カンパーの里 ~私立竜苑学園~

カンパーの里 ~私立竜苑学園~

9、消える恐怖


「わっ!?」
ツバサの頭上をなにかが掠る。
「アースライト!!」
空輝は魔法を虚空に向け放つ!
ーギシャアアア!!
虚空に稲妻が走り、無数の小さな獣が地に落ちる。
「あ・・・ありがとう。」
ツバサは地面に手を付けながら、安堵の息を漏らす。
「あれ・・・?竜水は?」
空輝が言う。
「そう言えば・・・。」
魔物が現れてから姿が見えない。
「まさか・・・、他のみんなは!?」
紙の通信端末に話しかける。
「大丈夫!?」
『あぁ。だが、ルイたちと連絡が取れない。』
キルの声にツバサは愕然とした。
「そんな・・・、ルイ!」
「ツバサくんっ!?」
ツバサは走り始める!
しかしすぐに空輝に捕まった。
「落ち着いてっ!!」
「落ち着いていられるかっ!!!!」
いつもと違う口調。
緊迫したその顔はよほどルイが心配なのか、空輝を見ていなかった。
「今は単独行動は避けるべきよ!みんな魔王に捕らえられてるハズだから、キルくんたちと合流しましょう!!」
「うっ・・・、わかっ・・・た。」
ツバサは歯をくいしばった。
「キルくん、ひとまず合流しましょう!」
静寂。
「まさか・・・。」
キルとの連絡も取れなくなった。

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: