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2005年03月06日
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テーマ: 戦争反対(1190)
 本日の戦争映画レビューは奇しくもイタリア映画だったのだが、
拉致の伊女性記者解放…米軍銃撃、同行の情報局員死亡(読売新聞)

 しかし、ズグレナさんを引き取り、バグダッドの空港に向かっていた伊情報当局の車が、検問中の米軍の銃撃を受け、情報局員1人が死亡、2人が負傷した。(以下略 読売新聞)


 なんとも残念な話ではあるが、混乱している状況においては十分起きうる話であろう。原因の一つに米軍検問所で停止しなかったと言われており、もしこれが本当ならば致命的なミスである。また、こうした混乱状況の中では情報の伝達が非常に難しく、あらかじめ解放者を乗せたイタリア関係者の車輌が通過する旨の連絡が検問所に届いていなかったという可能性もある。
 いずれにしても、混乱している場合にはほんの小さなミスで命を落としかねないという事例である。戦争とは、この状況がずっと続いている状況のことであり、何が起こるかわからないし、何が原因で命を落とすかもわからない。要は、普通の平和な生活の中での常識が通らないのであり、ルール通りにはいかないのが戦争である。

 で、今日は何が言いたいのかというと、戦闘地域での命は誰が守ってくれるのかということ。軍人の場合は、自らが銃を取り自分の生命を脅かす敵を払いのけることができるし、兵隊同士のチームワークによって生命が維持される。特に、戦闘に至っては、綿密な作戦計画によって秒刻みの行動によって維持される。
 これに対して、文民は自ら戦うことなく、綿密なチームワークも期待できない。自らの生命を維持するための手段がほとんどないに等しいのだ。真っ当な危機管理能力があるとすれば、「近づかない」「関わらない」ことが一番となる。
 しかし、取材など何らかの理由で足を踏み入れることとなった場合、結局文民の身を守る役割が軍隊に課せられることになる。しかし、綿密な計画によって維持されている軍隊にとって、指揮系統に全く従わない文民が入り込んでくることは、いわば致命的な穴を作り上げることにほかならない。特殊部隊など他人の命を救うことを使命とする部隊もあるが、大部分の軍隊は自ら(軍人)の命を相互に助け合うためで精一杯だ。軍隊で上官命令が絶対というのは、内容がいいか悪いかではなく従わねば(一致団結しなければ)死ぬという危機管理から発生しているものであるが、いいか悪いかの判断で動く文民はその行動系統を阻害するだけなのだ。

 今回のイタリア女性記者を引き取りに行ったイタリア情報局員が死亡したのも上記の欠陥によるものである。文民の中には自分の身は自分で守っていると錯覚している輩も多いようだが、結局の所、生命の維持のためには多くの人の助けを借りているということを忘れている。亡くなったイタリア情報局員はどの程度危機感を感じ、死ぬかもしれないと思っていたかはわからないが、このイレギュラーな任務に対して、果たして死に値する代価を得ていたのだろうか。多分、イタリア情報局員の本来任務の範疇であれば、そうそう死に直面することはなかっただろう。
 この事件を米軍の誤射と非難する向きもあるが、米軍兵は正当な危機管理に基づいて行ったと思われるのであって、むしろ危機管理のなかった文民にこそ一人の命の重みを感じて貰うべきであろう。平和、生命の維持のプロセスはどのようにして勝ち取られてきたかをよく考えてみるべきである。





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最終更新日  2005年03月06日 10時01分36秒
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