マインドリーディングのすすめ

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2006.02.09

テーマ： ★留学生活★(629)

カテゴリ：留学－生活編

ちょっと前に紹介した Blinkって本 、すげー面白いです。

オーディオで聞いてるんで、なかなか進まなくてもどかしいのだけど、これは、書籍買って読む価値あり、と考えてる今日この頃。

人間が、一瞬で下す判断の害益を、いろいろな側面から語っているのだけど、「 マインドリーディング 」という章が特に興味深い。

2000年だっけ？に、自宅の前で4人の警官に何十発も弾丸を打ち込まれて殺された黒人の移民男性の話に始まり（後、「残念な事故」ということで、警官は無罪釈放）、

「ものすごく緊張している時に、相手の表情が読めなくなってしまう」

状態について説明している。

激しいカーチェイスの後など、異常な興奮状態に置かれた警官は、相手が銃を引っ張り出して引き金を引こうとしているのか、おびえきって意味のない動きをしているのか、といった、普段ならその人の表情を一目見れば分かるような「マインド」が読めなくなってしまうそう。

殺された青年の例では、家の前でリラックスして外の空気を吸っていたところ、いきなり4人の警官に囲まれ、あせって家の前に走っていき、身分証明書を見せようと財布を取り出したところ、この行動を「相手が銃をだす」と見誤って、パニック発砲が始まってしまう。

これを、筆者は、一番信用できるはずの「表情からのマインドリーディング」を、警官達の脳が拒否し、黒人、危険な住宅、夜、といった、他の情報による意識化にあるステレオタイプが先走りしたせいだ、と言ってる。

普通、相手の表情から感情をよむ脳の部分と、物を物として認識する脳の部分は違うのだそう。それが、自閉症の人なんかは相手の表情も「ただの物体」として認識するため、相手がうれしいとか悲しいとか怒っているとかいったことが、顔から読めないのだそうだ。

普通の人でも、極度の興奮状態になると、「一時的自閉症」になり、相手の表情が全く読み取れなくなってしまう危険があるそう。

と、こんな話だけど、「表情で自分の心の内をいかに表すか」といった部分が面白かった。ある学者は、こういった表情の一つ一つを研究して、「ここの筋肉がこう動く時には、こんな感情が働いてる」といった「顔の動きのコード化」を、3000種にわたって作ったそうだ（Pixar のToy Storyなんかにも、この情報が使われたらしい）。

これらを理解できれば、顔の動きだけで、相手の思っていることが大抵分かるようになる。

これ、映画なんか見てると分かるかもしれないけど、そんなに英語が分からなくても、字幕なしの映画を見終わった後、ほぼストーリーが理解できてる、って経験あるよね。会話している時の登場人物の表情、しぐさ、声の抑揚だけで、そのシーンで何が起こっているのかはわかる。

さらに、 音なしで映画を見て みても、会話は全然分からずとも、誰と誰が恋に落ちてるのか、誰が誰を憎んでいるのか、この2人は親子なのか近所の人なのか、なんてことは、わかる。これは、試してみてください。

他の要素（行動、声のトーン、表情）を上手く動員できれば、英語が出来なくても話し手を理解することは可能なのだ。

これが、「英語が出来ない」という不安を抱えたまま外国人に出くわすと、異常に緊張してしまい、「相手の言っている英語が分からない」っていうことにだけ脳が反応してしまい、普通だったら何の苦もなく解釈できるその人の表情の意味とかを、処理できなくなってしまう。

で、益々相手の言うことが分からなくなり、自分の表情もこわばって、相手がマインドリーディングするのを不可能にしてしまう...と、これは私のセオリーですが（笑）

例えば、留学先で、友達に"You talk funny."と言われる。相手は馬鹿にして言っているのか、愛情を込めて言ってるのか、真面目にアドバイスをしようと言っているのか、相手の顔を見れば分かるよね。

「会話の中に入っていけない」っていう留学初期の悩みって、こういった状態がほとんどじゃないかなあ。

こういう悩みを抱えてる人、人ごみでPeople watchingをしたり、映画を無音声で見たりすると、マインドリーディングのコツが結構分かるようになりますよ～。英語、っていうストレスから脱して、相手の顔をしっかり見て、マインドを読むチャレンジをしてみてはどうでしょう？？

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