帰って来たかえるのへや

その３）12月6日記

（2006.12.6記）その３「障害、それとも心の傷？」

わたしは自分がこうしたアカネとうまくやれないのを
自分の猫育てが下手とか、単に相性が悪いとか、
それだけの問題とは思えなかった。
Kaeruとうまくやれないなら、
オットとならうまくいくかというとそうでもなかったし。

アカネ自身もともと抱えている問題が大きいように思われた。

もしかしてそれはアカネだけでなく、
アカネの兄弟にもある程度共通の問題だったかもしれない。
アカネの弟？はアカネ同様交通事故死したし
アカネの姉はもらわれた先の犬とうまくやれず
新たな飼い主にもらわれたが、でぶでぶ太ったそうで
飼い主は「きつい子だ」と言ってみえたそうだ。

血統といえばそうなのかもしれない。
が、環境要因もあるかもしれない。
アカネ達兄弟は獣医さんの裏口に捨てられていた。
ほんの数分の間にだったと獣医さんは言う。
やむなく獣医さんは自分で駆虫剤を与え
ワクチンを打って、貰い手探しをした。
アカネはだから、アキラのような放浪や飢えは経験していない。
でも、こうした捨て方をした以前の飼い主を
Kaeruは冷酷な人間だと思う。
獣医を見込んで、その家の様子をさぐって、
やり遂げた手口はあくまで冷静で巧妙だ。

想像するにその人は保健所に持っていくのに較べ
嫌味を言われずに済むし、獣医さんなら優しいから命も助かるし、
ペットショップなんかに貰い手探しを頼むのに較べても
お金もかからないし。
わたしって慈悲深くってあったまイイ！なんて思っているのではないか。
ある意味、可哀想で？保健所に連れていけない！と
問題を直視できなかったアキラの飼い主よりはるかに非情だ。
そういう飼い主のもとにいた母猫が
安らかに暮らせていたとはとても思えない。
そうした母猫のストレスは妊娠育児にどの程度反映したか。

アカネには単に心の傷と言う以上のものもあったのかも、とも思う。
アカネの体には小さな畸形があった。
それはすべて体の左側に顕われたのだが、
たとえば副耳や副乳といった単独では単なる個性だが、
いくつか重なると体の内部にも多重畸形がある事が予測される
そんな小畸形があった。
他にも左側にたった１本黒いヒゲが生えていたり
（他には体に１本の黒毛もなかった。）
左側の眼が小さかったりした。
左側に問題があるのは右脳に障害があるのかと想像する。
（そんなに単純でもないらしいが）
一般に「感情脳」とも呼ばれる右脳。
たとえば広汎性発達障害とか、
何か脳だのホルモンだのの障害でもあったのだろうか。

アキラとお見合いする前のアカネ。
左側の変調は必ずしも固定的なものばかりでもなかった。
ヒゲについてはその１本が抜けた後は白い毛が生えて来た。
そしてこの左目も小さい時期と
両目の大きさが揃っている時期があった。
彼女が落ち着いている時は良く揃った。

そういえば、アカネが亡くなった後、
１週間ほどアキラの左目が小さくなった。
そんな事はアキラには初めてだったが、
アカネを失った感情のダメージを訴えていたのか。
でもまるでアカネが乗り移っているような奇妙な感じも受けた。

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