貧乏旅人 アジアの星一番が行く 世界への旅

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2023.01.11
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カテゴリ: 作家
あらすじ



写真はネットより借用

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披露宴には北村も来ていた。相変わらずがっしりした体格をしており風格も出たようである。しかし学生時代のように日焼けはしていない。サラリーマンらしくなっている。2年ぶりか3年ぶりである。彼には入学当初世話になった。バイトも同じ会社だったので最初の頃は教えて貰った事を覚えている。しかし最も強烈な事は本日の主役矢代美恵子とグルになって悠介を騙した事である。そのお陰で小平由樹枝と別れる羽目に陥ったのである。悠介に大きな打撃と精神面の変化を与えた二人が花嫁と北村であった。当初は恨んだが美恵子と暮らし心が安定した頃より北村への恨みも消えた。悠介は自分のせいと反省したのである。しかし悠介の心には大きな影響を与えた。小平由樹枝とは結婚しようと願い恋人としての楽しさを満喫していた。その後は誰とも結婚したいと思わないのである。小平由樹枝の存在が大きすぎたし、その出会いから恋人時代も含めて彼女以上の女性が見当たらない。

披露宴はたけなわとなり盛り上がっている。主賓や来賓の挨拶も終わり、ご歓談の時間だ。花婿、花嫁はお色直しで席を外している。悠介は北村以外知っている人はいない。大学で見かけたと思われる女性は同じテーブルに数人いた。花嫁の友人であろう。
北村がその女性たちに2次会に行こうと誘っている。悠介は興味ないのでひたすら飲んでいた。飲み過ぎには注意しているが飲む以外にやる事もない。聞くともなしに聞いていたが2次会の話が纏まったようである。
「寺本、君も行くよな?男は俺一人だから寺本が行かないと困る。」
「いや、俺は・・・。」

悠介はあまり行きたくなかった。又、女性と深い仲になりたくないからである。唐橋由美子で懲りている。それだけ悠介はモテると言う事であり、普通の男なら羨ましいと思うはずである。いつの間にか悠介は普通の若者と異なる性格になってしまったようである。
「今日は、僕は遠慮します。体調も良くないし・・・。」
「えー、それだけ飲んでいて体調が悪いはないだろう。」
北村はしつっこい。女性が3名、北村が一人ではバランスが悪いのであろうか? 割り勘要員として悠介が必要なのであろうか? 北村は高圧的でしつっこいし断るのも面倒になって来た。
「分かりました。でも遅くならないように帰りますけど、良いですか?」
「あぁ、それは問題ない。」

新郎側の親せきの方も酒を注ぎに来る。大体、隣の北村が対応しているので、悠介は出来るだけ出しゃばらないようにしている。そうでないと飲まされて意識を失うと困るからである。何度かの失敗を経て悠介も飲むのは慎重になっている。同じテーブルの女性も酒を注ぎに来た。
「学校でお会いした事ありますよね?」
「ええ、会った事あると思います。」
「ハンサムな方だと遠くから見ていました。新婦さんと仲良かったですよね?」
「いや、そんなに仲良くとも言えないです。普通の友人でした。」

「2次会に行くのでしょう?」
「ええ、あまり気乗りしないのですが、北村さんから行こうって。」
「そうなんですか? どうして気乗りしないのです?」
「理由はないのですが・・・。」
「私楽しみです。一緒に行って歌うたったり楽しみましょう?」

彼女の名前も知らないが、顔はしっかり覚えた。美人の部類に入る顔立ちと容姿をしている。きっとモテるに違いない。

宴も終盤になった。両親代表の挨拶も終わり、花婿花嫁から両親への花束贈呈が行われた。純白のウエディングドレスを着た恵美子はとても綺麗だった。そして堂々としていて見ていて恰好良いな、と悠介は思った。彼女とは無理やりとは言え数ヶ月同棲させられた。その後アパート代を支払う約束で同棲を解消し部屋を出て行って貰ったがその後も会って身体の関係は続いていた。新郎と言う彼氏が出来てからも身体の関係を持っていたのである。そんな親しかった彼女が遠く離れて行ってしまったような感覚を得た。人妻であるから当然ではある。そんな事も遠い思い出になるのだろうなー、と幸せそうな新郎新婦を見ていてそう思った。

司会者から新郎新婦は今夜は東京のホテルに泊まり明日から2週間余りのハワイ新婚旅行に出かけると紹介があった。2週間もハワイって凄いねー、と同じテーブルの女性が言った。当時の新婚旅行先は九州方面からハワイに移行しだした頃で若い女性の憧れであった。披露宴はお開きとなり引出物を持って参列者はぞろぞろと会場を出る。
会場の出口に新郎新婦とご両親が待っていて全員に挨拶をしていた。悠介もお辞儀をしながら通り過ぎる。恵美子には小声で「幸せにね。」と声をかけた。恵美子はにっこり笑って微笑み返した。

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Last updated  2023.01.11 17:14:30
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