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2009.10.31
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カテゴリ: box
「悠斗」
ふわりと優しい声。そして、笑顔。ドアを開けて、その二つを同時に受け取り、俺は、一瞬で、心が溶けそうになる。足を踏み入れながら、
「ただいま、、っじゃないや。え~と、こんばんは。お邪魔します」
冷静を装おうとして、失敗。いつもなんて言っていいかわかんなくなって、出だしがしどろもどろになる。楓は優しく笑って、
「おかえり、悠斗。お疲れ様」
って言ってくれる。あ~疑似体験。一緒に住んでるわけじゃないけど、いつかはきっと、って思っちゃうよな。
「ただいま」
もう一度今度はきちんとそういって、楓に、背中に隠していた小さな花束を渡した。楓は、満面の笑みになって、
「うわ~っ、キレイ。ありがと~。いいの??」

「嬉しい、あ、あがってあがって」
俺の手をとり、導く楓。俺は楓に手を取られたまま靴を脱いだ。楓は、そのまま奥に進もうとするけれど、やっぱりさ、俺としてはしたいことがある。2人の間で伸びた手にゆっくりと力を込めて引き止める。振り返った楓。こちらにしっかり向く頃には、楓にも意味が分かったようで、抱き寄せられながら、ゆっくりと目を閉じた。静かに静かに重ねる唇。この感触。あぁ、サイコー。体中から疲れが去っていく感じだ。ただ、キスだけで、なんでこんなに癒されるんだろう。愛の力ってすごい。
ゆっくり離れると、少し上気した顔で、俺を見上げる楓の潤んだ瞳。
たまんね~。いっそ、最後まで、、、。
って、思ってしまっても、さすがに、来ていきなり押し倒すわけにもいかないし、俺は、気を引き締め、ただ、微笑んだ。楓も、照れたように微笑んで、一緒に奥へのドアを開けた。

「お腹は?」
ソファに座った俺に、カウンター越しに声をかけてくれる楓。
「空いてないよ。ありがとう」
「そう。じゃあ、何飲む~?」
聞く楓に、
「ワインもらう」

「泊まってい?」
恥ずかしそうに、うなずいた楓は、ワインを開けて、ワイングラスを一緒に持ってきた。軽く乾杯してから、オレは、テーブルに立てられた写真に気づく。
「あ、これ、この間の?」
「うん」
楓の実家の庭でフジシマくんに撮ってもらった写真だった。俺と楓、そして、俺の妹の瑞希。

俺はもう一度写真に目をやり、
「そうかな?自分ではよくわかんないや」
「そっくりとは言わないけど、どことなく血のつながりを感じるの」
「ごめんな、このときは無理いって。」
瑞希がどうしても、楓に会ってみたいというから、窯に連れて行ったんだ。この部屋に呼ぶのもなんだか、、だし、俺んちに呼ぶのも、なんだかなんだかだし、街中ってのも仕事柄、ちょっとな~って言ってたら、楓が、どうせなら、いっそ窯まで来て、一緒に作業しないかって言ってくれたから。
「ううん。窯でも楽しそうだったしよかったわ」
「喜んでたよ。すごく」
楓は微笑んで、
「なら、よかった。とっても可愛いかったわ、瑞希ちゃん。悠斗が溺愛してるのもよく分かる」
「溺愛?そんなんじゃないよ」
「そう?でもすごく可愛いって思ってるでしょ?」
俺は、どうだろう?って思う。
「・・どうだろ?確かに、、仲はいい方かなって思うけど。」
「私は一人っ子だし、羨ましい」
「悟さんと彩はどうだった?」
不意に悟さんの名前を出され、ちょっと驚いたみたいだけど、それほど停滞せずに、
「ん~、悟も、彩のこと大切にしてたわ。彩はちょっと、迷惑がってたけど。親より厳しいからってね。でも、それって可愛がってる証拠だよね?」
と答える楓。
「だな。瑞希は俺の言うことなんて聞きゃしないけど」
俺は答えて、その写真を小さなカードスタンドごと、手に取り、あ、と思う。
「このスタンドは?」
「あ~。これね、フジシマくんがくれたの。誕生日にって」
「へ~。なんか、シンプルだけどいいな」
「うん。フジシマくんらしいラインじゃないんだけど、そこがかえって面白い」
俺は手にとっていろんな角度で眺めてから、
「こういうのありそうでないよな」
「うん」
「だけどさ~」
「え?」
「この写真は、ダメだよ、ここに飾ったら」
「なんで?」
俺は楓の頬にさっとキスして、
「こういうことしにくいだろ?妹の写真の前だと」
楓は少し赤くなってから、
「・・してるじゃない。」
って口を尖らせた。


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最終更新日  2009.10.31 00:01:51
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Re:box 40 ~悠斗~  
白烏 さん
悠斗と楓は穏やかだ。
これからいろいろあるのか。
Rケースケくんお帰り。
ひろ大丈夫だったかい。
相当参ってた様子だから優しくしてやってくれ。
白烏 (2009.10.31 20:41:47)

Re[1]:box 40 ~悠斗~(10/31)  
白烏さんへ。

いつもありがと~ございます。
ご心配もすいません。

がんばりまっす。

ひろ。 (2009.11.01 19:13:15)

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