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2006年06月30日
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テーマ: 戦争反対(1190)
めぐみさん自殺主張 金英男氏「日本側鑑定は侮辱」(産経新聞)

 【ソウル=久保田るり子】横田めぐみさんの夫だった韓国人拉致被害者、金英男(キム・ヨンナム)さん(44)は29日、北朝鮮の金剛山ホテルで会見し、めぐみさんについて「1994年4月に病院で自殺した」と述べた。会見内容はこれまでの北朝鮮側の主張を繰り返しただけ。北の“広告塔”役を演じきった。
 金英男さんは会見中、ときおり机に置いたメモを見て質問に答えた。めぐみさんについて「生きている人なら死んだとはいえない」と強調。「自殺」については「結婚前から鬱病(うつびょう)の症状があったが、悪化し神経異常の症状まで現れた」「(入院前にも)何度か自殺を試みたこともあった」と説明した。
 偽遺骨問題にも触れ、日本側からめぐみさんの両親に責任を持って渡すことや公表しないという確認書まで取ったとし、日本政府の「遺骨は偽物」との鑑定結果を「自分とめぐみに対する侮辱。耐え難い人権蹂躙(じゅうりん)だ」と非難した上で、「政治的な目的としか思えない」と述べた。
 自身の拉致については「漂流中に北朝鮮の船に救助された」と否定。北朝鮮では「特殊部門、具体的には統一部門の仕事をしている」とした。
 また、めぐみさんの娘のキム・ヘギョンさんの名前について、「ウンギョンだ。ヘギョンは幼名」とし、「ヘギョンはめぐみの娘であり私の娘。日本当局の姿勢を見ても行かせたいと思えないし、本人も行かないと言っている」と述べた。
 会見は韓国メディアに限定し、質問事項も事前提出させていた。
(以下略 産経新聞)


 これまでの北朝鮮当局とおなじ内容を答弁し、さらに遺骨DNA鑑定に不快感を表明するなど、予想されたとおりの会見となったようです。日本のメディアは当然ですが(一部売国テレビを除いて)、韓国メディアも比較的冷静な見方をしているようです。

 さて、金氏が本当の事を話していると信じている人は少ないはずですが、彼が置かれている状況について少し考えてみたいと思います。
 既に、日本人拉致被害者のうち数家族が日本へ無事帰国を果たしていますが、被害者の帰国前後の言動を見てみればわかるとおり、明らかに身の安全が確保された状況においてもなお、真実を語ろうとしなかったのが特徴的でした。その背景には、我々民主主義国家の住人には理解しがたいほどの監視社会であり、密告主義であるということがあります。
 すでに、幾多の脱北者の証言でも明らかになっているとおり、街中には至る所に政治局の息のかかったスパイが潜んでいますし、それ以上に何らかの形で強制もしくは自発的に親告する密告者がいます。何を密告するのかというと、基本的には思想的反抗者であり金正日等体制批判です。このほかに、盗み、違法性行為、闇商売、南韓の放送・音楽傍受などがあるようです。しかし、それ以上に恐ろしいのが無実の罪であり、要は密告者が気に入らない奴をでっち上げの罪仕立て上げてしまう事です。いとも簡単に敵を密告で闇に葬ってしまうということは、それを阻止するためにカネと権力が全てとなってくるわけです。他人には絶対に弱みを握らせない、万が一の時のためにカネと権力のコネを作っておく、そういう恐ろしい世の中なわけです。
 こうした、闇の目が光る世の中では他人の事を信じる事などできるはずもありません。誰が味方で誰が敵すらわからない状態で、いつどのような形で摘発されて収容所に送り込まれるかという恐怖は尋常ではないでしょう。脱北者の証言などをみると、最初は恐怖で真実を言えないのだが、次第にそういう状況に慣れてきて嘘をついて本心を隠すのが普通になってくる心境の変化があるようです。さらに進めば、自分自身で何が真実であったのかさえわからなくなってしまう事は心理学上あり得る事でしょう。
 日本人拉致被害者の方々も少なからずこうした心境にあったようですし、金氏も当然そうした状況に置かれている事は想像できます。確かに北朝鮮当局の書いたシナリオを読み上げているのでしょうが、金氏自身は嘘を言っている罪悪感も真実を語る恐怖感もすでに失われているように見受けられます。嘘を言い、偽りの喜びで身を飾らなければ生きていけない世界が浮かび上がります。横田夫妻の孫娘ヘギョンさんにしても同様で、彼ら北朝鮮拉致被害者の皆が役者のように振る舞っているのは、やらされているのではなく、自然に身に付いているものであると強く感じます。

 日本人拉致被害者の方々は北朝鮮での生活について我々一般には多くを語ろうとしませんが、それはかなり厳しいものであったと想像できます。ただ、ヘギョンさんも日本人拉致被害者の子供らも大学へ進学していた事を考えると、北朝鮮国内では破格の待遇と言ってもいいでしょう。
 日本や韓国から北朝鮮に自発的に帰朝した人々は、証言を見る限り決して良い待遇ではありません。それでも、北朝鮮の一般民に比べればましなようで、それは日本や韓国に残った親族との情報網があることと資金の送金(外貨獲得)といった利用できる面があるからです。それに比べて、拉致被害者は秘密の存在であり、かつ忠誠心も決して高いわけでもありません。再教育のうえ日本等へスパイとして送り込むというのなら別ですが、その子供ともなると商品価値としてはほとんどないと言っても良いでしょう。一説によると帰朝者は日本等での生活が長く、北朝鮮の思想には決して馴染まないが、拉致被害者は若いので思想教育がしやすいとも言われます。ただ、20歳ほどでの拉致者もいますし、それが妥当とも思えません。
 北朝鮮は拉致者に何の商品価値を見いだしていたのでしょうか。拉致者本人だけでなくその子供達にまで恩恵を与えていたその背景には何か思惑があったはずです。日本政府は、帰国された拉致被害者の方々からすでに色々な情報を得ているとは思いますが、そのあたりの分析を進めて外交にあたっていただきたいと思います。そして、いち早い金氏、ヘギョンさんの北朝鮮の呪縛からの解放を願う次第です。





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最終更新日  2006年06月30日 09時26分00秒
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