千、何万もの種子を送りだし、それらは大気や水のなかを漂い流れていく。うまくいけば、他の植物の影からはずれ、うまく育つことのできる場所に行き着く種子もある。
しかし、植物は自分の種子を適当な場所に選んで植えることはできない。種子がすてきなところに植わるチャンスは少ないわけだ。それで自然はたくさんの“たね”をつくりだす。
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