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2009.10.09
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カテゴリ: box
ダイニングとリビングに通じるドアを開けて、俺は、、、思わず立ちすくんだ。

暗闇の中には、ミリ。
ヒロトが死んだ場所の下に立ち、見上げていた。

俺の気配に気づき、ミリは、こちらを見る。
とっさに声も出ない俺に、ミリは言う。
「ケースケ」
ぼんやりと何かを考え込んでいた場所から、自然と戻ってきたような表情で。
そして、ゆっくりと表情をかえ、続ける。
「おかえり~」

俺は、息を吐き出してから、とりあえず言う。いつものように。
「ただいま」
そして、急いで、ミリのそばに行き、頭と腰に手をかけて、抱き寄せた。
ミリは、俺の胸に小さくため息をついてから、ぎゅっと頬を胸に押し付けてくる。
素直なミリ。おとなしいミリ。
俺は、急速に不安になって、慌てて電気のスイッチを押す。明かりのともる部屋。
「何してんだよ?電気もつけずに・・。こんなとこ、見上げて」
ミリは、少し、カラダを引こうとするが、俺は、手に力を込めた。
「・・・何もしてないよ。」
あきらめて俺の胸の中にいるままで言うミリ。
「何もってことないだろ?」

「だね。・・多分、、、ヒロトのこと思い出してたの」
命日のこと、思い出す俺。また揺れている・・・?
「・・・また、ヒロトのとこに行きたいって?」
「まさか。そんなこと思わないよ。ただ、ここで死んじゃったんだなって思ってただけ」
俺は美莉の後ろ髪を撫ぜながら聞く。

「え?」
「なんでそんなこと思うんだよ?」
「いけない?」
「・・気になるよ」
「・・ただ、思い出しただけだよ。心配しないで」
ミリは俺の胸を押して、顔を上げ、笑顔を見せる。
「心配、、するよ。」
気弱に言う俺に、ミリは、いつもどおりの笑顔で、
「なんでよ~?気にしすぎだよ。ほんとに何でもないってば」
屈託なく言うミリ。
「なあ、、まさか、死のうなんて・・」
「まさか」
即否定のミリ。確かに、、見つけたときも、緊迫した空気ではなかったけれど。
「ほんとに?」
「うん。死にたくなんて、、ない」
微笑んで言うミリ。俺は、瞳を覗き込んで、
「そっか。信じていんだな?」
問いかける。そして、その問いに、

「うん。生きてたい。ずっと」

と小さく答えた、ミリの本気な目。

俺は、その言葉に、やっとほっとしたんだけれど。

その時の俺には、本当の意味が全く見えてなかったんだ。

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最終更新日  2009.10.09 01:19:11
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