極私的探偵日記/第一章「口上」
日記などというものに、とんと縁ののなかった小生が、日記など書いてみるかと思い立ったのは、この不可思議故であります。
夜の巷。
誘蛾灯のようにまたたくネオンの、その華やかなる顔の裏側で、
秘密の儀式が、今宵も密やかに執り行われているのでございます。
小生には少々探偵の心得がござりますれば、
そうしたおどろおどろの世界を探検し、
皆々様のご覧に興じようとの趣向でございます。
ご期待を賜りますれば、望外の幸せにござります。
先ずは、口上申し上げ候。
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