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2006年06月23日
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テーマ: 戦争反対(1190)
カテゴリ: 教育時事


<愛国心教育に思ふ>
 近頃教育基本法改正論議の中で愛国心教育を盛り込む云々が取りざたされているが、私自身、これまで日本人には愛国心が薄いと感じ、何故これほど自国の誇りを捨て去ろうとするのかと、マスコミの論調、著名人・個人の発言等訝しく思う事がしばしばあった。それ故、愛国心教育の必要性は切実に感じてきたところであるが、最近の手を翻したかのようなマスコミの論調、政府の施策についてはいささか首をかしげざるを得ない点も多い。
 やはり、この問題はじっくりと愛国心について考えてみる必要がある。

<愛国心とは何か>
 そもそも、愛国心とは何なのか。左まきのマスコミや知識人はこぞって「愛国心教育よりも愛される国づくりが先決だ」などという論調だが、これはある意味愛国心を考える一つの切り口である。分かり易い例えで言えば、親子の愛情を豊かにしましょうと言っているのに、子供に愛される(模範的な)母親になりましょうと言っているようなものであり、言うまでもなく、親子の愛情は子供が母親を愛することで育まれるものではない。ここに問題があり、「愛」という用語をどちらも用いているが、実は意味しているものはかなり違うのである。親子の愛情はまさしく「情念」であって、生まれ持った自然発生的なそれであるのに対し、ここでいう子供の母親への愛というのは「信頼感」なのである。先のマスコミの言葉に言い換えれば、愛国心は情念であり、愛される国は信頼感ということになる。
 何となく理解していただけかと思うが、果たして皆さんの思っていた「愛国心」とはどのようなものであったでしょうか。

 このことを、もう少し分かり易く考えてみよう。これまで私たちが「愛国心」と言ってきた事には、大きく分けて二つの要素があると言って良いだろう。
 一つは 「同族愛」 と呼べるもの。同じ民族、同じ言語、同じ文化。我々が生まれ持った情念の一つで、愛しさ、懐かしさなどという表現でも代用できる。この同族愛の特徴は生まれ持ったものであって、事後の力では変える事の出来ない強制力をバックに持っている点である。我々はその押しつけられた強制力に、神秘性や必然性というものを感じるのである。それは、親子愛に始まり、家族愛、郷土(地域)愛、そして民族愛に広がっていく。ただし、一見民族愛に類似するものとして捉えられる宗教的結束力とは異なるものである。
 この同族愛は自然発生的に沸いてくるものであるから、何人にも、もちろん国家にも強要される類のものではない。逆にそれを排除することもできないのであり、実はそれが我々の持っている道徳心やモラルの源流となるものでもある。

 もう一つは 「仲間愛」

 日本は社会契約組織の最大形である国家=同族集団であるが故に、両者が混同されやすい難点があが、愛国心問題を考える上では、はっきりと明確にしておかないと様々な誤謬を産み出すであろう。外国の例を取れば、アメリカの黒人の場合、黒人同志の強い同族愛を持ちながらも、アメリカ合衆国への深い忠誠心も併せ持っていたりもする。

 さらに、これを今真っ盛りのワールドカップに例えてみると分かり易いかもしれない。私たち日本人が日本チームを応援するのも、ふがいない戦いに落胆するのも愛国心である。この愛国心はまさに同族愛であり、同じ民族、同じ言語、同じ文化を持っているものとして深い同族感を感じているからに他ならない。中には、国家利益を考えている人もいるやもしれぬが極稀なケースであろう。
 だが、戦っている日本チームの選手達はどうであろうか。もちろん相当量の同族愛は持っているであろうが、それ以上に彼らは仲間愛で戦っているのではないだろうか。日本代表というチームメイト、ジーコ監督とスタッフ。彼らは日本人の同族愛という重責以上に、チームメイトとの仲間愛に結ばれているはずだ。
 これはどういう事かというと、日本全国のサッカーファンの愛国心を制御する事は何人にもできないし、当然国がそうしろ言ってコントロールしたものではない。しかし、日本代表選手の愛国心(仲間愛)は、現在のチームのメンバー構成や待遇に至るまで自己の努力と選択によって「勝ち得た」ものであり、それを維持するために別の感情が働いているはずである。

 以上のように、愛国心と呼ばれるものには制御不可能で自然発生的な「同族愛」と、コントロールが可能で意図的に操作できる「仲間愛」があるという点を理解しておく必要があるだろう。

 次回は、その愛国心を育む方法について考えてみたい。





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最終更新日  2006年06月23日 07時46分55秒
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