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渋沢栄一の「論語講義」 中国古典の大家、守屋淳氏による現代語訳です。前訳著「論語と算盤」でも思ったのですが、渋沢栄一という人物は、当時西欧で不評だった日本人の「商売」を正当なものにするための根拠として論語の教えを説いたようです。さながら、マックス・ウエーバーが金儲けに通じる仕事を隣人愛の実現と説いたように。本書は講談社学術文庫で7冊もの分量になる渋沢解説を1冊の新書にまとめたもので、そのコストパフォーマンスは(時間と価格の両面から)素晴らしく高いものです。また、本書を読んで渋沢が今の日本人が忘れてしまったとルースベネディクトにまで指摘された「仁」の重要性を認識していたのには驚かされました。「仁」には様々な解釈がありますが、ひと言で言ってしまえば「愛」でしょう。ベネディクトは、当時の日本人は「仁」を捨てて「義理」や「忠義」ばかりを重んじるようになったと指摘していますが、「義理」や「忠義」も廃れてきた今日、「仁」を再認識することの重要性をひしひしと感じます。
2010.09.30
シンデレラ・ダイエット ご存じ、カリスマ・ストレッチ・トレーナーの勝本昌希さんの驚愕の1冊です。著者がストレッチ・トレーナーであることから、単に痩せたり体型を良くしたりする目的で書かれた本でないことは私も予想していました。 しかし、パラパラ読んで腰を抜かしたのは、今日では「大きな声で言えない男のホンネ」を思いっきり鷲掴みにしつつダイエットをしていくという部分です。掃除や炊事が上手で料理が上手というのは、いつの時代も男性が女性に求めて止まない理想です。いくらスタイル抜群の美女でも、家や部屋が散らかりっぱなしだと多くの男は引いてしまいます。 本書のすごいところは、このような日常的な掃除や炊事に一工夫加えるだけでストレッチ→ダイエット効果が出るという、まさに一石二鳥を実現できる点にあります。 女性だけでなく、男性にとっても日常家事を行いながら「お腹」をヘコませることができればうれしいですよね。不精者の私でも実践したくなる内容満載の超オススメの1冊です。
2010.09.29
【予約】 超合格法 楽天ブックスでも「超合格法」の予約が開始されました。本書は、実績や結果がないと上のステージに上がれないわが国の現状に鑑み、入学試験、資格試験、TOEIC高得点獲得など、広い意味での合格獲得に焦点を絞っています。 誰もが、目標に向って正しい方向で努力をし、それを本試験で100%とはいわなくとも70%出すことができればどんな試験でも合格できます。努力の方向性を示し、努力の結果を本試験で最大限に発揮するための最も効果的な方法論を明確に提示しますので、誰にでも実行できます。
2010.09.26
尖閣諸島をめぐって中国との関係がギクシャクしています。中国側は極めて強気である意味「言いたい放題」「したい放題」なのに、日本政府は「遺憾」というお決まり文句を並べるばかりです。ついに、国内で海上保安庁に船をぶつけて逃走したという中国人船長を、「かの検察」が処分保留で釈放しました。 私はいつも思うのですが、尖閣諸島にしても竹島にしても、領土問題で揉めている事案については国際司法裁判所での審理を相手国に要求すべきではないでしょうか?国際司法裁判所は両国の同意がなければ審理が開けませんので、日本は堂々と「同意をして下さい。どうして同意しないのですか?」と声を大にして主張できるはずです。この主張は極めて正論であり、国際世論も正論を堂々と主張する日本を「大人の国」として扱い、同意せずに文句ばかり言っている国を「子どもの国」と扱うはずです。政府がこのような正論で戦わないのは、国民としては極めて遺憾なことです。
2010.09.24
昼食時、なにげなく押尾学被告人の判決について報道しているテレビ番組を見ていた時でした。確か、スタジオコメンテイタ―ともう一人の法律専門家(スタジオにいたか否か、法曹資格者だったのかどうかは記憶が曖昧です)が、押尾被告人が執行猶予にならなかった代わりに未決勾留日数を多めに算入したという意見を述べていました。 私はこれを見て、刑法が知らない間に改正されたのではないかと不安になりました。なぜなら、押尾被告人は覚せい剤使用の罪で執行猶予中ですので、再度の執行猶予が付されるには、第一に1年以下の懲役又は禁固の言い渡しを受け、第二に情状に特に酌量すべきものがあるとき、と刑法25条2項に規定されています。本件で、押尾被告人は2年6月の懲役刑を言い渡されていますからそもそも第一の要件すらクリアしていません。また、本件の事実認定が正しいと仮定すれば第二の要件もクリアしていないのは明らかでしょう(あくまで裁判所の事実認定が正しいと仮定してのことです)。 このようなケースで「執行猶予云々」をコメントするのは専門家として明らかに勉強不足でありましょう。誰もが裁判員として法壇に座らねばならない今日、テレビの影響力を考えると正確な情報提供が必須と言えるでしょう。
2010.09.22
来月発売予定の拙著「超合格法」の予約がアマゾンで始まりました。早くもランキングで680位(本ブログを書いている時点)にまでなっていて、私自身驚いています。 実は、本書は9月に出版したかったのですが、あれこれ手間取ってしまい1ヶ月ほどずれ込んでしまいました。この勢いでいくと、発売即欠品という過去のイヤーな思いでが頭をよぎります。特に、小6、高3のように残された期間が少ないと「欠品」はかなり痛手となります。その上、ダイヤモンド社から出版するのは今回が初めてですので、初版部数は未定ながらそう多くは期待できません。アマゾン順位がキャンペーンなどの影響で出版社の判断基準にならなくなっていることを併せ考えると、お急ぎの方はできるだけご予約いただきますようお願い申し上げます。年明けの受験を控えた受験生にとって数週間の空白はあまりにも大きくなってしまいます。逆にお急ぎでない方は、できましたら残り時間の少ない受験生に優先順位を譲って下さいますようお願い申し上げます。もちろん、ご予約いただければ確実に入手できますが、本ブログを見ていない「急ぐ受験生やその保護者の方々」もたくさんおられますので、事情をくご斟酌下さいますよう切にお願い申し上げる次第であります。
2010.09.18
最近の週刊誌上では、女性(特に中年以上の年齢)の一種の解放運動が報道されています。どういうことかと申しますと、それまでは女性(特に中年以降の女性)が性の喜びを求めることがタブー視されてきたけど、そのような規範で自分自身を縛る必要はない、もっと自分に素直であればいい、というような内容です。私のところにも、この風潮について某雑誌から取材がありました。 率直に言ってしまえば、他人に迷惑をかけない限り自分自身を規範で縛る必要はないというのが私の見解です。性に関する情報は一昔前はまさに「統制」されており、私も含め中年以上の年代はほとんど無知な人間が多数派だったように思います。 女性たちは自分自身に絶頂感があるということすら知らず、いまだに「迷信」や「演技」であると信じている人もたくさんいるようです。神さまが、出産の苦しみと生理の辛さの代償として男とは比べものにならない絶頂感を女性に与えたとしたら、それを無意味な規範で捨ててしまうのはあまりにももったいないと男性である私は思ってしまいます。 もっとも、このような考えが最近の風潮であるという点については若干異議があります。法律事務所のドアを叩く人たちの話を詳細に聴いていると、実行している人は昔から実行しており、単にそれを夫や世間が知らなかっただけというケースはたくさんありました。つまり、潜在化していたものが最近になって顕在化してきたのであって、決して新しい風潮ではないのではないかと思っています。 ぶっちゃけて言ってしまえば「バレなければなかったのと同じ」で、女性はバカな男性と違って極めて巧みに隠してきたということかもしれません。 このような風潮が広がっても、調子に乗って「バレテ~ラ」になってしまうと取り返しが付かないことになりかねませんので、流行に乗ろうと意気込んでいる女性のみなさんはくれぐれもご注意下さい。
2010.09.16
私のオフィシャルWEBhttp://www.masahiko-shoji.com/の「講演・執筆・お問い合わせ」フォームからのご連絡が、何らかの原因で私あて回送されてきませんでした。おそらく今春ころからだと思います。もしご連絡いただいた方がおられましたら心からお詫び申上げますと共に、今まで失念していた私自身深く反省する所存であります。
2010.09.13
このところ、アメリカで「9・11」の現場近くにイスラム教のモスクを建てることに反対する行動が起こっています。反対すること自体は各人の表現の自由ですが、それが過激な行動に結びつくのは考えものです。コーランを焼くと宣言したキリスト教の牧師がいましたが、そんなにイスラム教が気に入らないのならこっそり自分で焼けばいいのではないでしょうか?いたずらに世論を騒がせる本人やマスメディアが問題を大きくしてしまっています。 そもそもテロリストとイスラム教徒は別物であるという認識が、多くのアメリカ人には欠けているのではないかと思ってしまいます。全米でイスラム教徒は人口の25%くらいを占めると聞いたことがありますし、中東産油国の人々の多くはイスラム教徒です。テロリストがイスラム教徒であったからといってイスラム教を憎むのは「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」と同じ発想で、罪のないイスラム教徒にとってははなはだ迷惑な話でしょう。 日本では、北朝鮮政府に国民を拉致されるというとんでもない犯罪行為が起こっても、北朝鮮の一般人まで憎んだりしませんし、ましてや北朝鮮が信奉している共産主義に対する大々的な反対運動は起こりません。アメリカは自由の国だとよく言われますが、自由というものをはき違えている輩が多数存在すると言う意味で「自由のダークサイド」も非常に強い国だという印象を持ってしまっています(あくまで報道で知った範囲ですので現実は異なるかもしれませんが)。
2010.09.11
フューチャー・イズ・ワイルド ダイヤモンド社の土江編集長にいただいた本です。2億年後なんて自分は生きていないから関係ないや、と思われる方がほとんどだと思います。しかし、かつて私が堀紘一氏の著作を愛読していたとき、氏の著作には頻繁に「哲学」「生物学」・・・の学習をすることがビジネスには欠かせないという趣旨のことが書かれていました。 生物学は進化論的に考え、ビジネス環境の進化を考える上で役に立つということだったと記憶しています。本書は、2億年後に至るまでの地球の変遷を、科学の専門家チームが「未来の動植物が現在の動植物と同じような物質でてきている」という前提の下で緻密に描いたものです。当然のことですが、この前提が異なってくれば本書の予想は大きく変わってくることでしょう。 ビジネス環境を予測する場合も同じで、どれほど緻密な予想を立ててもその大元となる大前提が異なってくれば予想も外れてしまいます。つまり、よって立つ大前提が「いったい何であるか?」「その前提とは異なる前提は存在しないのか?」ということを常に念頭に置いておく必要があります。 本書の中身からそれてしまいましたが、本書は想像上の生物などが美しく描かれており、気分転換や新しい発想を生み出したいと時にパラパラと見るのには最適の書と言えるでしょう。
2010.09.10
私の近所は小さな地下鉄の駅があるだけで、人通りもそれほど多くなく自転車で買い物をする人たちがたくさんいます。今日、たまたま外に出たら、通行の邪魔ににならないところに道路の端にピッタリと寄せて止めてある自転車にことごとく「赤紙」が貼られているのを見て唖然としました。こんなところで紙を貼っていく人の人件費と紙代だけでも大変な税金のムダ使いです。 数年前、私が自転車を駐車しようとしていたときに「上から目線」で怒ったように注意してきた人物がいたので、所属と名前、そして公務員OBか否かを尋ねたら、何も答えずに行ってしまいました。買い物から帰ってきたら、私の自転車にしっかり「赤紙」が貼ってあるのには、ただただ呆れるばかりでした。 それ以外にも、およそ民間企業では考えられないような税金の無駄使いが、特に東京23区内ではまかり通っています。私の大好きな外豪公園も赤い三角柱のプラスチックやら無粋な囲いばかりで、景観を楽しむことができなくなって久しいです。 財政再建を政府が掲げるのであれば、まずこういうところから改善していくべきではないでしょうか?東京都だけでも、毎日膨大な無駄な税金が垂れ流されているのです。全国で一律にこのような悪しき行政慣習を止めれば、あっという間に財政再建が図られると言っても過言ではないでしょう。 私個人としても、体を壊す前に必死で働いて真面目に収めた多額の税金が、このように無駄遣いされることに我慢なりません。現在、執筆などと蓄えの取り崩しで生活していることを思うと、「収めた税金半分でも返せ」と言いたくなる気分です(>_<)
2010.09.09
今日、もの凄く久しぶりに紀伊國屋書店本店に行ってきました。今までなら、週に1回は大型書店に行かないとどうにも落ち着かなかったのですが、あまりの暑さに書店にすら行く気がなくなっていた自分が情けないです。大型書店は本当に脳の刺激に最適です。自分の専門分野以外のフロアも見て歩いて、時代のトレンドを感じるなど新しい発見をすることができ、1時間くらい回ってくると脳が思いっきり刺激を受けたのを実感できます。 今日行って感じたことは次のような点でした。1 書籍のランキング本が長期間ほとんど変わっていないこと。2 ランキングにも入っていないのに、取り次ぎが喜びそうな著者が中途半端に出ている本がやたら目立ったこと。3 「13歳からの法学部入門」がなかったこと(笑) まあ、3はともかくも、1と2は書籍市場の大激震の予兆を感じさせるものでした。1は、まぎれもなく「売れる本」が出なくなったということです。もしかしたら、出さなくなったのかもしれません。宮部みゆきさんの新刊が今やiPadで動く挿絵つきで安価で読めてしまうのですから、出版社も紙媒体で出版するのに躊躇しているのかもしれません。2もそれに関連します。取り次ぎが好む著者の本であれば返本と相殺でき、出版社がキャッシュプアーになることだけは避けられますので、何でも出してしまえという一種のヤケクソともいえるのかもしれません。 これは、出版社各社が、もしかしたら一気にデジタル書籍に移行する準備を進めている兆候ではないでしょうか?しかし、デジタル書籍が常に使い勝手がいいとは限りません。iPadは重くて目が疲れます。その点、キンドルは洋書を買うよりずっとお値打ちです。 また、紙媒体とデジタルとのスムーズな移行ができないと、破綻する出版社が増える一方、新たなビジネスチャンスも生まれるのではないでしょうか? 現場第一。特に久々の現場では、変化がわかりやすくとても参考になりました。
2010.09.07
ツイッターが今大流行です。私は、フォローしていただいた方々全員の経歴等を拝見し、基本的に全員にリフォローしています。だからといって、その方々全員と懇意になったという気はしません。おそらく、多くのツイッター利用者もそうでしょう。 中には、フォロワーが増えただけで自然に仕事がやってくるかのような幻想を持っている方もおられるのではないでしょうか?しかし、よくよく考えてみて下さい。私なんぞ、所詮3000人程度の方々からフォローいただいているのに、フォローしてくれる方の自己紹介を全部読むだけでも大変な時間を要しています。何万件ものフォロワーをお持ちの方々が、フォロワーの一人一人の略歴などを見ている余裕はないのではないでしょうか? 私は思っています。ビジネスチャンスは誰でもできることからは生まれず、誰もが(もしくはほとんどの人たちが)やらないことから生まれるものだと。私は自分のような人間をフォローしていただいた人たちに感謝の念を込めて一人一人の経歴や紹介文を全部拝読しています。 私自身、その程度は礼儀の一つであって、それだけでビジネスのきっかけができるなどと大それた考えはもっていません。ツイッターへ参加されたみなさんのそれぞれのご事情なりを拝見するだけでも、様々な人生模様や経営模様が何となくわかり、とても感謝しています。 そこからビジネスチャンスが生まれるのであればその時考えるとして、多くの出会いを嬉しく思っています。 「ツイッターをやればビジネスに大きくプラスになる」などとのたまわっておられる方は、そういうことを書いた書籍の印税収入で富んでいるのではないでしょうか? せっかくのツール。どのように活用するかはみなさんの個々の事情によって全く異なってきますし、ひとひねりふたひねり考えてみてはいかがでしょう。 おそらく、数人に一人くらいは私のようにフォロワーの経歴等をしっかり見ているはずですから。間違ってもヘンな使い方をすると回復不能のダメージを受けることも覚悟しておいた方ががいいでしょう。
2010.09.06
押尾学被告人の裁判が始まりました。この事件については、以前もこの日記で書いたように私は大きな疑問を持っています。 まず、押尾被告人は覚せい剤使用の罪で既に有罪判決が出ています。一緒にいた女性の死亡についてもこの時点で明らかになっていましたので、捜査機関としては女性の死亡についても同時に取り調べて起訴すべだったはずです。覚せい剤使用で有罪判決が出てから、その行為と極めて近接している女性の死について保護責任者遺棄致死罪で改めて押尾被告人を逮捕し、取り調べて起訴するのは、押尾被告人を「二重の危険」にさらすもので、現在の刑事訴訟法上多いに疑問があります。 通説、実務は、2つの行為の間に「公訴事実の同一性」が認められれば再逮捕、再基礎できないとしています。その基準として用いられるのが、Aという行為とBという行為が両立すれば「公訴事実の同一性はない」、両立しなければ「公訴事実の同一性がある」というもので、具体的には他人をナイフで刺したという1つの行為について殺人と傷害致死は両立しないので、公訴事実の同一性があると認められます。 確かに、覚せい剤の使用と、女性が同じ薬を飲んで容体が変わったのを放置していたというのは物理的には両立する事実ですので、理論状は公訴事実の同一性は認められません。しかしですよ、もし、あなたが車でAさんに軽い怪我を負わせて逃げたものの、後で後悔して自首したとしましょう。道交法をとりあえず無視してすすめますと、事故後Aさんが暑い道路に横たわっていたため熱中症で死亡したとしましょう。あなたが自動車運転過失致傷で判決を受けた後、保護責任者遺棄致死罪でもう一回逮捕されたら「ふざけんな」と言いたくなるでしょう。事故の裁判の時に、Aさんが熱中症で死んだことも全て明らかになった上で判決が下されたのですから。 このように、捜査・起訴が1回で可能であった事件で、判決が出てからもう1回逮捕・起訴したのでは、明らかに被告人に不利益で「二重の危険」にさらされていると判断できるでしょう。 また、女性の容体が悪化した時に119番通報をすれば助かったということを、検察側ははたして立証できるのでしょうか?今日の救命病棟の多忙さは、健康な妊婦をたらい回しにして死に至らしめてしまうほどなのです。「助かったはず」という「もし・・・だったら~できたはず」という仮想的判断は、刑法理論で御法度だったのではなかったでしょうか? 更に、自分自身の犯罪の発覚を恐れて逃走したり、証拠隠滅をしても処罰されません。これは、人間に底まで期待するのは無理だという期待可能性がないからだということからです。一定の親族関係にある犯人を、逃がしたりその証拠を隠滅しても処罰されないこととのバランスからしても当然のことでしょう。 本件では、押尾被告人が「119番通報すれば確実に命を助けることができる」と認識し、自らの犯罪発覚を覚悟の上で119番通報するという、期待可能性という見地から相等な無理を強いています。 この裁判を見ていて、群集心理によって私刑にされてしまう哀れな人間を想像するのは私だけでしょうか?
2010.09.04
弁護士が書いた究極の法律力 ご存じ、木山泰嗣先生の「弁護士が書いた」シリーズの最新刊です。とてもわかりやすい文章で定評のある先生が、今回は身近な民事事件について具体的に書かれた本です。「まえがき」の法律相談は、弁護士として本当によくある事例で、思わず「うんうん、こういうのたくさんありますねえ」と頷いてしまいました。 本書は、様々な契約について平易且つ詳しく書かれた類を見ない良書です。拙著「法律力養成講座」とは全く異なり、多くの一般の方々やビジネスパーソンが普段から疑問に思っている「契約の不思議」を、先生独特の飽きさせない語り口で説明がなされています。 「法律を読む技術・学ぶ技術」が、元法制局キャリアが官の立場から書かれた本だとすると、本書は個人や企業経営者の中に潜む悩みや疑問に応えるべく書かれた書籍と言えるでしょう。法律を読む技術・学ぶ技術第2版 契約は民事法の大きな要です。ロー生や法曹志望者にも強くお勧めします。
2010.09.02
27歳知識ゼロからの25分でわかる決算書入門 「目から鱗が落ちる」とは、本書を読んだ最初の感想です。そして、まぎれもなく本書は「最強の会計本」でしょう。 私も法律の本を書くとき、いつも迷うのはどこまで省けばいいのかということです。「法律力入門講座」では大人のために思いっきり省き、「13歳からの法学部入門」では子どものために歯ごたえ十分な内容にしました。子どもにこそ、歯ごたえのある本で真面目に考えて欲しいと願ったからです。 それにしても、この吉澤先生の本。会計を仕事で使うことが少ないのに何故か会計学の学習をしてしまっているビジネスパーソンへ向けの本という触れ込みです。おそらく、吉澤先生はそのつもりで書いてそのつもりで出版されたのでしょう。しかし、本というものは著者の意図を外れることが往々にしてあります。本書は、いい意味で著者の意図を外れ、それ以上の本に仕上がった好例でしょう。 本書のすごいところは、細かな枝葉を大胆に削ったがため幹がはっきりと見渡せる用になっているということでしょう。しかも、極めてわかりやすい表現で。 私自身、会計学を学びましたし顧問先企業の経営状況やその他の企業の経営分析のために会計学や財務分析の手法を実務で使ってきました。ですから、多少なりとも腕に憶えがあるつもりです。 その私が、本書を読んで「これだけ知ってれば実際に使う人でも十分だ。細かなところは頻繁に変更されるのでその都度調べる方がいい」と思いました。つまり、本書だけしっかり読んでおいて、後は事例ごとに調べればいいのです。 素人の方で25分で読めるのですから、翌日2度目として15分で読み、1週間後に15分で読めば、あなたは既に会計の専門家になっているはずです。 P.S. 知識を定着させたいのなら1ヶ月後にもう一度本書を開いて下さいね。
2010.09.01
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