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『疾走』  重松清




疾走




まず、この物語は 少年の青春記 であります。
誰もが経験したであろう苦悩、やりきれなさ、思いがこの本に書かれています。

主人公シュウジは中学生、言葉数が少ない父と少し気弱な母と進学校にかようシュウイチの4人暮らし。
彼らの住む地は『浜』と『沖』と呼ばれる2つの集落で構成され『浜』に住む人々は『沖』に住む人々を嫌う。
シュウジはこの町で様々な出会いを経験する。

鬼けん…アカネ…エリ…教会の神父。
彼にとって出会いは成長の一歩でもあり、苦悩の一歩でもあった。
ある時兄の事件によりシュウジは学校でいじめを受けるようになり、これをきっかけに、家族が分裂していく…。

誰 か 一 緒 に 生 き て く だ さ い …

彼はにんげんとの『つながり』をもとめる。
アカネに会いに大阪へ、エリを追い東京へ。
彼はひたすら『つながり』を求め続ける。
やがて、待ち受ける試練…。



なんとなく『海辺のカフカ』の主人公田中カフカ少年とシュウジが重なりました。
読んでいて手の震えが止まらなかった。
でも、1ページ先が早く知りたいという気持ちで一気に読みました。

著者の重松清は『ビタミンF』で知ってはいましたが、ここまで引きづり込まれる作品を書く人だとは思いもしませんでした。
彼の作品には『ナイフ』『きよしこ』などがあるそうです。

いじめに耐え抜く気持ち。
家族との絆を保とうとする気持ち。
約束を守ろうとする気持ち。

私たちが日々暮らしていく中で体験する気持ちを切実と書ききった作者に拍手。
そして、私たちの未来に幸あらんことを!!



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