7月3日(月)新宿シネマスクエアとうきゅうにて
昭和35年、 革命前夜 を思わせた安保騒動も、6月15日の自然成立を経て沈静化しました。
史上最悪の保守反動政権だった岸内閣は退陣、あとを継いだ池田内閣は、 「寛容と忍耐」 をモットーに、ひたすら経済優先、所得倍増政策を打ち出し、ここから日本の 高度成長 がはじまったのです。
現在、日本は 世界第2の経済大国 ですが、いずれその地からごく近いうちに転落するでしょう。日本経済を支えていた 金融資本主義 と、一握りの大企業と大多数の中小企業による 二重構造 が崩壊したからです。
もうひとつ、労働者の拠り所だった 終身雇用と生涯賃金 といセーフティガードがなくなったことも、国力の衰退化を招いています。日本を滅亡させる少子化問題は、 雇用と賃金 の安定が失われたことに起因している、といっても過言ではないでしょう。
本作は、高度成長が端緒についた時代、日本がもっとも 希望に充ちていた時代 を背景に、単身国家権力に挑んだ一人の経済戦士を主人公にした映画です。企業小説の第一人者、 高杉良 の原作を基にしていますから、実話です。
監督=森川時久。出演=滝田栄、松坂慶子、三田村邦彦、夏八木勲、北村和夫、田山涼成、中村梅雀ほか。
中小企業を救おうと奔走する税理士と、それをつぶそうとする国税局。 個人と国家権力の戦い ですが、公害訴訟などと違って、原因は個人の資質に負っています。主人公は信念の人であり、個人の利益を超越した人物として描かれています。
現代ではほとんど失われた 人間像 です。敵対する国税局は、典型的な官僚集団として描かれています。構図は図式的ですが、 事実は小説よりも奇なり ですから、面白さはまあ保証できるでしょう。
古きよきニッポン 年輩の方々 でした。私もその一人です。失われたニッポンを懐かしみました。
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