HAPPYLIFE@我が家。

4.無問題。



あたしは1人になった。

今からケンチチに片思いをするんや!

心おきなく追っかけてもいいんや。

そう考えたら興奮して眠れなくなった。

あたしは今まで片思いを成就させたことがない。

男の子に好きやと言ってもらったことはあるけど

自分から好きになった子に、

好きになってもらったことがない。

ある程度までは仲良くなれても、いつも友達止まり。

だから。

ケンチチと付き合えたらいいのに・・・と、

漠然と思っているけど、全く自信がない。

まず、話せるようになるかがわからない。

知り合って半年経ったけど・・・

名前知ってくれてるやんな。

顔・・・バイト以外の時にもし偶然出会ったら、会釈ぐらいはしてくれるよな。

覚えてくれてるやんな、あたしのこと。

1人になって、自分の中の制限がなくなって

自由に片思いができるようになって

あたしはバイトが辛くなった。

週に2回の2時間。

遠くからケンチチを見ている。

ケンチチが他の女の子としゃべっているのを見ると、嫉妬する。

あたしはケンチチの前で、おとなしい女の子になってしまった。

・・・・・・。

・・・・・・?

・・・・・・!!

ちょっと待って。

こんなんでいいのか!?

このままやったら仲良くなれへん!

しゃべれへんまんまやったら、彼女になるなんて無理な話なんちゃう!?

このまんまじゃアカン!

急に何かがふっきれた。

何がきっかけかと聞かれるとわからない。

店の裏でジュースを補充しながら

急にふっきれたのだ!

よし、がんばろう。

小さく気合をいれたあたしは表に戻った。

そのままケンチチのそばへ歩いていった。

「裏、冷房効いてて寒かった~。ジュース結構減ってました。」

『そうなんや、補充終わったん?』

「はい、どうにか。」

必死だった。

しゃべりたい一心だった。



次からも、積極的にしゃべっていこう。

たわいない会話でもいいから。

あたしのことを見てもらえる時間を少しづつ増やしていこう。


















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