カンパーの里 ~私立竜苑学園~

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7、密林


「エフラムさんは大丈夫かな・・・?」
ツバサの呟きにキルが答える。
「戦い馴れてるみたいだし、大丈夫だろう。何より、早く寒波を探さないと!」
ツバサは後ろ髪を引かれる思いで歩き始めた。
「ここからの道はわかるか?」
キルは刻神に話しかける。
「よく・・・覚えてねぇ。」
「そっか・・・。じゃあ、ここから班別に行動だ。」
キルは紙を取り出し、何かを書き始める。
「俺、由紀、刻神がA班、ツバサ、空輝、竜水がB班、ルイ、風燐、空がC班だ。」
キルはそれぞれに紙をちぎって渡す。
「その紙には簡易な魔法がかけてある。通信端末みたいなものだ。紙に向かって話せば全員に聞こえる。これで連絡を取り合おう。」
ツバサたちはそれぞれ別れ、小島の密林を歩き始めた。

A班。
「・・・。」
「・・・。」
場の空気はかなり重かった。
「なぁ。」
口を開いたのはキルだった。
「なんでお前等危険とわかっててここに来た?」
「・・・宝があれば、町も豊かになるじゃんか。」
刻神はぼそりと呟いた。
「なるほど・・・。」
キルはそれ以上追求しなかった。

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