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2024.12.01
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カテゴリ: 作家



悠介は、長野県安曇野の隣、池田町に産まれ、長野高校に進学した。大学は東京のM大学である。その間、小平由樹枝と良いお付き合いをした。大学2年になりとあるコンパで飲み過ぎて矢代美恵子と深い関係となる。小平由樹枝を愛していたが、愛想をつかされ振られてしまった。その後、美恵子とは変則的な付き合いを行い、1年先輩の美恵子は就職して大学もアパートも去った。悠介は大学4年になり就職活動も終わり、希望の会社に就職も決まった。そして友人高橋の結婚披露宴も無事終了。その後新婦の友人の唐橋由美子と親しくなったが、別れたいが別れさせてくれない。一方、美枝子は玉の輿と言える結婚する事になった。3月末、悠介は就職したが、実習中に由美子が自殺未遂をしたと言う連絡を受けて真っ青になった。由美子の父親に会い、慰謝料も支払い問題は解決した。悠介は希望の鹿沼工場に配属され社会人生活が始まったが、女性問題がありタイのシラチャへの出張が決まった。シラチャーでの仕事、生活は順調である。



写真はネットより借用

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「ハンサもチムリンも一緒に行こうよ。」
席の前に座っている女性二人にも声をかけた。ハンサは笑っている。この事は勿論知っているからである。
「しかし、4月の連休ですと、問題があります。だって今のままでは私は2月に帰国なんです。課長、何とかなりませんか? 私は建設が完了するまでここで仕事をしたいです。」
「それは俺の権限を超えている。加山本部長に頼むのだね。」
「そうだ、山下課長、この月報をチェックして下さい。鹿沼工場の上司に送ろうと思って作成しました。この中に、私の希望も書いてあります。」


「仲々、良い出来だ。建設状況が一目瞭然だ。街の様子も分かる。上手く纏めたね。これは加山本部長にも見て頂こう。」
そう言って、山下はファイルを持って加山本部長室へ入っていった。悠介は褒められて良い気分になっている。暫くして加山本部長に呼ばれた。
「月報、読ませて貰ったよ。仲々、良く纏めてある。月報とは考えたな。これは建設本部としても行わねばならない事だ。君に教えて貰ったよ。毎月、月報を作成してくれ。そしてコピーを2部作成してくれ。大坂本社にも1部送付する。鹿沼工場には君から送ってくれ。」
そのように加山本部長から言われて、悠介は興奮した。
「しかし、建設本部として報告となると、考察で私の希望が書いてありますが、そのままでよろしいでしょうか?」
「あぁ。良いだろう。君の発想で月報を作成してくれた。次回からは建設本部として報告する旨、コメントを書いて置くよ。それから。建設終了するまで君がここで働きたい希望は本社に要望してある。本人からの希望を直接出して置いて良いだろう。」

悠介のシラチャ生活は順調である。ハンサとの交際は順調、仕事も褒められている。

悠介が鹿沼工場へ月報を送って3週間後、1月末に近い頃ファックスが届いた。鹿沼工場総務課の吉成課長からである。そのファックスには、
「2月末に一度帰国してくれ、その後、本格現地赴任の手続きを取る。たぶん、2週間ほど鹿沼工場に滞在し、その後シラチャに戻る事になるだろう。」
そして本件は、本社も鹿沼工場も了承しており決定である、とも書いてあった。悠介は飛び上がって喜びたい心境である。早速、そのファックスを山下課長に見て貰った。そして加山本部長にも報告した。悠介は夢が叶い天にも登る気分であった。
「課長、これで建設完了まで、ここで働けます。どうぞよろしくお願いします。」

加山本部長も部屋から出て来た。
「みんな、集まってくれ。話したい事がある。」
そう言って皆が集まると、寺本悠介君が、出張でなく赴任となり、我らの本物の仲間になる、と説明してくれた。それを聞いて、皆、嬉しそうな態度である。悠介は嫌われてはいないと思った。特別にハンサは破顔一笑である。喜びが溢れていると言った感じである。

時は過ぎ去り、2年が経過した。悠介が出張の時は運転手を含めても10人ちょっとであったが、100名を越える大所帯になっている。総務課にも山下課長以下、大森、そして日本からもう一名、現地スタッフの男性も1名、悠介に女性スタッフが2名、総勢7名と一つの課らしい体制になっている。建設工事は既に完了し、試運転体制に入っている。建設とは異なる緊張関係が工場全体に広がっている。試運転とは関係ない総務課もその雰囲気を感じて、いつもにない緊張感がある。悠介は2年間月報の担当を続けて来た。備品の管理責任者のような仕事も行っている。さらに大森を助け、採用業務、労務管理、勤怠管理、登記変更作業、社会保険関係手続なども行っている。幅広い仕事をこの2年間で覚えた。タイ語は全く上達しなかったが、英語は当初に比べればずいぶんと流暢になった。

一番大きなイベントは竣工式であった。これは、山下課長以下、大森と、悠介も補助して綿密に行った、建設に携わったメインコントラクター、サブコントラクター、そしてその下請けも含めて多数の会社を招待した。日本からの客も多かった。式典は3時間程度であるが、200名もの参加者が混乱する事のないよう、下打ち合わせを行い、そして招待状も発送した。その返事の纏めもある。式典のスケジュールや、料理や飲み物の手配、作業は膨大であった。悠介の会社も社長を筆頭に、大阪本社からも、東京からも鹿沼工場からも参列した。その方々の面倒も見なければならない。総務課だけでなく技術課にも応援を依頼して担当した。


悠介も試運転が終了し一段落すれば、日本へ帰国となる。たぶん、3月末、あと一ヶ月もすれば、帰国日がやって来る。2年数ヶ月過ごしたシラチャを離れるのは寂しい。取り分け、ずっと付き合って来たハンサとの別れは、寂しさ以上のものがある。悠介は、会社の寮を出てアパートを借りて住んでいる。寮ではハンサと会えないので、安く上がる寮を出たのである。上司がいる寮にハンサを連れ込む訳には行かない。どうして寮を出るか聞かれたが、現地に溶け込み現地を知りたいと説明した。

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Last updated  2024.12.01 15:03:08
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