外国映画の刑事物を観ていて時々感じるのは、警察の取り調べが実に荒っぽい、ということです。
暴力的、というのではありません。尋問の仕方が、 被疑者=犯人 と決めつけている節がうかがえるのです。
アメリカの場合は、逮捕時に権利を読み上げます。これをしないと不当逮捕になり、公判を維持出来ないばかりか、釈放を命じられてしまうからです。逮捕の入り口は民主的ですが、取り調べはかなり 強権的 、といえるのではないでしょうか。
容疑者が著名な弁護士で慈善家、警察本部長の友人であっても、事情は変わりません。ベテランの署長が自ら尋問し、追いつめていく過程は、 冷酷無比 、といった感じのものでした。
2000年アメリカ映画。監督=スティーブン・ホプキンス。出演=ジーン・ハックマン、モーガン・フリーマン、モニカ・ベルッチ、トーマス・ジェーンほか。
舞台はプエルトリコの町サンファン。お祭りの当日、少女レイプ殺人事件の容疑者として、第一発見者のハースト( ジーン・ハックマン )が任意出頭を求められました。尋問に当たったのは署長のベネゼー( モーガン・フリーマン )と若手のオーエンス刑事( トーマス・ジェーン )の二人。
ハーストは著名な弁護士で町の名士でした。若く美しい妻シャンタル( モニカ・ベルッチ )と二人暮らし。が、ハーストの供述は一貫しません。署長に矛盾点をつかれると、そのたびに陳述が変わるのです。
映画は、ほとんどが警察の取調室で進行します。 一幕物の舞台劇 のような展開、といってもいいでしょう。カットバックで回想場面が入るのですが、とても短く、また特異な手法が用いられています。この監督、かなりのテクニシャン、と見ました。
尋問の過程で、弁護士と妻との生活が暴かれていきます。二人は 仮面夫婦 でした。寝室は別々で、その間には12メートルの廊下があり、妻の部屋は 開かずの扉 。充たされない欲望のはけ口を、初老の弁護士は少女に求めたのでしょうか。
一種の室内劇ですから、観客の興味をつなぐのは、役者の 演技力 にかかってくるでしょう。その点で、ベテラン二人の男優は、申し分ありません。見事にその重責を果たしています。
モニカ・ベルッチ。この作品のときは30代前半でしょうか。 色白、巨乳、女盛りの肉体 、と実に魅力的です。現代では最高の美人女優でしょう。ただ、いつも添え物的役どころばかりなのが残念です。
オチはありますが、 想定の範囲内 でした。ただし、あまり明るいものではありません。暗澹たる気持ちになるでしょう。映画に純粋な娯楽を求める人には、向いていません。 名優の対決 に興味がある人のみ、お薦めします。
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