劇場通いの芝居のはなし

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2019.06.25
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カテゴリ: 演出ノート(3)
スズメはひとまず助かって、ホッとします。そしてシクシクと泣き始めます。泣きじゃくりながら、土の中にいるブンナに呼びかけます。
カエルさん、いるんだろう。ごめんね。さっき言ったことは許しておくれ。ぼくはそんなに悪い奴じゃない。ただ弱いだけなんだ。
ブンナはスズメを憎む気持ちが薄らいできます。自分だって、死ぬまぎわには、誰かを身代わりにしようとするかもしれない。そう思うのです。

ブンナがいるサス明かりの中に、老ガエルと他の子ガエルたちが投げ込まれます。明かりの後ろから飛び込ませます。彼らも子どもたちに捕まえられたのです。
カエルたちは再会を喜び合いますが、死ぬ運命が近くに迫っています。トビに捕まえられた獲物たちと同じ運命です。子どもたち=トビです。
子ガエルたちはなんとかして逃げだそうとしますが、瓶の壁は高いし、つるつるして、飛び越えることも登ることもできません。
なすすべがないので、老ガエルはひとまず落ち着いて、ブンナに木のてっぺんでどんなことを見たのか、話すようにたのみます。

木のてっぺんです。トビの羽ばたきが聞こえます。今度連れてこられたのは、ネズミでした。後の場面を考えると、この役は少し年長の人が演じるのが良いでしょう。服装は地味で、灰色っぽいものが良いです。少し足を引きずらせてみました。首をややうなだれるようにして、上目遣いにすると、感じがでます。

スズメはネズミにも、食べないでと哀願します。どこまでも、弱い存在です。ネズミはスズメに、こうなった以上、お前さんを食ったって、自分が生き延びられるものじゃない、だから食べはしない。おれは悪い事ばかりしてきたから、罰が当たった気がすると、そんな述懐をします。
ネズミはスズメを食べないと繰り返しますが、また、元気があればこの木の上からおりてゆけるかもしれないと、そんなことも言います。ひょっとすると、元気をつけるためにスズメを食べようと思うかもしれません。ネズミの態度には、そんな当てにならないところが感じられます。

スズメはおどおどして、おなかがすいているなら、土の中にカエルがいる、それを食べてと言い出します。悪かったと言って泣いていたのに、またこんなことを言うのか。ネズミは鼻白み、ブンナも腹をたてますが、スズメを卑劣だというよりも、弱いやつだと見てやった方が良いと、わたしは思うのです。スズメは生きたいのです。生きて子どもを作り、なんでもない幸せを経験したい。それを知らないまま死にたくないのです。





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Last updated  2019.06.25 09:00:09


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