がんセンター(国立)



がんセンターはホームページも持っていて、
事前にいろいろ調べることが出来て良かった。

部位別の癌の一般向け説明はとてもわかりやすい。

ここなら専門病院で、症例もいろいろ豊富だろうし、
医師も当然、経験豊富であろう。
ここで癌と断定されるなら、覚悟を決めることが出来る。
・・・そう思った。

最初は、築地にある中央病院の方へ、
行ってみようと思ったのだけれど、
当然混雑が予想されるし、
機械による整理券の受付け開始が7:30で、
それに間に合うには、
病院の近所に泊まらなければならない。
子供二人連れて行くのも無理がある。

・・・ということで、東病院を選んだのだ。
朝は夜明けと共に出発し、7:30頃に到着した。
検査があるかもしれないので、夫は朝ご飯抜き。

巨大な病院である。
緩和ケア病棟(ホスピス?)というのが別棟にあり、
入り口も駐車場も別になっていた。

総合受付けにはまだ殆んど患者が集まっておらず、
初診受付けは2人目だった。

診療科は細かく分かれていた。

受付けを済ますと8:30まですることがない。

少し院内を見て歩く。

1F奥には、座れるスペースと談話コーナーのようなもの。
エレベーターの館内表示を見て、
まずドキッとしたのは、地下1Fの「霊安室」の表示。

普通の病院では、
そんなに目立つところに表示していない気がする。
同じフロアに、売店などもあるのに・・・、
エレベータの中の各フロアの案内にも、
堂々と場所が書かれていた。

癌という病気で、「死」を意識しない人はいないだろう。

この病院で生を終える人たちも多いに違いない。

入院していて、売店などに行く度に、
「死」を思わねばならないのは、どんなものだろう?
自分もそこに行くのか、
と暗い気持ちになる人も多いのではないだろうか?
家族だって同様である。

もっと、人目に付かない表示の仕方もあるはずなのでは?
無神経な感じを受け、嫌な気持ちだった。

そこで、地下の方へは行かず、
展望レストランのあるという9Fに行ってみる。

行ってみると、社員食堂という感じの匂い。
ゆっくりできる場所もなさそう。
眺めは、確かに遠くを見渡せるが、あまりいい景色ではなかった。

1Fの座れるスペースに戻って、時間を待つ。


8時半近くなってくると、受付けには人が増えてきた。
若干少ないみたいに思えたのは、
再診の人はみな予約になっているからだろう。

早く来ただけあって、すぐ名を呼ばれ、
書類を持って消化器外科へ。
お決まりの問診表の記入。かなり詳しい質問である。
提出すると、またもやすぐに名前が呼ばれる。
ラッキー?
いや、受付けの人が長く話をしている。
戻ってきた夫に訊くと、予約で混んでいるので、
新患の人はいつ呼ばれるかわからない。
もしかして、うんと待たされるのかも知れない・・・、
という話だったそうだ。

前の日に電話で訊いた時も、
一日掛かるのを覚悟で来て下さいって話だったものね。
覚悟しているから、待つのはかまわないけど、
何も食べてない夫が可哀想な気がする。

あらためて周りを見ると、年配の人が多い。
5、60代くらいが中心?
私たちが「若いのにお気の毒にねぇ」と思われている気がする。
でも、やはり、20代そこそこの患者さんを見ると、
私も若いのにお気の毒・・・と思ってしまう。
よく見ると、30代40代もちらほらいる。

赤ちゃんと幼児を連れた、若い夫妻もいた。
子供が騒ぐので、苛立っているようだった。
大変そうだった。
昨日うちに来て子供を見てくれている実家の母に感謝。

「ここに来てる人みんな、癌か、癌の疑いのある人なんだよね」と私。
「そりゃそうだよ、癌の専門病院なんだから」
「他にさ、病名のついてる病院ってあったっけ?」
「リュウマチセンターとか、ぢセンターとか?聞いたことないなあ」
「がんってさ、病気の中の病気、THE病気!って感じだよね」
「病気の王道だよね」
「宣告、ってコトバも、癌くらいだよね、使うの」
「そうだねぇ」
「病状が深刻でもさ、くも膜下出血の宣告とか、
心筋梗塞の宣告とかは言わないもんね」
「そういえばそうだね」
「小4の頃から、病欠もしたことないんでしょ?
その分一気に来ちゃったのかしらねぇ・・・」

などと、
私も夫も不思議に明るく軽口を叩いてしまう。

でも、それでこそ、私がいる意味がある。

夫一人では、待ち時間がつらいに違いない。
色んなことを考えて落ち込んだりするのかも?

案外早く名前が呼ばれた。

二人で一緒に診察室に入る。
40代くらいの医師?

持参したフィルムなどから、
やはり、早期の胃癌であろうこと、
潰瘍があり、低分化型(砂を撒いた様に広がるタイプ)のため、
内視鏡による治療は適さず、胃の3分の2か4分の3切除が、
適切だと思われること、
転移の可能性は極めて低いがゼロではないこと。
という診断だった。

やっぱりかぁ、できれば、癌ではないって言って欲しかったけど。

いつ頃から出来たのか?と訊くと、
多分去年もあっただろうし、一昨年もあったかもしれない、
いつ出来たかは定かでないが、昨日今日ではないだろう、
とのことだった。

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