気まずい

2:00

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家に到着。
家は比較的安全だ。
ひとりで暮らしているので、人との接触がないのだ。
あーよかったよかった。
ほっとしてテレビを点けた。
「今日の出来事です」
アナウンサーがしゃべりだした。
テレビを消した。
いけないいけない。
どんな うそ をつかれるかわかったもんじゃない。
もう勘弁してくれ。
ビールを飲みながら、インターネットを見る。
見ながら今日という日を思った。
エイプリルフールの今日、ネットの世界ではジョークというか うそ というか、
そういうものが、いっぱい出現するだろう。
あたかもそれがお洒落であるかのように。
あーうんざりだ。
エイプリルフールが始まって2時間。
俺は早くも食傷気味だった。胃がむかつくぜ。
気まずいのページにおいては、3月31日にこのネタを使って良かった。
あー結果オーライ。
もし4月1日に日記やめますというネタがあったら、ほくそえんでやろう。
そんな悪心を抱いていた。
ただ、俺の心は軽かった。
すでにエイプリルフールを克服したような気分であった。
そろそろ寝ようと思ったとき、先ほどから飲んでいたアレを見た。
ビールね、ビール。
ん?淡麗?
ビ、ビールじゃない。発泡酒じゃないか。
しまったぁ。
お、俺が うそ を、 うそ をついた。
一気にビールいや発泡酒を飲み干した。
ちくしょー。やっぱり克服なんか出来なかった。
次から次へとエイプリルフールにまつわる妄想が膨らんだ。
もうジーコについて考えている場合ではなかった。
エイプリルフールであるという大儀によって行われるレイプ、殺人、放火。
テロ、革命。
こそ泥、いたずら。
合コン、いかさま王様ゲーム。
スカートめくり、じゃんけんの後だし。
ああ、恐ろしい。
とにかく俺は寝た。


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